<駅弁>(69)「かに寿司」@淡路屋
4月
9日
JR浜坂駅(兵庫県新温泉町浜坂)の駅弁として親しまれ、今年1月に生産販売を終了した 米田茶店の「かに寿し」 が、弁当製造販売「淡路屋」(神戸市東灘区)に受け継がれることが決まっています。包み紙などもほぼ以前のまま復活する予定だとか。「駅弁の日」の10日からJR豊岡駅や城崎温泉駅などで販売されます。
浜坂駅前にある米田茶店は同駅開業時の1911(明治44)年、駅弁の製造販売を始めました。1958(昭和33)年から生産している「かに寿し」は人気商品でしたが、同駅の売店閉鎖や近隣区間の車内販売が終了し、売り上げが減少したため、今年1月に販売を終えています。同駅前の道路改良工事が予定されており、今夏ごろには店も閉めるといいます。
新聞記事で生産中止を知った淡路屋が連絡を取り、「かに寿し」の継承を持ち掛けました。淡路屋はレシピを伝えられた上で、試作を繰り返し、酢飯の味、カニ身や錦糸卵、魚肉おぼろなど具材の処理、全体のバランスなど、長年作ってきた米田茶店の従業員らにも味わってもらって調整し、約2カ月かけて味を再現させました。
米田茶店がこだわってきた香美町香住区産のベニズワイガニや同区内のメーカーが製造する酢なども使用。包み紙も原材料名や製造者などの部分を除いてそのままで「明治44年創業 米田茶店」の名前も残ります。但馬の2駅のほか、JR神戸、新神戸、西明石、芦屋の各駅にある直営販売店などで販売されます。価格は、1100円。