一日中、雨が強い日でした。
さすがに散歩好きのわたしも、強風の中、傘を差してまで地上を歩こうとは思いませんでした。
神戸在住者ですが、普段歩くことのない、市営地下鉄海岸線の地下道を利用して、大丸側から「花時計前駅」まで歩きました。
駅の壁に、なんやらタイルがはめこまれています。
説明プレートを読みますと、「地下鉄海岸線開業の記念に、また、これからの新世紀を担っていく子どもたちの誕生を祝って、市民の皆さんと事業者の方々と行政が一体となって駅舎整備を行う”共同の駅舎づくり”の一環としておこなわれたものです」とあります。
読んでいて、意味が分かりづらいのですが(わたしだけでしょうか?)、ようするに開業した2000年と同じ年に生まれた赤ちゃんたちの「手形・足形」が、飾られておりました。
今では7・8歳になられている子供さんたちでしょう。はたして、「共同の駅舎づくり」とはどのようなことだろうと、はなはだ疑問に感じながら、鑑賞しておりました。
今日から、神戸大丸のミュージアム神戸で、小堀遠州「美の出会い展」が開催されます。
千利休によって固められた茶道が、孫の宗旦によって「わび」に傾いていったとき、必然的に起こったのが遠州の「芸術茶」です。
日本に亡命していた、ブルーノ・タウトも遠州をほめ、「日本の生んだ最大の芸術家」と称しています。
小堀遠州は、学生時代に興味を持ち、おおいに研究させて頂いた人物です。
いつもの立ち呑み屋さんに、元町通りの古美術商の番頭さんがおられ、いつも招待券を下さります。今回は、わたしがこの方面に興味があることを知っておられるので、複数枚頂きました。期間中、何回か足を運ぶつもりです。
招待券のバックは、わたしが遠州の研究をしていた大学ノートです。
ノートのタイトルは「きれい寂びを求めて」、全3冊。
本棚に入れたままでしたが、貴重な青春の遺物です。
男は、歩いていて、民家の塀越しに咲き誇る花に目が止まった。
「ん?梅にしては、珍しい色合いだなぁ~」と、立ち止まりしばし眺めていた。
この時期、T.Nomuraさんの「梅シリーズ」の印象が強く残っていたらしく、頭の中は梅の花のことばかりであった。
「きれいでしょう、今日一度に咲いたんですよ」と背中で、おばさんの声がする。
「ええ、珍しい梅の色だなーと見ていたんですが」
「ボケですよ」
「あっ」と気が付く男。
そうだ、これは木瓜の花ではないか。アアー、本当にボケていた。
男はおばさんにお礼を言い、冷や汗を背中に感じながら、そくさくとその場を立ち去った。
神戸は南京町があることでも分かりますように、古くから華僑系の在住者が多い町です。
町中に中華料理店があると言っても、言い過ぎではないでしょう。
そんな背景があり、本来神戸でのラーメンは、広東風清湯スープで、あっさり味です。
今のように、とんこつぎらぎらのラーメンではありませんでした。
歴史を遡りますと、1971(昭和46)年頃『京都第一旭』が神戸に乗り込んできました。チャーシューいっぱい、青ネギいっぱいの形を引き継いだ『もっこす』ができ、その流れを継いでいるのが『神戸っ子ラーメン』となります。
この店は新開地にありますが、味は各人の好みですので、細かい事は書きません。
大きなチェーン店のラーメン屋さんは、バイトらしきあんちゃんが麺を茹でておりますが、この店は昼と夜の2部制で、それぞれ一人の職人さんがすべてを作ってくれます。それだけでも、安心感が違います。
あげにんにく、おろしにんにく、ニラ唐辛子等を好みで入れ、短冊切りの黄色いタクアンにご飯と、これが濃い豚骨醤油スープにとても良く合います。
神戸では、チャーシューたっぷりの濃い豚骨スープの『もっこす』や『神戸っ子』のラーメンはもうええわ!と言い出しますと、「歳やなー」と言われてしまいます。
山手側の新開地本通を、少し上がった場所で、おっちゃんが営業されています。
この場所で、もう4年目ぐらいでしょうか。
以前は、海側の通りの下の方で、営業されていました。
一枚なんと100円。大きさは直径15センチぐらいでしょう。具をはさんで、半円形が出来上がりの形です。
卵も1個分、目玉焼き状態で、はさんであります。
自分が食べるのではなく、いつも顔出しする立ち呑み屋のおばちゃんたちへのお土産です。勤務時間は夕方4時から9時まで、まかないも順番に食べられますが、混んでいますと時間通りには食べられません。
そんなとき、簡単な虫押さえとして、役に立ってくれます。
