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神戸:ファルコンの散歩メモ

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今年の読書(88)『つみびと』山田詠美(中公文庫)

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<山田詠美>の本書『つみびと』は、 2010年7月 に発生した 大阪市 西区 の マンション で2児(3歳女児と1歳9ヶ月男児)が母親の 育児放棄 によって 餓死 した「大阪2児餓死事件」をもとにして描かれ、『日本経済新聞』(夕刊)に2018年3月26日~12月25日に掲載され、2019年5月単行本として中央公論新社より単行本が刊行、2021年9月25日に文庫本が発売されています。

厚生労働省では、毎年11月を「児童虐待防止推進月間」と定めていることもあり、おぞましい事件の記憶もあり、手にしてみました。

4歳の男の子「桃太」と3歳の娘「萌音」の2児を放置した死なせた母親「蓮音」を中心として、その母親「琴音」と<小さき者たち>のそれぞれ三様の立場で状況が語られる構成の424ページでした。 「悪いのは子供を餓死させた母親だけなのか」という疑問を、「蓮音」の周囲にいる人物達や家庭環境から浮き上がらせて描いていますが、全てが家庭環境のせいとは言えないだけに、灼熱の夏に幼な子二人をマンションに閉じ込め置き去りにしたのかは、重い内容だけに読み終えて分からないままでした。

事件当事者の母親の裁判は最高裁まで争われ、2013年3月25日に懲役30年が確定して服役しており、物語は、「琴音」と「蓮音」の刑務所にての面会場面で終わります。
#ブログ #文庫本 #読書

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