『めんたいぴりり』@<江口カン>監督
1月
17日
昭和30年代。戦後最大の引揚港でもありました福岡は戦争の傷跡を残したまま、復興を遂げようとしていた時代、主人公「海野俊之」(博多華丸)は焼け跡となっていた中洲の一角に小さな食料品店「ふくのや」を立上げ、妻の「千代子」(富田靖子)と営んでいました。博多の祭り<博多祇園山笠>に情熱を燃やし盛り上げてきた「山のぼせ」でもありました。
一方で<俊之>には山笠と並んで熱中しているものがありました。それは「めんたいこ」作り。
戦前、日本の統治下でもあった韓国の釜山で生まれ育った「俊之」は、当時の思い出の味「明卵漬 → ミョンランジョ」をヒントに明太子を作り出し、日々味の改良を重ねていたが、なかなか納得できる味に近づかず苦悩の毎日だった。
映画『めんたいぴりり』では、2013年8月のテレビ西日本開局55周年を記念して制作されたテレビドラマと同様に、戦後の混乱期を乗り越え、経済は復興から成長へとシフトしていく「昭和」という時代の光と影を描き、テレビドラマでは語りきれなかったエピソードも加え、福岡の代表的な惣菜として知られることに なった「辛子明太子」が出来上がるまでを「笑い」と「涙」を交えながら描いていきます。