《雅羅・/・襍〝備忘録24-31〟❖ ’24-270 ❖》

サワヒヨドリ(沢鵯) キク科(... サワヒヨドリ(沢鵯) キク科(Asteraceae/Compositae)   

学名:Eupatorium lindleyanum DC. var. lindleyanum
サワヒヨドリは日本全国、東南ア... サワヒヨドリは日本全国、東南アジアに分布。

山間の湿原周辺とかやや湿った草原などに自生。

草茎は直立し、草丈50cm前後になる。

茎の上部の葉は、2枚が対生する事が多いが、

生育の良い個体では1カ所から3枚づつ出て

あわせて6枚の対生とか輪生のように見える。

葉は、長さ6~12㎝、幅1~2㎝の狭長楕円形。

鈍頭、葉の縁に不揃いな低い鋸歯があり、ほぼ無柄。

葉脈は、明瞭で3行脈。葉の両面に曲がった毛が散生。

葉裏には、腺点が密生する。

花は8月から10月にかけて咲く。花色も色々。

淡い紅紫色・色濃いものからぼ白色のものまである。

頭花は5個の小花からなり、密な散房花序となる。

総苞は長さ約5㎜。総苞片は2列。だが変異が多い。

茎などに開出した長毛があるケブカサワヒヨドリ。

毛が多く、葉脈が5行脈であるのは海岸型のハマサワヒヨドリ。

葉の裏の腺点が無いものはホシナシサワヒヨドリ。

葉が3全裂し、6個の輪生様なミツバサワヒヨドリ。

また、ヒヨドリバナとの交雑種は、実に多い。

交雑種はミツバヒヨドリバナと云われている。

ヒヨドリバナに近いもの(ヒヨドリバナのようで3行脈がある。)、

サワヒヨドリに近いもの(サワヒヨドリのようで葉柄が明瞭。)、

ヒヨドリバナに比べて全体に小型で花の色が暗紅紫色を帯びる、

葉形が小型で鋸歯が鈍い点などで区別できるが、

鋸歯が明瞭なものや葉の先端がヒヨドリバナのように尖っている、

中間型も多く、交雑種とされている。

ヒヨドリバナは草丈が高く、ススキ草原に適応した種。
近寄り花を観ると、繊細な踊り姿... 近寄り花を観ると、繊細な踊り姿に見える。

サワヒヨドリは湿原の周辺などに見え草丈は、余り高くならない。

強い日照の下、生育する姿に適応性を観る。







《 高原の秋花〝沢鵯〟 ❖ 9月~10月上旬 ❖  》
**神奈川県植物誌** (1a...
葉形をしっかりと覚えないと判別... 葉形をしっかりと覚えないと判別できない。



身近な所では、未だ見つけていない草本。

非公開な場所に自生しているかもしれない!?!





「令和陸年(皇紀2684年)9月26日、記」
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《雅羅・/・襍〝備忘録24-30〟❖ ’24-269 ❖》

タカクマヒキオコシ(高隈引起し... タカクマヒキオコシ(高隈引起し) シソ科 (Lamiaceae /Labiatae)   

