10月
26日,
2024年
《 雅羅・/・〝備忘録 24-42〟❖ ’24-300 ❖ 》

学名:Chrysanthemum indicum Linné
別名:アブラギク,ハマカンギク,オキノアブラギク
シマカンギク(島寒菊); キク属・・多年草
近畿地方以西〜九州の山麓の日当たりのよいところに生える。
茎は叢生し、下部は倒れ、上部は立ち上がって高さ30〜80cmになる。
葉は柄があり、長さ3〜5cm、幅2.5〜4cmで5中裂する。
裏面には丁字状毛があるが淡緑色。
柄の基部に葉状の仮托葉が目立つ。
頭花は黄色で直径約2.5cm。
総苞片は4列に並び、外片は長楕円形〜卵形。
花期は10〜12月。(山に咲く花)
《 随分と昔、見た花〝島寒菊〟》

私的には、野の自生菊に魅せられる。
若い頃、長門市青海島で山陰菊を見た事があった。
山陰菊の葉は、長さ7㌢もあり頭花も直径4㌢程もある。
野菊としては大きい方だろう。旅の途で次に出会った野菊。
それが、島寒菊。大分県飯田高原で出会い、その後平戸でも見た。
山麓などに見られるようだが、海辺でも見られるのか???
ハマカンギクの別名がある由。
シマカンギクは観賞用として栽培もされているようだ。
シマカンギクは、薬用としても使用される由。
漢方では<乾燥頭花をキクカ(菊花)>と云う。
漢方処方の釣藤散に配合される生薬であると聞いた。
キクカには解熱、消炎、解毒や降圧作用があるとされる。
又、菊花茶としても親しまれてきた植物。
「令和陸年(皇紀2684年)10月26日」
10月
25日,
2024年
《 雅羅・/・〝里緑地の花 10-11〟❖ ’24-299 ❖ 》

関東地方~近畿地方の山地や丘陵地、
樹木の下や沢沿いで生育している。
やや湿った場所に生育する多年草。草丈は、50~80cm。
茎葉はなく根生葉は1~2回3出複葉(時に1回3出複葉)、
葉裏の脈に縮れた短毛が開出する。
葉柄は長く、長いものは30cmを超える。
小葉は、やや硬く円心形で中裂(掌状に切れ込む)、
縁には不揃いの鋭い鋸歯があり両面脈上に短毛がある。
蕾は丸く淡紅色を帯び、花は直径約4㎜。
花色は、白色~ピンクで無柄。長い穂状に花は多数つく。
萼片は広楕円形。雄蕊は多数つき白色で長くて目立つ。
花弁は長楕円形、基部は細く先はしばしば2浅裂する。
葯は円形または広楕円形、花糸の先は少し広がる。
長さ7~8mm。雌蕊は1個、ときに2個。
袋果は長さ約1㎝、幅約3㎜。種子は長さ約2.5㎜、淡褐色。
《 身近の里緑地でひっそりと立つ〝犬升麻〟❖泉の森 ❖》

多年草.根茎は発達する.
根生葉は大型で長柄あり 3 出複葉.花序は頂生して総状または穂状,
萼片は花弁状で4~5 枚,花弁は 1~8 枚でふつう下部に蜜腺がある.
萼片や花弁は早落し,多数の雄しべが萼片や花弁より長く,白く目立つ.果実は袋果.
北半球の暖帯以北に約 15 種ある.日本には 3 種があり,いずれも県内に産する.
ルイヨウショウマ属 Actaea に含める見解もあるが,
Cimicifuga が側系統群である確実な証拠が見出せないため,
ここでは従来通りまとめた.
A.花には花柄がある.葉下面脈上の毛は屈毛 ..................................................................................(1)サラシナショウマ
A.花はほとんど無柄,葉下面脈上の毛は縮れて開出
B.葉は 1~2 回 3 出複生し,上面脈上有毛 ............................................................................................(2)イヌショウマ
B.葉は 1 回 3 出複生し,上面脈上無毛 ..............................................................................................(3)オオバショウマ
10月
24日,
2024年
《 雅羅・/・襍〝備忘録 24-41〟❖ ’24-298 ❖ 》