人数分を購入いたしましても、サイフにやさしい値段です。
3月15日は、JR須磨海浜公園駅の開通日。
天気もいいので、見学と思い、山陽月見山駅を海側に下って行きましたら、なんやら行列が出来ておりました。
「Region」という看板が見えました。お昼時の時間でしたし、木製の扉の雰囲気からして、レストランかな?と思いました。
こんな時は、おばちゃんに話を聞くのが一番。
さっそく通りがかりのおばちゃんに、声をかけました。
「あれは、なんですか?」
「パン屋さんや」
「パン屋さんにしては、おそい開店ですね。もう12時ですよ」
「昔は、7時半頃からあいとったけどな、だんだん時間が遅くなってきてるねん」
「へぇ、で、今はいつ頃あくんですか?」
「そりゃ、わからんなぁ」
「!!!、じゃあみなさん、いつ開店するか分からんとまっとんですか?」
「はいな」
よほどの人気店らしく、おいしいパン屋さんであることは、理解できましたが、いつ開店するかも分からずに並んでいるとは、まいりました。
買いに来られるのは、近所の方ばかりなんでしょう。きのうは11時開店だったから、予測して今日はその時間前から並んでいるとか。
ひとりでのんびりと作られているとかで、売り切れると閉店。タイミングを逃すと、買えないそうです。
列の前を通りすぎましたが、普通なら「〇〇時開店」ぐらいの張り紙があってもよさそうですが、何もありませんでした。
おそろしき、パン屋さんです。
金曜日は家庭ごみの日。
ゴミの回収が終わる時間帯に、家を出ました。
駅に着く手前にある回収場所で、写真のような光景に出会いました。
まっさらな、子供のおもちゃです。適齢期の子供がおれば、「もらっちゃおかな?」と考えたかもしれませんんが、残念ながら利用もできません。
それよりも、「これは、ゴミなのか?」としばし考えこんでしまいました。
フゥム・・・、道端に子供が遊び忘れていたのを、親切な人が、片づけてくれたのかな?
フゥム・・・、片付けるにしても場所が場所だよなぁ。
夜、同じ道を通って帰宅する頃には、おもちゃはありませんでした。
さて、あのおもちゃの運命やいかに?
前作 『φ(ファイ)は崩れたね』 に次ぐ<Gシリーズ>の第2作目です。
25歳のフリーター<早川聡史>が、自宅マンションから飛び降り自殺、額には「Θ」のマークが口紅で書かれていました。
相次ぐように23歳の看護師<木村ちあき>、現場監督の<高島健之>が飛び降り自殺でなくなりますが、いずれも体のどこかに「Θ」の印が残されていました。
口紅の分析を依頼されたN大学の研修医<反町愛>は、一連の分析結果を旧友の<西之園萌絵>に伝えますが、話しはC大学の<加部谷恵美>・<海月及介>・<山吹早月>達を巻き込んでいきます。
前作と同様、助教授の<犀川創平>や探偵の<赤柳>たちといった登場人物たちの思考を通して、自殺事件の<海月>の推理が展開されていきます。
男は、一時間に一本のバスに乗り遅れまいと、バス停まで歩いていた。
天気がいいのだろう、保母さんらしきおねいさんと散歩中の園児たちを見かけた。ふだんから車の通りの少ない道路なので、もってこいの散歩コースだと思う。
道端には、黄色い花片を咲かせている野草が密集している場所がある。
「先生きれいなお花ね」
「そうね。黄色のきれいなお花ですね」
「なんて名前?」
「えっ、ん・・、??」
お節介な男は、みかねて
「エンコウソウ(猿猴草)ですよ」
「おっちゃんなにそれ?」(ムム、おっちゃんときたか)
「花の茎がね、手長猿の手足みたいに長くなって咲いているでしょう。茎が横になって伸びているのが、分かるかな?」(ムム、先生口調になっている)
「そうか、エテコソウか!」
「違うんだよ、エ・ン・コ・ウ・ソ・ウ」
「猿のエテコソウ!!、猿のエテコソウ!!」
手長猿のイメージが強いのだろう、間違ってはいるが、園児たちと言い合っても仕方がない。それにしてもこの年齢で、悪い言葉を知っているのには閉口した。
あとは先生にまかせよう。
男は、急ぎ足でバス停に向かった。
来る4月5日は、明石海峡大橋が開通して、はや10年目を迎えます。
花時計も、それに合わせて模様が変わりました。
題名は「明石海峡大橋の美しい夕日」です。
橋と「10」の文字がシロタヤギク、そのほかはパンジーで構成されています。
題名を聞いて、黄色のが夕日だと分かりました。
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