学名:Rabdosia shikokiana (Makino) H.Hara var. intermedia (Kudo) H.Hara


タカクマヒキオコシ(高隈引起し... タカクマヒキオコシ(高隈引起し);多年草

山地の林内、林縁、在来種(日本固有種)本州(福島県以西の太平洋)、四国、九州で自生。

低地~山地の木陰や林縁などに生える茎高40~80cmの多年草。

葉は長さ5~13cmの広披針形~長卵形で先は尖り鋸歯がある。

9~10月、上部に総状花序を出し、淡青紫色の小さな花を多数つける。

イヌヤマハッカと酷似しているが、葉裏の中脈は無毛。

花柄や萼に微細な腺毛があり、萼歯の先端が細長くなる。

イヌヤマハッカは箱根二子山(標高1,091m)の山頂付近が基準産地。

ブナ帯の林内、林縁に生え太平洋岸では標高1000m付近以上に分布する。

葉の主脈上には微細な白毛がありイヌヤマハッカに見えるが、

花柄の微細な毛が腺毛であることでタカクマヒキオコシと識別する。

葉表の脈には開出毛があり、採取して時間が経つと曲がる。

葉裏の中脈上には微細な屈毛がある。

屈毛はルーペではほとんどわからず、無毛に見える。

毛の量は変化があり、非常に少ないものもある。

花柄や萼に長さ0.03~0.08㎜の腺毛が密生し、花冠にも腺毛がある。

萼歯の先端は細長い。花冠は最も長いものが9.5㎜である。

茎は4稜形、下向きの毛がある。葉は対生し、葉柄は長さ0.5~3㎝。

葉身は長さ3~10㎝、幅1~3㎝、披針形~広披針形、時に長卵形~卵形。

先は尖り基部は楔形、翼状になり葉柄へと続く。

葉表は無毛~有毛があり、葉裏の中脈は無毛、腺点は不明瞭。

花は茎頂の総状花序に多数つく。

花柄や小花柄には微細な腺毛が密生。苞は長楕円形~広披針形。

萼は微細な腺毛があり、2唇形、萼歯の先端が細長い。

上側の3裂する萼歯の方が下側の萼歯より短い。

花冠は長さ8~10㎜、腺毛があり、青紫色、上唇は浅く4裂し、

班紋はなく、下唇の縁が内巻きになって舟形に突き出す。

雄蕊、雌蕊とも花冠より短くて突き出ない。果実は4分果。

イヌヤマハッカ(Isodon umbrosus)は、

花色は紫、葉は広卵形で先が尖り、上の花びらには縞模様がない。

ヤマハッカは低地の普通種、葉の幅が広く基部は急に細くなり花冠に濃紫色の班点がある。

コウシンヤマハッカはイヌハッカの変種、

カメバヒキオコシのように葉の先が3裂せず、

カメバヒキオコシと同じように葉幅が広く、4㎝以上ある。





《 高原の秋花〝高隈引起し〟 ❖ 9月~10月上旬 ❖  》
**神奈川県植物誌** (4)... **神奈川県植物誌**

(4)タカクマヒキオコシ Isodon shikokianus (Makino) H.Hara var. intermedius (Kudô) Murata

多年草.茎は高さ 50~80cm.葉柄は長さ 0.5~3cm,葉身は披針形または広披針形,長さ 3~10cm,幅 1~3cm,

下面の中肋は無毛.花は 8~10 月.花冠は長さ 8~10mm で青紫色.

花柄や萼筒部基部付近に微細な腺毛がある.

本州(福島県以西の太平洋側),四国,九州に分布する.

県内では箱根仙石原の湿った樹林内や林縁に生える.

基準変種のミヤマヒキオコシ var. shikokianus は四国の山地に分布する.『神 RDB06』では絶滅危惧Ⅱ類にされた.

(5a)イヌヤマハッカ Isodon umbrosus (Maxim.) H.Hara var. umbrosus; Plectranthus inflexus (Thunb.) Vahl ex Benth. var.

umbrosus Maxim. in Bull. Acad. Imp. Sci. St.Petersb. 20(3): 453 (1875) の基準産地は箱根。

多年草.茎は高さ 60~80cm.葉柄は長さ 0.5~2cm.葉身は長楕円形または披針形,長さ 3~10cm,幅 1~3cm.

上面に軟毛が生え,葉面中肋に曲がった毛が生える.花は 9~10 月.

花柄に開出する毛が密生し,萼筒には微細な短毛とまれに腺毛がある.

花冠は長さ 8~9mm で青紫色.

本州(関東地方西南部~中部地方東南部)に分布する.

県内では箱根,丹沢,小仏山地に分布し,ブナ帯の樹林内や林縁に生える.

白花品はシロバナノイヌヤマハッカform. albiflorus Tuyama in J. Jpn. Bot. 27(11): 340 (1952) といい,

箱根二子山山頂付近が基準産地である.秦野市や山北町で採集されている.

淡紅色品はウスイロイヌヤマハッカ form. lilacinus Asai in J. Jpn. Bot. 42: 201 (1967) といい,

箱根神山付近が基準産地.


葉の形等、よくよく観察しないと... 葉の形等、よくよく観察しないと。慎重にじっくりと観察あるのみ。





「令和陸年(皇紀2684年)9月25日、記」
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《雅羅・/・襍〝備忘録24-29〟❖ ’24-268 ❖》

ツクバトリカブト(筑波鳥兜) ... ツクバトリカブト(筑波鳥兜) キンポウゲ科(Ranunculaceae)

学名:Aconitum japonicum Thunb. subsp. maritimum

(Tamura et Namba) Kadota var. maritimum 

(A. momosei, A. rectissimum, A. tsukubense)  
ツクバトリカブト(筑波鳥兜);... ツクバトリカブト(筑波鳥兜);