福島県以南の本州、四国、九州、沖縄に生育する、蔓性の常緑低木。
幹は灰黒色、丸い皮目があり、古くなると縦の裂け目が入る。
枝は鈍い稜があり、赤褐色の鱗片(鱗状毛が密生)がある。
枝には、時に「逆枝」と呼ばれる下向きの短い枝を出す。
他の木に寄り掛かり絡みながら長くのび、垂れ下がる。
葉は互生し、先方が長い長楕円形で縁はあまり波打たない。
葉の表の銀色の鱗状毛は出始めだけで、後にはなくなる。
葉裏にも赤褐色の鱗片(鱗状毛)が密生する。

白色で花弁の外側にも鱗片がある。
果実は、翌春に赤く熟す。赤くなる前に落ちてしまうものもる。
グミの仲間は花が春咲きが多いが秋咲きはツルグミとナワシログミ位。
ナワシログミも勢いのよい枝はつるのように長く伸ばす。
見分けるのが難しいが、ツルグミの鱗片が赤褐色である。
対して、ナワシログミは白色で葉の周りが波打ってやや裏側に巻き込む。

(7)ツルグミ Elaeagnus glabra Thunb.
つる性の常緑低木または小高木.
長い徒長枝を出し,分枝した枝は開出または下向きに伸びる.
小枝は鈍い綾があり,赤褐色の鱗状毛が密生する.
葉身は長楕円形または卵状長楕円形,鋭尖頭,
下面は赤褐色の鱗状毛が密生する.
ときに徒長枝の葉は銀色の鱗状毛をしく.花は 10~11 月,
萼筒は鈍い 4 綾のある細い筒形,しだいに細くなって子房につながり,
萼裂片は萼筒より著しく短い.
果実は長楕円形,長さ 15mm,4~5 月に熟す.
本州,四国,九州,琉球;朝鮮,中国,台湾に分布.
県内では海岸からシイ・カシ帯の山地の樹林内や林縁にやや普通に見られる.
雑種
1)アカバグミ Elaeagnus ×maritima Koidz. in Bot. Mag. Tokyo,
31: 133 (1917) の基準産地は葉山(1916.11.5 久内清孝)
と横浜(1916.11.3 久内清孝);
E. ×hisauchii Makino ex Nakai in Bot. Mag. Tokyo,
32: 223 (1918)の基準産地は横浜(久内清孝)と横須賀(松村任三)
別名オオバツルグミ.つる性の常緑低木または小高木.
ツルグミとオオバグミの自然雑種と見られている.
小枝はツルグミより太く,明らかな稜角をもち,葉柄はやや長く,
葉は広く,萼筒は明らかな 4 稜のある筒形で,ツルグミのような細い漏斗形でない.
オオバグミのような鐘形にはならない.
裂片は萼筒の半分の長さに近い.新条は帯赤褐色.
葉下面の全面に赤褐色(銅色)の鱗状毛をしくものはアカバグミ E. maritima で,
葉下面に銀色の鱗状毛をしき,
その上に赤褐色の鱗状毛の散生するものはオオバツルグミ E. hisauchii と呼ばれたが,
鱗状毛や葉形には変化があって,はっきりとふたつの形に分けることは不可能である.
関東地方以西で記録され,県内全域の海岸に点在する.
* * *
丘陵地の林内に生える常緑木で、雌雄同株(しゆうどうしゅ)。
三浦半島や大磯丘陵などで今でも見られるようだ。
全きの自然状態ではなく刈払い等で余り見られなくなっているようだ。
花が咲きづらい環境では実もできない。
人間主体の環境保全に疑問を持つ。
生物共同体的均衡等という言葉を聞かなくなった。
若い頃、横須賀市・鷹取山に登攀トレーニングのためによく出かけた。
逗子・神武寺周辺から鷹取山にかけてこの時期見かけた。
「令和陸年(皇紀2684年)10月24日」
10月
23日,
2024年
《 雅羅・/・襍〝備忘録 24-40〟❖ ’24-297 ❖ 》

北海道〜九州の水辺に生える。
葉は長さ5〜10cm、幅2.5〜7cmの三角状披針形で、先端は尖る。
葉腋から花序をだし、小さな黄緑色の花をつける。雌雄同株。
花序の上部に雄花が総状につき、基部に雌花が1個つく。
花は5全裂し、裂片は細長い。
萼も同じ形なので、花びらが10個あるように見える。

