エドガー・H・シャイン著「問いかける技術」を読み進めながら(Day6)「『謙虚に問いかける』を阻むもの」

阻むものは? 阻むものは?
こんにちは!「働くあなたを元気にする」コーチ、砂村よしおです。

昨日に引き続き、エドガー・H・シャイン氏の著書

「問いかける技術」

を今日も読み進めて参ります。

今日の焦点は、ちょっと「衝撃的」な以下の下りです。

「謙虚に問いかける」を困難にする最大の要因は、実は私たちが育った文化そのものだ!


今日の章立て

1.人間関係の構築よりも、課題の遂行に価値を置く文化

2.自分が話す文化

3.これからの仕事では求められるものが変わる

4.リーダーにとっての特別な挑戦課題


1.人間関係の構築よりも、課題の遂行に価値を置く文化

(1)米国の文化は個人主義に根差していて競争が激しく、実用を重んじる。また起業家的な気質を持っていているので、個人の成し遂げたことを高く評価する。(注:著者は米国人)

(2)従って、人間関係の構築よりも課題の遂行のほうに、私たちは価値を置く傾向がある。

(3)人とうまく付き合うことよりも、個人が競争力を発揮することのほうが大事にされ評価される。勝つために競い合い、話し合いでは相手を論破し、巧みに相手の弱みに付け込もうとする。

(4)米国では、人は課題を遂行することによって地位と名声を獲得し、ひとたび部下を持つようになると指示を与える資格を手にする。

(5)病院などで、医師が看護師や技師に対して、さらには患者に対しても、敬意を持たずに接する様子が散見される。


2.自分が話す文化

(1)相手に訊くよりも自分から話す方が大事だと当たり前のように思っている。人に訊くことは、無知と弱みを見せることになると感じる。

(2)ゲームズマンシップ(勝つための駆け引き)やワン・アップマンシップ(相手を出し抜くこと)とが重視される文化

(3)相手と自分の、どちらも勝利できる双方向の協力関係、という考え方が私たちの視界に入ることは稀である。


3.これからの仕事では求められるものが変わる

(1)世界は今、技術がますます複雑化し、人々が互いに依存するようになり、社会が文化的に多様化している。

(2)このことは、人間関係の構築が仕事を進めるうえで、ますます重要になっていることを意味すると同時に、人間関係を築くこと自体が、以前よりも難しくなっていることも意味する。

(3)円滑なコミュニケーションを行うためには、人間関係が重要な役割を果たす。課題を遂行するためには、コミュニケーションが円滑に行われていることが肝要だ。

(4)良好な人間関係を維持するためには「今ここで必要な謙虚さ」を軸として、相手に「謙虚に問いかける」ことが鍵となる。


4.リーダーにとっての特別な挑戦課題

(1)文化的な習わしとして、地位が高い方の人が会話を主導し、部下がもっぱら聞き手や質問役にまわるほうが適切だろう。だが、これが機能するのは以下の3つの場合である。

①上位の目標を上司も部下も共有している。
②上司は解決策を心得ている。
③部下は指示された内容を理解している。

上司は、これら3つの条件が全て揃っていることを、常に確認しなければならない。

(2)課題が複雑になればなるほど、上司部下などお互いに対する依存度は高くなる。従って、上司は部下の立場や状況を正しく理解していることが前提になる。

(3)そして、部下が心を開いて上司とコミュニケーションを取り、全面的に協力するという覚悟を決めてくれるように、安心安全な環境を作る・維持する必要がある。


ではまた明日!
「働くあなたを元気にする」コーチ、砂村よしお

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