今年の読書(82)『政界汚染』濱嘉之(文春文庫)
6月
30日
病院理事長<中村弘一>は、医療の技術では劣りますが病院経営では敏腕で、医師会などの肩書きも多く、参議院選挙の比例区に出馬しましたが、残念ながら次点に終わりました。
選挙コンサルタントとして当選請負人とまで呼ばれた<大場芳一>を裏金を使い雇いますが、裏金を渡している地元市会議員の<古沢幸次郎>が交通事故で死亡、ぎりぎり当選した<木下武>がこれまた交通事故で亡くなり、繰り上げ当選が決まります。
公安部公安総務課の<青山望>は、この二つの事件の裏側に暴力団が絡み、病院を舞台に悪質な企みを阻止すべく、前回と同様にノンキャリアの同期<大和田博><藤中克範><龍一彦>3人と、課をまたいだ共同捜査で事件解決に臨みます。
公安部公安総務課の経歴を持つ著者の分身を思わせる<青山望>ですが、本庁の三年勤務も終わり、これから所轄に転属になる同期の仲間の今後の活躍が楽しみになってきました。