1.ゴキヅル属 Actinostemma Griff.
1 年草.雌雄同株.葉は長 3 角状心形で,粗い歯牙がある.
萼も花冠も裂片は放射状に細長く尾状に尖り,萼片の縁に腺がある.
雄花は総状につき,雌花は雄花序の基部に単生.
果柄は細く,果実は小型で表面に突起が点在する.
熟すと果実は上下に分離して,種子を散らす.種子は偏平でざらつく.
東アジア~インドに 7 種分布し,日本にはゴキヅル 1 種が分布.
(1)ゴキヅル Actinostemma tenerum Griff.; A. lobatum (Maxim.) Maxim. ex Franch. & Sav.;
A. lobatum (Maxim.) Maxim.ex Franch. & Sav. var. japonica Maxim. in Franch. & Sav., Enum. Pl. Jap.
1: 175 (1873) の基準産地は横浜茎は細く,全草軟弱.
葉は長さ 3~10cm,ときに 3~5 裂するものもあり,葉先は細く尖る.
花期は 8~9 月,花は直径約 1cm で黄緑色.雄しべは 5 個.
果実は緑色の楕円体で,長さ 1.5cm 前後あり,下垂した状態での上半分(果
柄側)に突起がある.
果柄は長さ約 1cm.種子は 2 個,黒褐色で大きい.
本州,四国,九州;朝鮮,中国,ベトナムに分布.
水辺の草むらに生える.
県内では沖積地に点在し.ごく少ない.
『神 RDB06』では絶滅危惧ⅠB 類とされた.
* * *
合器(ごうき)とは、ふたつきの椀(食器)を意味する。また、修行僧などの持ち歩く椀をいう。
果実が熟すと、果皮が横に割れ上半分が蓋のように取れ、下部が椀状になる。
その形から合器の名が付いた由。更には、こうした実を蓋果(がいか)と言う。
「令和陸年(皇紀2684年)10月23日」
10月
22日,
2024年
《 雅羅・/・襍〝備忘録 24-39〟❖ ’24-296 ❖ 》

学名:Eusteralis stellata (Lour.) Murata
環境省レッドリスト2012 準絶滅危惧(NT)。

*
ミズネコノオ(水猫の尾);ミズトラノオ属
関東地方~九州,徳之島,に自生分布し,休耕田や湿地に生える。
茎高15~50cmの軟弱な一年草。茎は中央付近で多数枝を出す。
葉は3-6個ずつ輪生し、長さ2-6mm、幅2-4mm。
花穂は茎頂と枝先に直立し、長さ2~5mmになり、幅4~5mm。
花は白または淡紅色で密につき、雄蕊を含めると長さ約3mm。
8~10月に開花。花糸の毛は目立たない。

