今年の読書(60)『流警 新生美術館ジャック』松嶋智左(集英社文庫)
11月
12日
<松嶋智左>も人気がでてきたのか、今年早くも(53)『降格刑事』に続いて『流警 新生美術館ジャック』の登場です。かきおろしぶんことして、2024年9月20日に発売されています。
『流警』のタイトルとしては、2023年7月発売の『流警 傘見警部交番事件ファイル』があり、登場人物たちは同じでシリーズになったのかと思いましたが、登場人物たちは一新しており、タイトルのみの継続のシリーズ化のようです。
新設の県立美術館の開館式典が始まる前で突然、爆発音が鳴り響き、狐面をつけた10人ほどの武装集団に美術館が占拠されてしまいますが、運悪く館内に取り残されたのは、副知事「秦玖理子」と女子小学生「野々川凛」、そして変人キャリア警視正の警備部長「榎木孔泉」でした。
犯人側の要求は現金十億と、ある展示品の壺が盗作であることの公表を求める物でした。「孔泉」たちは脱出の機会を図りつつ、スマホで警備本部と連絡を取りながら狐集団の正体を探ろうとしますが、捉えられてしまいます。
彼らの真の思惑とは一体何なのか、3人は無事に救出されるのか、警察側との交渉の中で緊迫描写が描かれる、地道な捜査での殺人事件解決とは異なる新たなる警察小説の登場です。