9月
1日,
2021年
エドガー・H・シャイン著「問いかける技術」を読み進めながら(Day8)「コミュニケーション・モデルの紹介」」
昨日に続けて今日も、エドガー・H・シャイン氏の著書
「問いかける技術」
を読み進めて行きます。
今日はコミュニケーションの複雑さを単純化したり、分析のためにプロセス化するモデルを紹介します。
「謙虚に問いかける」は、良好な人間関係を構築するツールです、
しかし、この役割を十分に理解するためには、コミュニケーションの複雑さについて考察を深めておく必要があります。これを助けるツールは以下の2つである。
章立て
1.ジョハリの窓
2.知覚と判断のサイクル:ORJIサイクル
1.ジョハリの窓
この「ジョハリの窓」という考え方はつと有名なので、詳細の説明はここでは省きます。
簡単に言ってしまうと、自分と相手のそれぞれが、「見えている・知っている」、「見えていない・知らない」という切り口で合計4つの象限に分けて、コミュニケーションの内容や視点・焦点を捉える際に活用するツールです。
2.知覚と判断のサイクル:ORJI
我々の知覚と行動がどのような流れで行われているのか、を4つの段階に分けて捉えるツールである。以下の4つの段階の頭文字を連ねて「ORJI」と言います。
(1)観察し:Observation (O)
(2)そこで見たものに対して感情的に反応:Reaction (R)
(3)それを分析・処理して、判断:Judgement (J)
(4)そして何らかの行動を起こす、介入:Intervention (I)
取り急ぎ、今日はツールの紹介でした。
ではまた明日!
「働くあなたを元気にする」コーチ、砂村よしお
8月
31日,
2021年
エドガー・H・シャイン著「問いかける技術」を読み進めながら(Day7)「人々の行動をためらわせるもの」
昨日に引き続いて、エドガー・H・シャイン氏の著書
「問いかける技術」
を読み進めながら、私が重要だと感じる部分を拾って、記述して行きます。
今日のテーマは昨日と少し似通っていますが
「人々に行動をためらわせるもの」
シャイン教授は具体的な例示として、地位・肩書・役割、を挙げています。
章立て
1.地位・肩書
2.役割関係のタイプ
1.地位・肩書
(1)「謙虚に問いかける」を阻むものは何か?を理解するためには、地位や肩書が異なる同士の、行動に見られるルールを考察することが重要。
(2)例えば、上司部下の関係において、部下の視点では「上位者」を立てること。
一方、上司の視点では、部下と接する時は、どうすれば自分の地位に相応しい振る舞いになるか?ということ。つまり、暗黙ではあるが明確なルールがあるように我々は理解している。
(3)しかし、これがいかなる国や文化においても同様かどうかは確かめる必要がある。あるアフリカの部族のしきたりでは、自分より身分が上の人と目を合わせることは不遜な行為とみなされることがある。
(4)様々な環境下で色々な人々と関わっていくことが求められる現代社会では、暗黙の理解を今一度、探ってみる必要がある。その際に「謙虚に問いかける」という姿勢が重要である。
(5)しかし現実的には、上司から部下に助けを求めるような環境に慣れていない上司は、心の中で葛藤を感じるだろう。
2.役割関係のタイプ
(1)課題の遂行を優先するか、個人のつながりを優先するか
関係する人たち同士の関係性に着目する。簡潔に区分すると「課題指向の関係」なのか「人間指向」の関係なのか。
(2)課題指向の関係は、個人的な関わりが排除され、感情的に中立なもの。
(3)人間指向の関係には、もっと感情が入り込んでくる。どちらかが、または両方が、相手に対して興味を持って付き合いを続けて行きたいと思うから。
(4)ますます仕事に複雑さが増し、文化的多様性が広がっている昨今、従来のように地位や立場によって、人と人の境界を定めたり、関係を規定してしまうやり方を維持できるのだろうか?
