《 〝男女別、木・花!!〟泉の森6/15 6月草花XI 》
春に芽葉が赤く、山野の中でもかなり目立つ。
花期には赤い葉は緑に変わり、少し赤味が残る程度が面白い。
和名の由来は柏の葉と同様に食べ物を乗せたり若芽が赤い事から。
伐採跡地や崩壊地、林縁などの明るいところに多く見られる落葉高木。
高さ15m、直径50cmに達する。樹皮は灰褐色。縦に浅い裂け目がある。
若枝は灰色。若葉は裏表、初め紅色で星状毛が密生し白色の腺点もある。
新葉の紅色で星状毛に覆われている毛は次第に落ちて少なくなる。
葉身は長さ7〜20cm、幅5〜14cmの卵形または広卵形。
縁は全縁または波打ち、時に浅く3裂する。葉柄は長さ5〜20cm。
花は雌雄別株。枝先に長さ7〜20cmの円錐花序をだし、花弁はない。
雄花は苞のわきに数個ずつつき、萼は淡黄色で3〜4裂する。
雄蕊は多数あり、花糸は長さ約3mm。
雌花は苞のわきに1個ずつつき、萼は2〜3裂する。
子房は刺状の突起があり、紅色の星状毛と白い腺点に覆われる。
花柱は3〜4個で、乳頭状突起が密生する。
乳頭状突起ははじめ紅色で、成熟すると黄色になる。
冬芽は、裸芽で、灰色〜褐色の星状毛が密生する。
頂芽は大きく長さ1〜1.3cm。側芽は丸くて小さい。
葉痕は円形で大きい。維管束痕は多数ある。
* * *
「仮軸分枝のアカメガシワ!?!。
仮軸分枝とは、枝の先の芽は途中で止まってしまい、
脇から新しい芽が伸びていき、その芽もまた止まり、
といったことを繰り返して大きくなること。
アカメガシワは、側枝が主軸より優勢に伸びて、
あたかも主軸のようになる。まさに、仮軸分枝。
又、アカメガシワの葉の付け根に蜜腺がある。
吸引に寄ってきたアリの姿をよく目にするが、
蟻は其の折々、蛾などが葉に産み付けた卵を、
孵化したばかりの毛虫などを餌として持ち帰る。
アカメガシワは蜜をアリに与え、
葉を害虫から守ってもらっている。
本格的なものではないが、アリ植物の一つと云えるか。
崩壊地等、空き地に最初に生える先駆種の一つである。
「令和陸年(皇紀2684年)6月15日、記」