30日午前の東京株式市場で日経平均株価は続伸し、午前終値は前営業日比62円52銭(0.17%)高の3万5902円51銭でした。
<トランプ米政権>と貿易相手国との関税交渉が進むとの期待を背景に前日の米株式相場が上昇したのが投資家心理を支えました。決算内容が評価された銘柄や個別で材料のあった銘柄を中心に買いが入り上昇でした。
TDKやソニーGの上昇が日経平均を押し上げました。TDKは2026年3月期(今期)の業績見通しについて、<トランプ>関税政策の影響で需要が減ることを織り込んだ「リスクシナリオ」と、関税政策の影響を織り込まない「ベースシナリオ」の2つを用意し、不透明感を和らげたとして投資家に好感されました。ソニーGは半導体子会社のスピンオフ(分離・独立)と株式上場を検討しているとの米ブルームバーグ通信の報道をきっかけに買いが入りました。
各国との交渉も進むとみられるなか、日本からは<赤沢亮正経済財政・再生相>が、4月30日から訪米し、5月1日に<ベッセント財務長官>らと協議する予定です。日本側は相互関税や自動車など品目別の追加関税撤廃を求める一方、農産品の輸入拡大や輸入自動車への特例措置の拡充などを交渉カードとして検討するとみられています。
米国がどこまで応じるか未知数なうえ、日本は大型連休の谷間とあって積極的に運用リスクを取って株買いを進める投資家はかぎられました。
終値は5営業日続伸し、前営業日比205円39銭(0.57%)高の3万6045円38銭で終えています。
(3月28日)以来、約1カ月ぶりの高値でした。