相互に依存する関係を上手くやっていくためには、何らかの形で個人的な関わりを持つことが鍵になるのではないだろうか?
(5)個人的な繋がりを持つ、というのは、相手を役職だけで判断するのではなく、一人の人間として認めるというプロセスである。
(6)「謙虚に問いかける」は、個人的なつながりを持つことを含んでいる。それはなぜかというと、「謙虚に問いかける」は、相手に対して興味や関心を抱くことを基本としているからである。
ではまた明日!
「働くあなたを元気にする」コーチ、砂村よしお
8月
30日,
2021年
エドガー・H・シャイン著「問いかける技術」を読み進めながら(Day6)「『謙虚に問いかける』を阻むもの」
昨日に引き続き、エドガー・H・シャイン氏の著書
「問いかける技術」
を今日も読み進めて参ります。
今日の焦点は、ちょっと「衝撃的」な以下の下りです。
「謙虚に問いかける」を困難にする最大の要因は、実は私たちが育った文化そのものだ!
今日の章立て
1.人間関係の構築よりも、課題の遂行に価値を置く文化
2.自分が話す文化
3.これからの仕事では求められるものが変わる
4.リーダーにとっての特別な挑戦課題
1.人間関係の構築よりも、課題の遂行に価値を置く文化
(1)米国の文化は個人主義に根差していて競争が激しく、実用を重んじる。また起業家的な気質を持っていているので、個人の成し遂げたことを高く評価する。(注:著者は米国人)
(2)従って、人間関係の構築よりも課題の遂行のほうに、私たちは価値を置く傾向がある。
(3)人とうまく付き合うことよりも、個人が競争力を発揮することのほうが大事にされ評価される。勝つために競い合い、話し合いでは相手を論破し、巧みに相手の弱みに付け込もうとする。
(4)米国では、人は課題を遂行することによって地位と名声を獲得し、ひとたび部下を持つようになると指示を与える資格を手にする。
(5)病院などで、医師が看護師や技師に対して、さらには患者に対しても、敬意を持たずに接する様子が散見される。
2.自分が話す文化
(1)相手に訊くよりも自分から話す方が大事だと当たり前のように思っている。人に訊くことは、無知と弱みを見せることになると感じる。
(2)ゲームズマンシップ(勝つための駆け引き)やワン・アップマンシップ(相手を出し抜くこと)とが重視される文化
(3)相手と自分の、どちらも勝利できる双方向の協力関係、という考え方が私たちの視界に入ることは稀である。
3.これからの仕事では求められるものが変わる
(1)世界は今、技術がますます複雑化し、人々が互いに依存するようになり、社会が文化的に多様化している。
(2)このことは、人間関係の構築が仕事を進めるうえで、ますます重要になっていることを意味すると同時に、人間関係を築くこと自体が、以前よりも難しくなっていることも意味する。
(3)円滑なコミュニケーションを行うためには、人間関係が重要な役割を果たす。課題を遂行するためには、コミュニケーションが円滑に行われていることが肝要だ。
(4)良好な人間関係を維持するためには「今ここで必要な謙虚さ」を軸として、相手に「謙虚に問いかける」ことが鍵となる。
4.リーダーにとっての特別な挑戦課題
(1)文化的な習わしとして、地位が高い方の人が会話を主導し、部下がもっぱら聞き手や質問役にまわるほうが適切だろう。だが、これが機能するのは以下の3つの場合である。
①上位の目標を上司も部下も共有している。
②上司は解決策を心得ている。
③部下は指示された内容を理解している。
上司は、これら3つの条件が全て揃っていることを、常に確認しなければならない。
(2)課題が複雑になればなるほど、上司部下などお互いに対する依存度は高くなる。従って、上司は部下の立場や状況を正しく理解していることが前提になる。
(3)そして、部下が心を開いて上司とコミュニケーションを取り、全面的に協力するという覚悟を決めてくれるように、安心安全な環境を作る・維持する必要がある。
ではまた明日!
