『死神の精度』伊坂幸太郎(文春文庫)
2月
10日
人間の姿をしており、<千葉>たち調査員は対象人物に密着し、不慮の事故で死なせてもいいのかどうかの判断を下し、「可」とされた相手が八日目に亡くなるまでを見届けるのが仕事です。
この<千葉>は徹底的に冷静で律儀、他の調査員が一週間を待たずに早々と「可」との判断をくだすなか、律儀に最後まで調査をこなすのですが、なぜか彼の出番のときには雨や大雪といっや悪天候がともない、また人間の使用する言葉の意味が理解できない所が愛嬌で、それが「人間」と「死神」の考え方の対比となり、物ガラリにいい雰囲気を与えています。
小気味なタッチの文章と<千葉>の面白み、ぜひ続きが詠みたくなる一冊でした。