15.ミズトラノオ属 Pogostemon Desf(関口克己,図:関口克己)
別名ヒゲオシベ属.1~多年草.茎は中空.葉は無柄,直立する茎に対生または輪生してつく.
花は頂生する密な穂状花序につく.苞は花冠よりも小さいかまたはほぼ同じ大きさ.
花は無柄,花冠はやや等しく 4 裂.雄しべは 4本で花冠よりも突出し花糸には毛がある.
萼は鐘形で外面に毛がある.分果は長披針形~卵形で表面は平滑.
アフリカ,アジア東南部~インド,オーストラリアなどに 85 種ほどがある.
日本には 2 種があり,県内にも記録だけのものを含め 2 種がある.
以前はミズトラノオ属 Dysophylla Blume とされていたが,
近年,Press(1982 Bulletin of theBritish Museum (Natural History), Botany 10: 74)
により Pogostemon に統合された.
A.1 年草.茎は中央付近で多分枝.葉は 3~8 輪生.
花穂は長さ 2~6cm,幅 4~5mm ....................(1)ミズネコノオ
A.多年草.茎はほぼ無分枝.葉は 3~4 輪生.花穂は長さ 2~8cm,
幅 10mm 以上 ..............................*ミズトラノオ
(1)ミズネコノオ Pogostemon stellatus (Lour.) Kuntze;
Dysophylla stellata (Lour.) Benth.
1 年草.茎は直立し,高さ 15~60cm,
やや多肉質でやわらかく,中央部付近で多数枝を出す.
葉は無柄で長さ 2~5cm,幅 1.5~5mm,縁は細鋸歯があるかほぼ全縁,
先端鋭頭,下面に腺点がある.花は 8~10 月.茎頂に花穂を1 本つける.
花はほぼ無柄.苞は披針形で長さ約 2mm,鋭頭.
花冠は長さ約 2mm,鐘形で白色または淡紅色,先は4 裂する.
雄しべはほぼ同長で花外に突き出し,花糸にはまばらに毛がある.
萼は鐘形で長さ 1~1.5mm,密に毛がある.
分果は卵形で長さ約 0.6mm.
本州(茨城県以西),四国,九州,琉球;
朝鮮半島,中国(中部~南部),台湾,
インドシナ,マレーシア,インドに分布.
シイ・カシ帯の沖積地~丘陵の水田や低湿地に生える.
県内では『神植目 33』には横浜,戸塚(汲沢),
『神植誌 58』は横浜,鎌倉,平塚等を産地としてあげ,
『神植誌 88』やその後の調査では見出せなかったが,
1991 年に横浜市西区,2014 年に南足柄市などで採集された.
『神 RDB95,神 RDB06』では絶滅種,
『国 RDB15』では絶滅危惧Ⅱ類にされた.
標本:武蔵戸塚 1914.10.14 左右田 TNS44461;
相模戸塚 1915 牧野富太郎 MAK38647;Totsuka 1914.10.11 K.Hisauchi TI;
Hiratsuka 1905.9 牧野富太郎 TI;
相模平塚 1905.9 牧野富太郎 MAK36025;
相模茅ヶ崎 1915 牧野富太郎MAK38646;
横浜市西区浅間町 1 丁目 1991.9.20 吉川アサ子 KPM-NA1104148;
南足柄市 2014.9.9 伊藤晁逸 KPM-NA0295799.
* * *
ミズネコノオ、かつては、稲刈り後の水田で見られたと資料にあった。
手作業での稲刈りで切り取られずに残った草。
コンバインの下敷きで残存環境は、変化した。
一年草の宿命で開花結実する必要がある。
なんとか生き残った草体は花数が少ない現実。
それでもミズネコノオは休耕田で見る機会がある由。
似た仲間のミズトラノオは、湿地でしっかりと生育している。
水田の耕起湛水のサイクルに合わせた一年草のミズネコノオ。
対して、安定した湿地で生きる多年草のミズトラノオ。
生態系とは、不可思議なものだ。
ミズネコノオは、花穂を付ける華麗な植物に映る。
草全体としてはミズネコノオは、品位が高いように感じる。
しかし生育環境等で絶滅危惧に瀕している。
自生地を探せど神奈川県内では出会ったことがない。
南九州の水田等では、“ある所にはわんさかある”と。
環境変化による埋土種子の発芽が、あっても不思議ではない。
肥料と農薬、除草剤の使用量減少、無農薬稲作農家が増えているので。
シソクサやサワトウガラシ、ヒロハイヌノヒゲ等々が見られている昨今。
除草剤が、埋土種子まで浸透していなかった様に思える。
万一にミズネコノオ埋土種子の発芽が見れれば幸いだ。
「令和陸年(皇紀2684年)10月22日
10月
21日,
2024年
《 雅羅・/・〝里緑地の実〟❖ ’24-295 ❖ 》

熱帯アジア原産で古く有史以前に日本に入ってきた由。
本州〜沖縄の水辺や畑地などに極普通に生育し、群生。
湿地や田圃(休耕田)周辺を好んで生えている様だ。
昭和30年頃では、何処にでも見え雑草とも云われ。。!
機械によって刈り払われる様は、寂しくおもったりしたものだ。
子供時代、練兵場と呼ばれた周辺に数珠玉が沢山見れた。
今や住宅地と化した。又、農耕地周辺でもあまり見られない。
ましてや雑草と呼ぶ人々の話を聞くと、ため息がでる。
*

