『PLAN 75』の<早川千絵>監督の長編第2作『ルノワール』(2025年6月20日公開)が、5月13日(現地時間)に開幕する第78回カンヌ国際映画祭コンペティション部門にノミネートされています。
前作『PLAN 75』(2022年)が、第75回カンヌ国際映画祭でカメラドール特別賞を受賞した<早川千絵>監督の最新作『ルノワール』は、日本、フランス、シンガポール、フィリピン、インドネシアの国際共同製作作品です。
日本がバブル経済真っ只中だった1980年代後半の夏、闘病中の父と、仕事に追われる母と暮らす11歳の少女「フキ」の物語です。マイペースで想像力豊かな「フキ」は、空想にふけりながら、それぞれに事情を抱えた大人たちと触れ合います。子ども特有の感情を細やかに描写すると共に、「フキ」が関わる大人たちの人生のままならなさや、人間関係の哀感を温かなまなざしとユーモアを持って描き出しています。
主人公「フキ」を演じるのは<鈴木唯>です。役柄と同様11歳でした彼女は、多数の候補者の中からオーディションで主演に抜擢されました。真っ直ぐに大人を見つめる視線、この年齢ならではの自然な躍動感、時折見せる寂しげな表情など、スクリーン一杯に広がる彼女の瑞々しい演技が光ります。フキの母「詩子」役に<石田ひかり>、父「圭司」役に<リリー・フランキー>が演じ、フキが出会う大人たちには、<中島歩>、『PLAN 75』に続き<河合優実>、<坂東龍汰>が出演しています。