東北地方~関東地方の太平洋側、長野県に自生地がある。

鳥兜の名は、花の形が舞楽用鳳凰の頭を形どった冠に似ており、

筑波山で発見されたのでツクバの名を冠した。

トリカブト類は言わずと知れた全草が猛毒な植物。

特に塊根の毒性が強く、古くは毒矢の材料として利用された。

一方では薬用としても用いられてきた。

変異が大きく、また交雑しやすいので分類が難しい。

関東地方の低地~丘陵地では主に本種が見られる。

北限は青森県南部。

塊根は円錐形~紡錘状円錐形。

栄養繁殖体(子根)を残すが母根は1年で枯れて消失する。

そのことで、擬似1年草といわれている。


茎は草原では直立、林縁では斜上... 茎は草原では直立、林縁では斜上または先端部が曲がり高さ0.6-1.5mになる。

茎は下部を除いて屈毛がある。

葉は互生、中部の茎葉はやや厚く、長さ幅とも9-20cmで3全~深裂。

側裂片はさらに2中裂するがしばしば2深裂する。

それ故、初めから5裂しているように見えるものもある。

各裂片には浅裂状の粗い鋸歯があり、

鋸歯は長楕円状卵形で鋭頭またはやや鈍頭。

両面と葉柄に屈毛がある。

花序は散房状で花柄に屈毛があり、花は上から咲いていく。

花は青紫色、長さ3-4cmで外面に屈毛がある。

萼片は5個あって花弁状。頂萼片は僧帽形で嘴はやや短い。

2個の側萼片はほぼ円形~倒卵形、2個の下萼片は楕円形~長楕円形。

花弁は2個で頂萼片の内側に隠れ、身部の中程で長い柄につきイの字形になる。

柄の付着点より先は距となって蜜を出す。距は短く太い。

雄蕊は開出毛があって多数。雌蕊は5-4個で無毛。

果実は袋果で花柱は果時にも残る。

種子は多数で鱗片状の横ひだがある。花期:8-10月





《 里緑地(里山)の秋花〝筑波鳥兜〟 ❖ 9月~10月上旬 ❖  》
**神奈川県植物誌** (3b...
横須賀市追浜の鷹取山は、ツクバ... 横須賀市追浜の鷹取山は、ツクバトリカブトの観察場所。

思い出すと親たちとニリンソウを食材として摘みに行った。

そんなおりトリカブトの若葉との見分け方を教わった。

ニリンソウは白い花を付ける。白い花を確認して摘む、と。





「令和陸年(皇紀2684年)9月24日、記」
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《雅羅・/・襍〝備忘録24-28〟❖ ’24-267 ❖》

フクオウソウ(福王草) キク科... フクオウソウ(福王草) キク科(Asteraceae)    

学名:Nabalus acerifolius Maxim. 



本州~九州に自生。山地の薄暗い林内に生える。

和名は三重県の福王山で発見された事に由来。

茎や萼、全体に腺毛がある。葉は互生、翼があり長い柄につく。

葉は長さ幅とも6~10㎝、掌状に3~7裂し、基部は心形。

細長い花序の花柄の先にまばらに頭花を下向きにつける。

頭花は長さ約2㎝、幅1~1.5㎝、9~13個の舌状花が集まる。

舌状花は紫白色、灰色の縦線模様がある。

総苞は長さ約10㎜の細い筒形。痩果は無毛。

冠毛は鈍い白色~褐色を帯びる。


晩夏の頃から初秋に、山地の林下... 晩夏の頃から初秋に、山地の林下で時々出会う花。

花が目を引くので根元にある葉に目が行かないが、

大きく切れ込んだ形、葉も中々にみごたえがある。


花弁の倍近い長く伸びた雄蕊は特... 花弁の倍近い長く伸びた雄蕊は特徴的である。







《 里緑地(里山)の秋花〝福王草〟 ❖ 9月~10月上旬 ❖  》
**神奈川県植物誌** 24....