の長さ30〜60cm、幅2〜4cm。
花序は散房状、茎の上部の葉腋から出る。
雌性小穂は葉腋の基部につき、
葉鞘の変化した堅い総苞葉に包まれ、内に1小花(第2小花)を含む。
雄性小穂は総苞葉をつらぬき、短い柄の先に単生し総状になる。
果実はほぼ円形、灰白色、長さ6mm。
花期は8〜9月。(日本イネ科植物図譜)
小穂は単性、雌小穂は硬質壺形の苞鞘内にあり、
1小花があり、両側に退化小穂がある。(原色日本植物図鑑)
雄小穂と雌小穂があり、苞葉が変形した「つぼ」に納まった雌小穂群
と「つぼ」から突き出した雄小穂群で1つの花序ができている。
雌小穂3個のうち、1個だけがブラシ状の花柱を出す。
柱頭がしおれてから、雄花序の包穎が開いて葯がぶら下がる。
「つぼ」の横断面と中身。果実を含んだ雌小穂(稔実小穂)と
含まない雌小穂(不稔小穂―2つの細長い小穂)が組み合わさっている。
苞葉鞘の中には1個の雌小穂のほかに2つの棒状のものが含まれ、
苞葉鞘の口からはそれら2つが頭を覗かせている。
これらは退化して花をつけなくなった小穂である。
したがって、包葉鞘の中には、花をつける小穂(登実小穂)1つと、
その両側にある不実の小穂2つが包まれていることになる。(Wikipedia)
植物図鑑的には書くと堅苦しいが、ジュズダマの花は複雑。
同じ株に雄花と雌花があり、実のように見える苞鞘(ほうしょう)
から出ている糸のような白い花が雌花で、
その先に伸びている黄色の花が雄花。
玉の様な硬い袋玉は苞鞘(ほうしょう)と呼ぶ。
花はその先端から蕊だけが出ている。花弁はない。
こんな生育経緯を雌性先熟(しせいせんじゅく)と言う。
蕊が出て来ていたらそれが雌蕊(雌花)の柱頭。
雌蕊が終わる頃に穂のように垂れて来るのが雄花。
実ははじめ緑色で秋には黒く色を変える。
ジュズダマの実は、昔は実際に数珠(念珠)に使われた。
苞鞘は熟すにつれて硬くなり、白色~灰褐色~黒色などに変色。
つやが出てくると、中々の風合いである。
中心に穴があいている事で古くは、数珠に利用された。
我が子供の頃には、お手玉(玩具)に詰めたり、
女児が宝石と称してネックレス等にして遊んでいた。
今やこうした遊びは、姿をけしてしまったようだ。
《 余り見向きもされない〝数珠玉〟 ❖泉の森湿生花園❖ 》

→88.ジュズダマ属 Coix L.(木場英久)
1 年草または多年草.稈にはスポンジ状の髄がある.
小穂に雌雄の 2 型があり,雌性小穂は葉鞘の変化した総苞
葉に包まれ,総苞葉の中から柄を伸ばし,
雄性小穂からなる総が垂れる.
アジアの熱帯に約 5 種があり,
日本にはジュズダマ 1 種が分布する.
(1)ジュズダマ Coix lacryma-jobi L.
1 年草.高さ 2m になる.葉の幅は 4cm に達する.
上方の数節の葉腋に花序をつける.
総苞葉の葉鞘の変形した,
いわゆる数珠玉は平滑で,光沢がある.
この数珠玉に短い葉身がつくことが稀にある.
花期は 8~10 月.熱帯アジア原産の帰化植物.
日本各地に帰化する.
県内では全域に普通.川岸など水辺に生える.
『神植誌 58』に「特に果実大形で琺瑯質の厚いものは
var. maxima Makino(オオジュズダマ)で
大山町で採集の記録がある」とある.
栽培されるハトムギ var. ma-yuen (Roman.) Stapf には,
数珠玉に縦溝があり,花序が垂れる.
10月
20日,
2024年
《 雅羅・/・〝里緑地の羊歯〟❖ ’24-294 ❖ 》