「働くあなたを元気にする」コーチ、砂村よしお
8月
29日,
2021年
エドガー・H・シャイン著「問いかける技術」を読み進めながら(Day5)「『謙虚に問いかける』は、他の問い掛けとどう違うのか」
昨日に引き続き、エドガー・H・シャイン氏の著書
「問いかける技術」
を読み進めながら、私がキーポイントだと感じる部分を挙げて行きます。
今日のテーマは
他の問いかけと「謙虚に問いかける」とは、どう違うのか?
下記4種類の問いかけを挙げて「謙虚に問いかける」とは、何がどう異なるのかを見て行きます。
1.謙虚な問いかけ
2.診断的な問いかけ
3.対決的な問いかけ
4.プロセス指向の問いかけ
5.まとめ
1.謙虚な問いかけ
(1)自分が知らないということを積極的に認め、出来るだけ偏見を持たないようにして、相手を怖がらせない方法で情報を求める。
(2)相手に対して興味を最大限に持つ。
(3)相手を誘導したり、優等生的な回答を期待していると感じさせないようにする。
例えば、職場で役員が社内を歩き回りながら、こんな風に話かける場面。
「今、君はどんな仕事の取り組んでいるの?」
①誠実さに欠ける上司やその言動は、直ぐに見分けられるものである。
②いかに質問を取り繕っても、本気で興味を持っていない場合は、それが相手に伝わってしまう。
③謙虚な姿勢で尋ねている時は、先入観を排除し、頭の中をすっきりさせて会話を進め、自分はなるべく相手の話を聴くことに専念する。
④「謙虚に問いかける」が上手く行くかどうかは、両者が会話の目的をどう捉えているか、またお互いの力関係、あるいはそれまでに築いた人間関係の密度によって左右される。
2.診断的な問いかけ
(1)最初は「謙虚に問いかける」をしたつもりが、途中で相手の話に出てきた特定のことに自分が興味を持ち、そこに焦点を当ててしまうような問いかけ。
(2)自分が会話の主導権を握ってしまうことになり、知らないうちに相手の思考プロセスに影響を与えてしまうことになる。
(3)見分けるポイントは、自分が会話の主導権を握るという行為が、あくまで相手から頼まれたことをきちんとやりたいという意思によるものなのか、それとも単に自分の好奇心を満たしているからに過ぎないのか? 得てして後者、自分の好奇心を満たすための問いかけをしてしまうものである。
3.対決的な問いかけ
(1)質問という形をとりつつも、自分の考えを差しはさむ。これが対決的な問いかけの本質的な要素。
(2)自分の主張を強めるための質問や、誘導的な問いかけが典型的である。
(3)つまり、自分自身の利害に結びついている問いかけと言える。
4.プロセス指向の問いかけ
(1)会話の焦点を中身ではなく、会話そのものにフォーカスする訊き方。
(2)相手と良好な人間関係を築こうと会話を進めている際に、おかしな方向へずれてしまいそうな会話を「どうなさいましたか?」と問いかける方法である。
(3)つまり、会話の流れやプロセス自体を、会話の目的や趣旨に沿ってコントロールするような働きかけをするための問いである。
5.まとめ
(1)自分ばかりが話すことを控え、もっと相手に質問するように心がけたとしても、それだけで信頼できる人間関係を築くには不十分である。
(2)もしも自分の方が相手よりも、一段高い位置にあると心のどこかで思っているならば、その気持ちが態度に表れてしまう。
(3)「謙虚に問いかける」を実践するためには、まずは謙虚な態度を保つことから始める必要がある。
ではまた明日!
