『きのう生まれたわけじゃない』@<福間健二>監督
11月
4日
中学2年生の「七海」は母親と2人暮らしでした。「七海」という名前をつけてくれた父親は、ずっと前にどこかに行って行方知らずです。そんな「七海」は今日も学校に行かず、川べりで夫を亡くしたばかりという「岬」という女性と知り合い、心を通わせます。一方、若い頃に妻を亡くした77歳の元船乗りの「寺田」は、老年にさしかかったことで不安を感じることが増え、老人たちが集まって屋外で飲み食いする「憩いのベンチ」に参加するようになっていました。
ある日、たまたま通りかかった「七海」と知り合った「寺田」は、「憩いのベンチ」を抜け出し、「七海」と2人で時間を過ごします。そしてその夜、「寺田」の前に亡くなった妻の「綾子」が現れます。
主人公「七海」役を幼いころから舞台などで活躍している<くるみ>、「寺田」役を<福間健二>監督自身が演じています。そのほか、<福間健二>監督の『秋の理由』にも出演した<正木佐和>が「岬」と「綾子」を一人2役で演じ、寺田の親戚の「次郎」役を映画監督で俳優の<守屋文雄>が演じています。
2023年3月に本作が完成した直後、<福間健二>監督は脳梗塞で倒れ、治療中に肺炎を起こして同年4月に74歳で他界。本作が遺作となりました。