本州〜九州の日向の山野に生える。
栄養葉の柄は長く、基部近くで胞子葉を分岐する。
栄養葉は葉軸が三岐する。
小羽片は広卵形で鈍頭、辺縁は鈍鋸歯。
葉柄や羽軸は無毛。
胞子葉は栄養葉より長く、上部につく胞子嚢穂は2回〜3回羽状に分岐し、
円錐状に丸い胞子嚢をつけ、秋に熟した後に枯れる。
似たものにオオハナワラビやアカハナワラビがある。
3つの違いは栄養葉の様子により、
葉の先(鋸葉)が尖っている オオハナワラビ、アカハナワラビ
茎に毛がなければアカハナワラビ、オオハナワラビは茎、葉柄、葉軸に毛がある。
葉の先(鋸葉)が鈍頭 フユノハナワラビ(松江の花図鑑)。
**上の2画像は、借り物。**
《 人知れず姿を見せてた羊歯植物〝冬の花蕨〟 ❖泉の森❖ 》
花のように見えるのは胞子葉と呼ばれる胞子を包んだ袋をつけた穂。
まるで子持ちワカメのような姿。
秋に葉を出し枯れずに冬を過ごして春に枯れる。
同じ形態にオオハナワラビ、アカハナワラビ、アカフユノハナワラビがある。
『研究者ノート(松本定・筑波大) 』
栄養葉と胞子葉は地表近くで合着して共通柄は短い。
栄養葉の羽片の頂片は鈍頭、裂片は鈍鋸歯縁である。胞子は秋から冬に熟する。
東北地方以南の暖地に見られ、山麓や原野の向陽地に多い。
9月に葉を出し、同時に花のような胞子葉を伸ばす冬緑型の多年生シダ植物。
落葉により空から林床へ光が届くこれからの時期にのびのびと生活をします。
しかしホオノキなどの大きな落葉に体を覆われると生存できず、生活域が左右されます。
また、本属の植物は胞子が土中へもぐり、そこで前葉体が作られます。』
「令和陸年(皇紀2684年)10月20日」
10月
19日,
2024年
《 雅羅・/・〝里緑地の花 '10-10〟❖ ’24-293 ❖ 》
山地のやや湿った半日陰などに生える多年草。
茎は普通、分枝せず長さ0.4~1mになる。
斜面から垂れ下がって咲く事も多い。茎には上向きの毛が密生する。
葉は互生し、茎の左右に並び毛が多く長楕円状披針形。
若い葉には表面に濃色の斑点(油点)があるが、次第に目立たなくなる。
花は葉脇につき、直径2-3cmの漏斗状鐘形。
茎頂と葉腋ごとに1~3個、上向きに咲き茎先端から基部に向かって咲き進む。
花披片は6個、平開せず斜めに開く。
白色で内側に紅紫色~紫色の斑点が多数つき、基部には黄色の斑紋がある。
斑点の色や濃淡、大小は変異が大きい。
3個の外花被片は倒披針形で3個の内花被片より広い。
基部が球状に膨らみ腺毛が生える。
雄蕊は6個で子房を囲んで直立し、上部で平開して帯紫色の葯を丁字形につける。
花糸は無毛。花柱の柱頭は3裂して平開しさらに2裂して多数の腺毛状の球状突起がある。
花糸や花柱、葯の上側にも紫色の斑点がある。
花柱は太く、柱頭が深く3裂し、先端がさらに2裂して平らに開く。
花披片に紅紫色~青紫色の斑点があり、花柱や柱頭、花糸に斑点がある。
花被片の基部には橙色の班紋がある。雄蕊6個。
果実は長さ4~5㎝、先が尖った三角柱状の蒴果、熟すと先端が小さく3裂する。
種子は長さ約2.5㎜の扁平な先が尖った卵形、赤褐色、表面に細かな網目がある。
ヤマホトトギスは花被片は下にくぼみ、先は上に向かって反り返る。
ヤマジノホトトギスは花被片が平開するか、上側に向かって膨らむ。
花被片が斜開するホトトギスとは区別は容易。
よく似たタイワンホトトギスとホトトギスとの交配も盛んに行われ、
都会で見られるものは、交配雑種と思しきものが多い。
《 静か&迫力ある咲きっぷり〝杜鵑草〟 ❖泉の森・こもれび広場❖ 》
**神奈川県植物誌より**
(3)ホトトギス Tricyrtis hirta (Thunb.) Hook.;
T. japonica Miq. in Ann. Mus. Bot. Lugd.-Bat., 3(5):
155 (1867) の基準産地の 1 つが横浜 (Maximowicz)
岸壁に生えたものは下垂し,平坦地に生えたものは直立し,高さ 40~90cm.
茎に毛が多い.9~10 月,