「働くあなたを元気にする」コーチ、砂村よしお
8月
28日,
2021年
エドガー・H・シャイン著「問いかける技術」を読み進めながら(Day4)「謙虚に問いかける実例から」
昨日に続いて、エドガー・H・シャイン氏の著書
「問いかける技術」
を読み進めて行きます。
今日は「謙虚に問いかける」実例から何を学ぶか、です。
シャイン教授の著書は、この本だけでなく多種多様の「実例」を紹介してくれるのが特長です。
学者先生のお話や書物は得てして、概念的で何となく分かったような分からないことが多いものですが、この本は趣を全く異にしています。
むしろ、実例をふんだんに紹介することで、読者にリアリティから体感し、学んでほしいという意図があるように感じます。
従って、実例をここでも紹介したいのですが、そこから我々は何を学ぶべきか、の方が重要と考えました。
そこで今回は、実例は標題のみとして、教訓や学びだけを記述します。実例に興味のある方は、著書「問いかける技術」に目を通して頂ければと思います。
1.標題:妻のメアリーをお茶に誘う
教訓・学び
(1)相手を取るか自分を取るかという選択を迫られた場合、「二人にとって」どうするのが良いかという視点で考えよう。
(2)「オープンな質問」を相手に投げかけ、自分が知りたい情報を相手から聞き出そう。
(3)自分が「少し変わる」ことで解決策が見えるかも知れない。自分の行動を少し改めてみよう。
2.勤務先の大学で通話料金を削減する
教訓・学び
(1)自分が何をやろうとしているのか、何を成し遂げようと考えているかを注意深く振り返る。
(2)自分が求める情報については、相手に依存していることを認識して、「今ここで必要な謙虚さ」を実践し、協力を求める。
4.タスクフォースを創設する
教訓・学び
(1)先ずは親睦を深めるために気楽な夕食会を開く
(2)一人一人のメンバーに参加理由や背景を訊く。メンバー全員の話が終わるまでは、途中で遮ったり質問したりコメントを挟んだりしない。
5.道案内をする
教訓・学び
(1)相手が本当に必要としていることが分かるまで、慌てて返事をしない。
(2)相手が正しい質問した(本当に知りたいことを最初から尋ねるもの)と思い込まないこと。
6.文化の変革を起こす
教訓・学び
(1)相手に「具体例を尋ねる」ことは、相手に対する興味、もっと知りたい意思、親身に考えていることなどを示すことになる。
(2)また同時に、一般的な発言の趣旨を明確にすることに役立つ。
いかがでしたでしょうか?
ではまた明日!
「働くあなたを元気にする」コーチ、砂村よしお
8月
27日,
2021年
エドガー・H・シャイン著「問いかける技術」を読み進めながら(Day3)「質問と人間関係」
引き続き今日もエドガー・H・シャイン著
「問いかける技術」
を読み進めて行きます。
今日の大きなテーマは
「質問と人間関係構築との関わり合い・関係性」
1.質問と人間関係構築
2.「謙虚さ」とは
3.「問いかける」とは
1.質問と人間関係構築
(1)我々は自分がしゃべることに一生懸命になる「自分が話す文化」の中にいるので、相手に質問するのが得意でない。
(2)質問せずに一方的に話すことは、相手を上から見下ろすような格好になる。
(3)一方、質問するという行為は会話の相手に力を与えると同時に、一時的に自分を弱い立場に置くことになる。
(4)主導権を相手に渡し、相手がその主導権を受け取ってくれたことで、こちら側には先ずは「信頼」が生まれる。その信頼の気持ちが相手に伝わり、相手はこちら側を信頼しようという気持ちが芽生え、信頼関係が生まれる。
(5)実用を重んじ、合理的に問題を解決しようとする現代社会では、人間関係の構築より、課題の解決や遂行が重要だと考えてしまう。
2.「謙虚さ」とは
謙虚さには三種類ある。
(1)基本的な謙虚さ
①伝統を重んじる社会では、その人の地位は出自や社会的な立場で決まってしまう。
②その地位や立場を理解し、礼儀をつくし、一定の尊重をもって接する。このような場合に示されるのが「基本的な謙虚さ」である。
(2)任意に示す謙虚さ
