「1ドル=143円97銭~143円99銭」
5月
31日
30日のニューヨーク外国為替市場で円相場は続伸し、前日比10銭円高・ドル安の「1ドル=144円00〜10銭」で取引を終えています。円の高値は「1ドル=143円48銭、安値は「1ドル=144円45銭でした。
30日、<トランプ米大統領>は中国が「我々との(貿易に関する)合意を完全に破っている」と自信のSNS「トゥルース・ソーシャル」に投稿しました。米通商代表部(USTR)の<グリア代表>は、中国側の取り組みが遅いとの見方を示し、また、米政権が中国のハイテク業界への制裁拡大を計画していると報道されています。米中関係の悪化への懸念が改めて危惧されています。
米連邦巡回区控訴裁判所は29日、米政権による「相互関税」と、カナダ・メキシコ・中国に課した追加関税を差し止めるとする米国際貿易裁判所の命令を一時的に停止する判断を下しました。一方、市場では米政権が違う手段を用いて関税を課すとの観測も出ています。市場では、先行きがかなり不透明とみられ、円買い・ドル売りが入りやすくなりました。
30日、朝発表の4月の米個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比「2.1%上昇」と、市場予想(2.2%上昇)を下回りました。「(今後予想される)関税の影響を除けばインフレは鈍化しているとの確信を米連邦準備理事会(FRB)高官にもたらすことにつながるとの受け止められています。米国のインフレに対する過度な懸念が後退したことも、円買い・ドル売りを支えています。
もっとも、円の上値は重かった。ミシガン大学が30日午前に発表した5月の米消費者態度指数(確報値)は(52.2)と速報値(50.8)から上方修正され、市場予想(51.5)も上回っています。米中両国が5月中旬に追加関税の引き下げで合意したことを受け、過去2番目に低い水準に落ち込んでいた速報値から改善しています。