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《雅羅・/・襍〝備忘録24-27〟❖ ’24-266 ❖》

オクモミジハグマ(奥紅葉白熊)... オクモミジハグマ(奥紅葉白熊) キク科(Asteraceae)

学名:Ainsliaea acerifolia Sch. Bip. var. subapoda Nakai
オクモミジハグマ(奥紅葉白熊)... オクモミジハグマ(奥紅葉白熊);モミジハグマ属

本州、九州(北部)の山地~深山の林床・林縁などに生える。

茎高40~80cmの多年草。茎には、長毛がまばらに生える。

葉は4〜7個が茎の中部にやや輪生状につき、腎心形または円心形。

長さ5〜13cmの長い柄があり、掌状に浅裂する。

縁には鋸歯があり両面にまばらに軟毛をつける。

茎は枝分かれせず、先に穂状に頭花をつける。

葉は茎の中央部に集まって互生する。

下の葉ほど葉柄は長く、葉柄の基部は赤味を帯びる。

葉は、4枚前後が茎の中部にやや輪生状につき、

軟毛のある長さ5〜13cmの長い柄があり、

腎心形または円心形で長さ6〜12cm、幅6〜18cm、

掌状に浅裂し、質は薄く、縁には鋸歯があり、

両面にまばらに軟毛をつける。楕円形の大きな蕾。

総苞片が鱗状に重なり合っていて目立つ。

花は他のキク科の多くの花と同様に、

初めは雄性期で後に雌性期になる。

開花直後、雌蕊は、筒状の雄蕊の中に隠れている。

突き出た雄蕊だけが見えている花が雄性期で、

雄蕊の先から2つに裂けた柱頭が見えている花が雌性期。

花の構造は木本のコウヤボウキに似る。

頭花は多数が穂状につき、花時には横向きとなり、

花柄は長さ2mmほど、小さい苞がある。

小花は3個あり、花冠は白色でふつう5裂し、左右相称。

総苞は筒形で長さ1.2〜1.5cm、総苞片は多列に並び、乾いた膜質。

外片は広卵形でごく短く、内片は長楕円形で長く幅2〜3mm。
花期は8〜10月。 モミジハグ... 花期は8〜10月。

モミジハグマは近畿地方以西に分布、葉が掌状に深く5~7裂する。

テイショウソウは、本州(千葉県以西~近畿地方)四国に分布する。

葉は長さ10~15㎝、長楕円形~鉾形、心脚、

表面に淡色の班紋が入り、波状の鋸歯縁。葉柄は短い。









《 里緑地(里山)の秋花〝深山鶉〟 ❖ 9月~10月上旬 ❖  》
**神奈川県植物誌** 4.モ... **神奈川県植物誌**

4.モミジハグマ属 Ainsliaea DC.

(佐々木あや子,『神植誌 01』:大場達之,図:佐々木あや子)

多年草.

葉は根生してロゼット状または,茎の下部から中部に輪生状につき.長い柄がある.

頭花は総状,穂状,円錐状につく.頭花は3個の筒状花から成り,ときに閉鎖花になる.

総苞は細い筒状で,総苞片は多列.花冠は5裂して,裂片は反り返る.

痩果は縦肋があり,1 列の羽毛状の冠毛がある.

東アジアと東南アジアに約 50 種があり,日本に約 8 種,県内に 3 種がある.

A.葉柄は葉身より長い

B.茎は高さ 40~80cm.葉は腎形で掌状に浅く裂け,長さ 6~12cm

(1)オクモミジハグマ

B.茎は高さ 10~25cm.葉は 5 角形で長さ 1~3cm

(2)キッコウハグマ

A.葉柄は葉身より短い.葉は長楕円形で心脚

(3)テイショウソウ

(1)オクモミジハグマ Ainsliaea acerifolia Sch.Bip. var. subapoda Nakai

 頭花は穂状につき,短い柄があって,横向に咲く.

痩果は長さ 9.5mm,冠毛は長さ 10mm.

本州,九州(北部);朝鮮,中国に分布.

ブナ帯下部~ブナ帯の夏緑林の林床に生え,稀にシイ・カシ帯に見られる.



オクモミジハグマは,西日本に見えるモミジハグマが基本種と云われるが、

二種間をはっきりと識別できないでいる。

身近(平地)で見れないだけに最近は、自生地を訪れていない。

県内自生地が保存されていることを祈りたい。





「令和陸年(皇紀2684年)9月22日、記」


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《雅羅・/・襍〝備忘録24-26〟❖ ’24-265 ❖》

ミヤマウズラ(深山鶉) ラン科... ミヤマウズラ(深山鶉) ラン科(Orchidaceae)

学名:Goodyera schlechtendaliana Reichb. fil.
ミヤマウズラ(深山鶉); 北海... ミヤマウズラ(深山鶉);