①個人の努力によって社会的な地位を築くことができる社会では、自分よりも明らかに多くを成し遂げた人物に対して人は謙虚になる傾向がある。
②しかし、こういう態度を取るかどうかは、個人の自由である。
(3)今ここで必要な謙虚さ
①私はあなたを頼っているとする。「今ここで必要な謙虚さ」は、私があなたに対して抱いている思いである。なぜなら私のゴール達成や必要な情報を、あなたが持っているからである。
②誰かの力を借りなくては仕事を完結できない時、その人と仕事に関してはざっくばらんに話せる関係を築いておくことが重要である。その時に「今ここで必要な謙虚さ」が活用できる。
③支援を求めやすい風土をつくることは、組織やチームの上司・リーダーの責任の一つである。
④チームとして適切なコミュニケーションが円滑に行われるような人間関係の構築は、リーダーの「謙虚に問いかける」を率先して実践する姿勢が欠かせない。
⑤部下をはじめとする自分よりも地位の低いメンバーに、自分は実質的に頼っているという事実を認識する。
3.「問いかける」とは
(1)「訊く」「質問する」とは若干異なるニュアンス
(2)「問いかける」という行為は、相手に対して興味や好奇心を抱くという態度から導かれる。
(3)相手を誘導したり、煙に巻いたり、相手を困らせる問いや、質問に見せかけた意見でもない。
「謙虚に問いかける」ことの具体例は明日以降にご紹介します。
ではまた明日!
「働くあなたを元気にする」コーチ、砂村でした。
8月
26日,
2021年
エドガー・H・シャイン著「問いかける技術」を読み進めながら(Day2)「謙虚に問いかける」
今日からエドガー・H・シャイン教授の著書
「問いかける技術」
を少し読み進めながら、私がキーポイントと感じることを記述してきます。
この本の冒頭、はじめに、としてシャイン先生が執筆した背景が書かれています。その副題が
「良好な人間関係と強い組織を築くために」
とあります。
つまり、良好な人間関係や組織の構築のためには
「問いかける技術」が万民に必要、と説いているのです。
そして、この問いかける技術を
「謙虚に問いかける」
と名付けています。そしてその定義は以下の通りです。
「相手の警戒心を解くことのできる手法であり、自分では答えが見出せないことについて質問する技術であり、その人のことを理解したいという純粋な気持ちをもって関係を築いていくための流儀である。」
また、下記のような耳が痛い記述が続きます。
「我々の社会は話す力を過大評価しているが、むしろ発言を控えて問いかける力を高めていくべきなのだ。単なる日常会話でさえ、人は相手に『尋ねる』ことよりもいかに自分が『しゃべる』かということに注力しがちだ。」
これを「自分が動き、自分が話す文化」として、戒めとして我々に警鐘を鳴らしている。
人間関係を築くのも、問題を解決するのも、物事を前進させるのも、すべては「適切な質問」があってこそ上手くいく。
従って著書のタイトルにあるような
「問いかける技術」が必要で、
それは具体的には
「謙虚に問いかける」こと、と著者は伝えている。
ではまた明日!
by 「働くあなたを元気にする」コーチ
8月
25日,
2021年
エドガー・H・シャイン著「問いかける技術」を読み進めながら(Day1)
今日から新しいシリーズ。
お気に入りの書籍を読み進めながら、私の「独断と偏見」でキーポイントを列挙していく「書籍読み進めブログ」。
今回、読み進める著書は、
エドガー・H・シャイン著
「問いかける技術」
です。
著者について簡単にお伝えします。
エドガー・H・シャイン先生は、
マサチューセッツ工科大学(MIT)の名誉教授であり、経営学における組織心理学および組織開発の第一人者です。
心理学の知見を組織のあり方や企業文化、働く人のキャリアなど、様々なテーマに活かして独自の研究領域を開拓してきた人物で、経営学の世界ではレジェンダリーな存在と言えます。
実は私自身、大学院で経営学修士(MBA)を学んでいた時に、シャイン先生の以下の著書は既に通読していました。
「人を助けるとはどういうことか」
「謙虚なコンサルティング」
では、なぜ今回
「問いかける技術」
を読むことにしたのか?