淡紅紫色で濃紫色の斑点がある花を葉腋に 1~3 個ずつつけ,
主茎の先から元への順で咲く.
本州,四国,九州に分布し,県内では全域に普通で,
川岸や湿った岸壁,草原や疎林の下に生える.
* * *
和名は、花弁の斑点模様が野鳥のホトトギスの胸模様に似ているに由来する。
泉の森の生育場は、歩行路脇の緩やかな斜面に静かに姿を魅せる。
元々、自生していたものか否かはわからない。
タイワンホトトギスとホトトギスの交雑園芸種とも見えるが??
「令和陸年(皇紀2684年)10月19日」
10月
18日,
2024年
《 雅羅・/・〝垣根の花 〟❖ ’24-292 ❖ 》
キンモクセイ(金木犀)モクセイ科(Oleaceae)
学名:Osmanthus fragrans Lour. var. aurantiacus Makino
別名:モクセイ(広義)
キンモクセイ(金木犀);
キンモクセイはギンモクセイの変種と分類されている。
園芸種で花の色によりキンモクセイ、ギンモクセイ等に分けられている。
Osmanthus fragransはFlora of Chhinaでは広義に木犀(mu xi) とし、
花が帯黄色~黄色~橙色であり、他は園芸種であるとしている。
キンモクセイは中国からの渡来とされ、日本では雄株しか見られない。
キンモクセイは日本で育成されたという説もある。
幹は淡褐色、樹皮に細かい縦の割れ目が入る。
葉は対生し、葉柄は長さ0.8~1.2(1.5)㎝。
葉身は惰円形~楕円状披針形、全縁~上半分に細鋸歯縁、革質。
側脈は6~8(10)対、葉脈が葉裏に突出する。雌雄別株。
葉腋に集散花序をつけ、強い芳香のある花を多数つける。
苞は、広卵形。花冠は帯黄色~黄色~橙色。
雄蕊は2個。花筒の中間につき、不完全雄蕊も2個つく。
雌蕊は1個。核果は惰円形で翌年3月に紫黒色に熟す。
《 沢山の花をつける〝金木犀〟 ❖隣家との境界線❖ 》
この季節になると、オトメツバキの右上で沢山の花をつける金木犀。
垣根として2m位に育っている。2階ベランダで昼寝をしながら眺めている。
淡い香りが漂ってくる。静寂なひととき。
以前は、厚木基地への離発着・・タッチ&ゴーの訓練で爆音が軣いていた!!
最近は、訓練場所が変わったとみえ、静かだ。
「令和陸年(皇紀2684年)10月18日」
10月
17日,
2024年
《 雅羅・/・〝里緑地の花 '10-9〟❖ ’24-291 ❖ 》
本州(東北地方南部から近畿地方の主に太平洋側)に自生している日本固有種。
茎は直立~斜上し、下部で枝分かれが少なく中部以上でよく分枝し上向きに伸びる。
茎葉は長さ23~50㎝、楕円形~広倒卵形で鎌状に曲がり先が鋭く尖る。
長さ23-50 cmで羽状に中裂~深裂し長い刺があり裂片は4~6対。
葉の基部は茎を抱かない。根生葉は花期にはない。花期は9月~11月。
頭花は直立または斜上、柄は無柄か殆ど無柄で,複花序は穂状となる。
総苞は狭筒形,直径は生時で6-10 mm,総苞片は11~12列で圧着する。
また、やや幅が広く筒形のものも見られ、あまり粘らないが総苞片に腺体はある。
くも毛も多い等、他の種と交雑しやすい種といわれ、交雑種も多い。
花色が薄く、頭花の柄(花序柄)が無柄でなく、短柄でありやや長いものもある。
花が枝先に単生するものや下向きに咲くものも見られる。
中部・関東地方では腺体が退化して総苞は粘らないものが多いが、
東北地方や北陸地方,近畿地方にみられるものでは、
中片と内片に楕円形の腺体が発達し総苞は粘る(ネバリアズマヤマアザミと呼ぶ)。
常緑樹林や夏緑樹林の林縁に生え,山麓部にも多くみられる。
小花は長さ18-21 mm,狭筒部は広筒部より長い。
痩果は灰褐色,長さ4 mm,冠毛は長さ14-16 mm。
ネバリアズマヤマアザミ form. glutinosum は東北地方、北陸地方、
近畿地方に分布し、総苞が著しく粘る。
和名の由来は四国、九州に分布するヤマアザミに似ていることから。
《 中々出会えない花〝東山薊〟 ❖泉の森・姥百合群生地端❖ 》

