昆虫の活動時期も終りに近づいていますが、11月に入っても「夏日」が続いていますので昨日の〈ゾウムシ〉の仲間に続き今回はチョウ目(鱗翅目)ヤガ科フクラスズメ属【フクラスズメ】と遭遇しました。雑木林に多く見られる普通種で、夜、クヌギなどの樹液に集まります。成虫で越冬します。
和名の【フクラスズメ】は、スズメが羽毛を逆立てて冬の寒さに耐える様を「ふくらすずめ」と呼び、丸っこくて毛に覆われた様子をこの〈ガ〉に当てはめています。「スズメ」とありますが、スズメガ科ではありません。
幼虫は、樹木に似た成虫の褐色の擬態色とは正反対にとても派手な色をしています。動きの遅いイモムシ型の幼虫の多くは、鳥の格好の餌になりますが、この幼虫は体色を派手にし毒や不味い物質を体に作ることによって、天敵に自分を印象づけ、不味いことを覚えてもらう方法で天敵からの捕食を回避しています。
成虫の全長は5cmほど。背中側と翅が黒褐色、体の腹側は黄白色をしています。胴が太く、全身に短い毛が密生しています。触角は細い形状で、前翅は体より少し大きいくらいで、後翅に水色の太い弧状の模様が2本ありますが、これは捕えないと観察できません。止まる時は翅を後方へ閉じ、大きな鏃(やじり)のような形になります。
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