動機は単純で明快!
私が属している「プロコーチ読書会」の選定図書となったからです。
明日から少しずつ読み進めながら、キーポイントを記して行く。こんなスタイルで進めて行こうと思います。
ではまた明日!
by 「働くあなたを元気にする」コーチ
8月
24日,
2021年
社長・店主が身に付けたい「社員のやる気」を引き出す対話力(6)最終回「セミナー終了後のフォローアップ」
昨日に続いてテーマは、
「社長・店主が身に付けたい『社員のやる気』を引き出す対話力」
今日は6回目、最終回です。
ここまでの5回で、参加者の期待と私が伝えたいこと、そして全体の構成・流れを綴ってきました。
お蔭様で、90分間の「無料」オンライン・セミナーの概要はかなり固まってきたように感じています。
え、無料???
はい、そうなんです。
そこで、このオンラインセミナーを導入として、私自身のビジネスへ繋がる「導線」について、今日は検討したいと考えています。
因みに、今回の無料セミナーのようなものを「フロントエンド」商品と呼び、プロモーションや試供品のような位置づけです。これに対して、ビジネスとして本当に提供したいものを「バックエンド」商品と呼びます。
本日の思考アプローチはこんな流れです。
1.このショートセミナーが終了した時、参加者はどんな気持ちになっているのか?
2.その「やる気」「モチベーション」を絶やさずに、私のビジネスへ導く方法は?
3.具体的にどのような「バックエンド」商品を提示するのか・検討してもらうのか?
1.終了時の参加者の気持ち・感情
参加者の気持ちになって列挙するとこんな感じでしょうか?
(1)なるほど、こんな感じで社員と対話してみればいいんだ!
(2)スキルも大事だけど「心掛け」か!? でも簡単じゃないな!
(3)理屈は分かるけど、どこまで出来るかな? 時間も無いし。
(4)講師が言うように本当に上手く行くのか?
ポジティブな感情もあれば、当然ネガティブな感情も湧きますよね。また、半信半疑や本当か?という疑ってしまう気持ちも湧くのは当然です。
ここからが将に腕の見せ所。こんな会話が想定できます。(私と参加者との会話のやり取りを記述します。)
このように先ずは相手に共感を示して、感情を拾ってあげることが重要。
そして、この後で興味を持続させるような導線を提供することが大切です。
2.参加者の「やる気」や「半信半疑」の気持ちを絶やさず、ビジネスへ繋げる
ここからが重要なステップです。恐らく参加者の気持ちの度合いは、次の2つに大別できるのではないでしょうか?
(1)「やる気」を示している参加者
「やる気」を示している方に対しては、そのまま単純に、
私「ぜひ、試してみてください!そして試してみた感想を私までご連絡ください!」
これで充分です。もし本当にご連絡を頂ければ、その後で具体的な「バックエンド」商品を紹介することができます。
そもそも興味があって試してみているので、その後のサービスも検討して頂ける可能性は高いと期待できます。
(2)試してみるかどうか、態度を決めかねている参加者
一方、少し工夫がいるのが「半信半疑」の方。上手く行くと思いたいが、冷静に考えるもう一人の自分が、ポジティブさを100%表すのを抑えている。そんな人にはこんな風に言葉を掛けます。
私「そうなんですよ。正直言うと、いつもいつも、誰にでも効果が出るかは分からないんです。私の経験ではだいたい2割くらいの人にしか、最初の段階では機能しないんです。」
参加者「やっぱり、そうですよね!」
私「はい、残念ながら万能ではないです。しかし2割の方々には機能するので、社長さんの会社の社員の一人か二人には効果が出るはずです。この対話を試してみたい社員の方々の顔は浮かびますか?」
恐らく、社長・店主は、自分自身が脈ありと感じている社員の顔を思い浮かべると予想されるので、実際の行動に移すハードルは下がるはずである。