15)アズマヤマアザミ Cirsium microspicatum Nakai var. microspicatum
雌雄同株の多年草.花茎は高さ 1~1.5m,根生葉の葉脈にはしばしば白い斑が入る.
茎の下部の葉は羽状に浅~中裂し,裂片は 4~5 対ある.
花は 9~11 月,頭花は淡紅色でほとんど柄がなく,葉腋に 1~3 個がまとまってつく.
総苞は狭筒形で上部は少し細くなり,幅 8~12mm.
総苞片は短くやや斜上し,反り返らない.
関東地方,中部地方に分布し,県内では丹沢,箱根,小仏山地に多く,
多摩丘陵ではごく稀である.渓谷に面した林内や林縁に生える.
白花品のシロバナアズマヤマアザミ form. albiflorum Hid.Takah., nom. nud. が
山北町で採集されている.県内産をはじめ,関東南部では本種の総苞片の腺体は
退化的で粘らないものがほとんどだが,
近年,相模湖北部から総苞片の腺体が発達した粘る標本が得られており,
県内にも少ないが産することが分かってきた.
総苞片の腺体が発達したものは東北から北陸,近畿地方にかけて多く,
ネバリアズマヤマアザミ form. glutinosum Kitam. として区別されることもあるが,
種内における腺体の発達差異をどのように考えるか,
今後,他種を含めた再検討が必要と思われる.
標本:シロバナアズマヤマアザミ 山北町西丹沢世附峠 1995.9.8 高橋秀男 KPM-NA0104822;
山北町中川白石林道2015.10.20 西湖シダ勉強会 KPM-NA0283070;
ネバリアズマヤマアザミ 相模原市相模湖町底沢 2007.11.11 酒井藤夫・酒井啓子 KPM-NA0159387.
* * *
泉の森にはアズマヤマアザミの他、色々な薊が咲いている由。
*タイアザミ(大薊)・関東地方に多いのでトネアザミ(利根薊)とも呼ばれる。
*ノアザミ
*アメリカオニアザミ、別名セイヨウオニアザミ
*ノアザミ
*ノハラアザミ
*キツネアザミ
*クロアザミ
以上、泉の森に見られたとの資料があるが、私的未見のものもある。
私観察では、セイヨウトゲアザミとおぼしき葉も見かけたが???
いまひとつ、???な葉を見た。私的には驚きの葉。
アズマヤマアザミから少し離れた所に見えたロゼット根葉に目が行った。
ロゼット様からヒレアザミ(鰭薊)属の一種と思える葉に見えた??
カルドゥウス・デフロラツス;キク科ヒレアザミ属の二年草。
学名: Carduus defloratus、英名: Alpine thistle。
ヨーロッパの山々、標高800~2400mの草地や岩礫地などに生え、草丈15~60cm。
葉は長い披針形で、縁には先端に鋭い棘のある粗い鋸歯あり。
夏6月から8月頃、茎頂に赤紫色の頭花を咲かせる。総苞片は開出。
こんな花を以前見たことがあり葉形を思い出した。
スイス・ルツェルン州のピラトゥス山山麓で見た花である。
“ピラトゥス山”は、思い出の名。北八ヶ岳に北八ヶ岳ロープウエイがある。
八ヶ岳の北端に位置する北横岳と縞枯山の間に架かるロープウエイ。
開設当初は、ピラタスロープウエーと言っていた。
スイスの ピラトゥス山の景観に似ている、と付いた名と聞いている。
工事中には黒曜石がかなりの量、出てきたのを見ている。
営林局のバイトをしていて目撃した。
そんなことで本場を散策しによったことがあり、色々花とであった。
若いロゼット葉を見かけて印象深く覚えていた。それに似ていた。
撮影しにくい場所。再度見に行って撮影・観察してみたい。
「令和陸年(皇紀2684年)10月17日」