京都大学瀬戸臨海実験所(和歌山県白浜町)と同大学総合博物館(京都市)による共同研究グループは、緑色のとげを持つ熱帯性の「リュウキュウナガウニ」を白浜町の海岸で複数発見しています。沖縄以南に分布する種類で本州では初記録。「越冬個体も含まれ、海中の温暖化が進んでいることを示唆している」と注目しています。
このウニは、同グループが2016年夏から2017年夏にかけて、実習や生物調査などで見つけました。発見したのは5個体で、いずれも直径8~22ミリの小型でした。
実験所が1963年から白浜町沖にある畠島で継続しているウニの個体数調査で、「リュウキュウナガウニ」の報告はなく、今後の調査が重要になってくると指摘しています。
実験所によりますと、2016年と2017年は黒潮が接岸し、海水温が過去12年間で最も高い状況でした。黒潮に乗って南方から運ばれてきた幼生が定着しやすい状況になり、冬季の海水温が高かったことが越冬できた要因と考えられるといいます。しかし、2017年秋から2018年冬にかけては黒潮離岸と低気温が重なったため、いまは死滅した可能性が高いとみています。
本研究成果は、2019年3月8日に学術誌『日本ベントス学会誌』の冊子版で公開されています。
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