私「いかがですか?そういう方達に試してみたら、どんな感じに展開すると思いますか?」
ここまでイメージを描いて頂ければ、充分だと思います。
あとは試してみるか、みないのかは本人次第です。私が強制的に介入することは出来ないし、介入してしまうと逆効果になる可能性が高いです。
3.提示する具体的な「バックエンド」商品
参加者の「やる気」「動機」「モチベーション」の程度によって、提示する商品には色々なバリエーションがあります。
いくつか考えられるものを列挙すると以下のような感じです。
なお列挙の順番はやる気の弱い場合から、強い場合の順に並べています。
(1)試してみた結果を後日、電話・オンラインで個別フォローする
(2)今回のセミナーを社内の管理職全員へ提供する
(3)「社員のやる気を引き出す:実践編」セミナーの提供
(4)管理職への「コーチング・スキル」研修の実施
(5)「コーチング」や「コーチングセッション」に関する説明を提供
(6)上司部下間の「1on1ミーティング」の全社導入
今、思い付くのはこれくらいです。
なお、興味を持って頂いた社長・店主との「対話」を通じて、何を提供したら良いかは検討していくことが重要です。
このテーマのシリーズは今日で終了です。いかがでしたでしょうか?
ではまた明日!
by 「働くあなたを元気にする」コーチ
8月
23日,
2021年
社長・店主が身に付けたい「社員のやる気」を引き出す対話力(5)「セミナー全体構成・流れ」
昨日に続けてテーマは、
「社長・店主が身に付けたい『社員のやる気』を引き出す対話力」
昨日までの数回に分けて、
- なぜ今、このテーマなのか?
- 受講して良かった!と参加者が感じるものとは?
- 提供者である私が伝えたいことは?
などについて記述してきました。
即ち、参加者と提供者の双方の視点に立ち、それぞれの想いをぶつけてみて、そこから重要な内容を浮き彫りにしてみようと試みてきたのです。
そこで今日は、これらを踏まえて、
「90分間のショート・セミナーの構成や流れ」
を検討していこうと思います。現時点では未だ未だ柔らかい感じなので、思い付きや矛盾点もあるかと思いますが、ご勘弁ください。
なお、このショート・セミナーはZoomを使ったオンラインで提供することを念頭に置いています。
1.ざっくりとした流れ
(1)参加者各人による簡単な「自己紹介」&「参加目的」
(2)セミナーの趣旨や全体の流れ、「グランドルール」の説明
(3)導入ー講師からの問い掛け「どういう時にやる気が出たか?」(経験を思い出す)&ブレークアウトで協議・共有
(4)全体で共有
(5)職場での会話例(before & after)参加者によるロールプレイ
(6)「傾聴」スキル&具体的な行動様式
(7)「質問」スキル&具体的な質問例
(8)スキルより大切なことー心掛け・マインドセット
(9)まとめ・振り返り
(10)参加者全員から:感想と明日からの行動宣言
2.留意点
(1)オンライン講座なので、参画意識を持って頂くため、双方向スタイルで。そのためには自由に発言しても良いという「安心安全」の環境作りが重要(グランドルールで守秘義務を伝える。)
(2)スキル編では具体的な行動様式・やり方の具体例を数を絞って例示(あまり多くを伝えない)。持って帰ってもらって、職場で実際に試すように誘導。
(3)ロールプレイは参加者になり切って演じてもらい、臨場感を出す。
(4)明日からの「行動宣言」は最後の締めの重要な部分。具体的例示を自らの言葉でコミットしてもらう。そして試してみて得た感想を講師まで伝えるように依頼。
(5)もっと学びたいなどのフォローアップの導線を最後に伝える。
(6)90分内に収めること。少し物足りないくらいが丁度良い(フォローアップに繋げられる)
こんな感じでしょうか?
ではまた明日!
by 「働くあなたを元気にする」コーチ