今年の読書(8)『功利主義者の読書術』佐藤優(新潮社文庫)
1月
13日
娯楽での読書ならばどのように読んでいても構わないが、読書家といわれる人は、自分の頭で考えなくなってしまう恐れを指摘、いかに書物を読み解いていくかが語られています。
「資本主義の本質とは」の章では<マルクス>の『資本論』、「論戦に勝つテクニック」の章では、<石原真理子>の『ふぞろいな秘密』や<酒井順子>の『負け犬の遠吠え』、「人間の本性を見抜くテクニック」の章では、<レイモンド・チャンドラー>の『長いお別れ』など、幅広い分野から多くの書籍が取り上げられています。
行間に埋め込まれたその著者の意図をくみ取りながら分析していく手法は、ロシア大使館勤務という経歴が反映されているようで、面白く読み終えれました。