今年の読書(85)『水時計』ジム・ケリー(創元推理文庫)
7月
7日
<ドライデン>の妻<ローラ>は、交通事故で意識不明の状態で入院をしていますが、新聞記者である<ドライデン>は、氷結した川から引き揚げられた車のトランクから銃で撃たれた死体を取材する傍ら、教会の大聖堂の屋根の上で白骨の死体が見つかり、真相を究明すべく緻密な取材行動に動きます。
新聞記者として、サーカス団の不審火、祭りの花火事故、大雨による大洪水という本来の記者としての取材をちりばめながら、強盗事件の真相と<ローラ>の交通事故の真相の伏線が随所に錯綜しながらの構成、息つく暇を与えずに最後まで読み手を引っ張ってくれる一冊でした。
取材の移動はすべて<ハンフリー・H・ホルト>の運転するタクシーですが、このお抱え運転手がいい脇役として印象に残ります。