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- 今年の読書(19)『オイアウエ漂流記』荻原浩(新潮文庫)
トンガ王国にゴルフ場開発のため、スポンサーである「泰宝グループ」会長の長男<野々村>を現地視察させるために「パラダイス土地開発」の社員4名が、ウララ航空で別の島にゴルフに出かけた際、悪天候のために遭難、無人島に流されるところから物語は始まります。
無人島を舞台にした小説には、 『東京島』 <桐野夏生>が印象的でしたが、これまたどのような結末になるのかと、期待して読み始めました。
小さなプロペラ機には、新婚旅行中の二人、戦友の慰霊の旅に出た元日本兵の84歳の老人とその孫の小学生<仁太>、自然環境を守ろうとするテロリスト「マリガーディアン」の<サイモン>、そして犬<カーゴ>が同乗していました。
10人と一匹の犬が、文明的なモノが何もない中、「生きて帰りたい」という気持ちを持ち続けながらの共同生活が始まります。
無人島においても会社組織の上下関係をあからさまに誇示する上司のもと、平社員の<塚本賢司>は走り回されますが、それぞれの登場人物たちの性格付けがよく表されており、最後の一ページ迄どうなるのかと、ワクワクしながらサバイバル小説が楽しめました。
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