エドガー・H・シャイン著「問いかける技術」を読み進めながら(Day9、最終回)「『謙虚に問いかける』態度を育てる」

エドガー・H・シャイン著「問い...
エドガー・H・シャイン著「問い...
こんにちは!「働くあなたを元気にする」コーチ、砂村よしおです。

今日も昨日に引き続き、エドガー・H・シャイン氏の著書

「問いかける技術」

を読み進めながら、私がキーポイントだと思う点を列挙して行きます。

今日はその最終回。テーマは、

「謙虚に問いかける」態度を育てる

シャイン教授から具体的な態度・姿勢や、行動・活動のアイディアを拝借しようと思います。


「謙虚に問いかける」は、以下の三つの場面で必要とされます。

- 個人の生活において
- 組織において
- リーダーや管理職としての役割において

このような三つの場面で求められる態度と行動は、既存の文化に対して少なからず抗うものです。従って、これまでに学んできたことをいったん捨て、新たに学び直す必要があります。

つまり、自分がいつどこで「話すこと」を控えて、「尋ねる」ことを増やすべきか、を見極めることが欠かせないのです。


章立て
1.学んだことを捨て、学び直す際の「二つの不安」

2.学習することへの不安を軽減するためには

(1)速度を落として、緩急をつける
(2)内省し、自分自身に対して「謙虚に問いかける」
(3)もっとマインドフルになる
(4)自分のアーティスト性を発掘し、革新的な発想を心がけよう
(5)自分の行動を振り返り、内省する

3.仕事における調整の必要性に敏感になる

4.「文化の島」を築く



1.学んだことを捨て、学び直す際の「二つの不安」

「謙虚に問いかける」という態度を新たに学ぶためには「自分が話し手になる」という古い習慣を手放なさなければならない。この時、二種類の不安がが押し寄せてくる。

(1)生き残りの不安:ある行動が出来るようにならないと、自分は不利になる、と気付いた時に抱く不安

(2)学習することへの不安:せっかく体得した新しい事柄が周りから理解されないかも知れない。この不安があると人は変わることに対して抵抗感を持ってしまう。


2.学習することへの不安を軽減するために出来ること

(1)速度を落として、緩急をつける

①「謙虚に問いかける」を学ぶことは、いかに早く走るかを学ぶのではなく、物事を慎重に見渡して、その場で現実に起きていることをきちんと評価するために減速する方法を学ぶことだ。

②「謙虚に問いかける」の実践に欠かせないのは、周りの人たちやその仕事に関わっている人たちを集め、その人たちの人となりに興味を持つことだ。

(2)内省し、自分自身に対して「謙虚に問いかける」

①「自分が動き、自分が話す」という、課題の遂行を優先するせっかちな文化を持つ人たちにとって一番重要なのは、内省することを学ぶことだ。

②内省することを学ぶ一つの方法は、「謙虚に問いかける」を自分自身に対してやってみること。すぐ行動に移す前に、自分に問いかけてみよう。

(3)もっとマインドフルになる

①内省するということは、周囲で起きていることにもっと気付くようになる、マインドフルになる、ということ。

②何かあったとき、起きたとき、「何があったのですか?」と訊くだろう。何らかの返答があった時、それで終えずにこうも訊いてみよう。「他に何があったのですか?」「他にはどんなことが起きたのですか?」

(4)自分のアーティスト性を発掘し、革新的な発想を心がけよう

①芸術的なことをやってみると、心と体がもっと動くようになる。

②全く新しいことに挑戦して自分らしさの幅を広げることが大事なのだ。

③何気ないが、本質をついた問い、例えば「そもそも、何を得ようとして始めたのですか?」

④自分の美的感覚に触れる。地元の美術館へ足を運ぶ、旅行に出かける。

⑤自分とは異なる文化を持つ人々の考え方を認識する。


(5)自分の行動を振り返り、内省する

①上司は上下関係のルールを一旦脇へ置いて、グループ内で最も地位の低い人に対しても、今の状況をどのように感じているのかについて、率直な意見を求める。


3.仕事における調整の必要性に敏感になる

①目標を共有する
②互いの仕事を理解し合う
③お互いを尊重すること


4.「文化の島」を築く

(1)人間関係を構築する場合「文化の島」をつくり出す必要がある。「文化の島」とは、権威や信頼関係についてそれぞれの文化が定めるルールは一旦脇に置く、という状況である。

(2)打ち解けた雰囲気でメンバーを集め、個人的なことを話題にする機会をつくる。

(3)身構えずに弱点をさらけ出して良いという気になれば、より親密な会話を引き出すことが出来る。

(4)そうなれば「私が間違いをおかしそうなになったら、そのことを指摘してくれますか?」という難しい質問も出来るようになる。

(5)「文化の島」という考え方は、お互いの文化の良し悪しを判断するのではなく、あくまで共通基盤を探す、ということを主眼を置いている。

いかがでしたでしょうか?
このシリーズは今日で終了です。

ではまた明日!
「働くあなたを元気にする」コーチ、砂村よしお

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