北海道(中部)、本州、四国、九州、屋久島に分布。

谷沿い、丘陵地~山地の林床などに生える。

草丈20cm程の常緑多年草の在来種。

茎は地を這い節ごとに根を出し途中から立ち上がる。

地面近くに常緑の葉を約5枚つける。

葉は互生。長さ3~5cmの先の尖った卵形。

葉脈に沿って白色の斑が入るが、模様は色々。

葉裏は模様が目立たない淡緑色。

花茎の上部に穂状に5~10個、片側に向いて咲く。

薄い淡紅色を帯びた1cm程の花。

花柄には細かい毛が密生している。

名前の由来は、深山にありそうなので「ミヤマ」。

「ウズラ」は、葉がウズラ斑紋に似ている事から。

葉に白班がないものをフナシミヤマウズラという。

同属のシュスランは葉の表面がビロード状で光沢があり、

主脈に沿う1本の白線の帯が目立つ。




花構造。 ** 以上の画像は借... 花構造。

** 以上の画像は借り物 **







《 里緑地(里山)の秋花〝深山鶉〟 ❖ 9月~10月上旬 ❖  》
**神奈川県植物誌** シュス...
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《雅羅・/・襍〝備忘録24-25〟❖ ’24-264 ❖》

タチフウロ(立風露)   フウ... タチフウロ(立風露)   フウロソウ科(Geraniaceae)

学名:Geranium krameri Franch. et Savat.
タチフウロ(立風露); タチフ... タチフウロ(立風露);

タチフウロは、山地の草地・林縁に生える多年草。

中部地方~東北地方、四国、九州に分布。茎高30~70cm。

茎や葉柄に下向きの毛がある。根茎は垂直、直径5~12mm。

疣状(イボ)突起はない(節から根を出さない)。

長く肥厚した根が束生する。後ろ向きの伏毛か開出毛がある。

根生葉は花時にも少し残り、長い葉柄がある。

茎生葉には葉柄はほとんどない。

葉は対生し掌状に5~7裂、 裂片は更に細裂し、

表面や裏面脈状に粗毛がある。

 茎の上部や枝先から長い花序柄を立ち上げ、

先端に2個の5弁花を咲かせる。

花弁は淡紅紫色で濃紅紫色の脈が入り基部には白毛がある。

雌蕊の先は5裂する。雄蕊は10個。

タチフウロの花を観察してると、

雌蕊の先が閉じ柱頭先の花粉が付く面を見せていない状態で

雄蕊が先に成熟している雄花状態のもの。

雌蕊柱頭が5裂し花粉を受ける面を開き雄蕊が落ちた雌花状態。

色々な状態のものがあり、しっかりと観察しないといけない。

同属の似た種類も覚えていないといけないだろう。

* アサマフウロは花が大きく、花弁の色が濃い。

* ハクサンフウロは花弁の幅がやや狭いことが多く、

  脈の色がやや薄い。

*イブキフウロはエゾフウロの変種であり、

 花弁の先が3浅裂する。
タチフロウの葉、見ごたえある。... タチフロウの葉、見ごたえある。



* 以上の画像は、借り物 *





《 里緑地(里山)の秋花〝立風露〟 ❖ 9月~10月上旬 ❖  》
**神奈川県植物誌** タチフ...


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《雅羅・/・襍〝里緑地の花Ⅶ〟❖ ’24-263 ❖》

シロバナサクラタデ(白花桜蓼)... シロバナサクラタデ(白花桜蓼)タデ科(Polygonaceae)

学名:Persicaria japonica (Meisn.) Nakai

synonym Persicaria sterilis (Nakai) Nakai et Ohki

別名:コサクラタデ、ヒメサクラタデ
花はサクラタデPersicar... 花はサクラタデPersicaria odorata (Lour.) Sojak subsp. conspicuaに良く似ているが、

小さく真っ白で、桜蓼より花序枝が多く先が垂れ下がる事が多い。

花序の節当りの花数が2~3個なら桜蓼、4~6個なら白花桜蓼。

白花桜蓼は、痩果に光沢がある。

多年草、根茎が水平。茎は直立、茎高50~100㎝になり無毛。

時にまばらに小剛毛があり茎は高く枝分かれ節が膨らむものがある。

葉柄は短いか又は無柄に近い。葉身は披針形で長さ7~15㎝×幅1~2㎝。

葉は、薄革質で先は尖鋭形、基部は楔形。

葉縁付近や脈上に伏毛があり毛長は0.7㎜以下、下面に腺点がある。

托葉鞘は、筒形で濃褐色。長さ10~18㎜で膜質。

伏せ剛毛があり先は切形、縁毛は長さ1~1.2㎝。

花序は1~5本に分枝し細長く先が垂れ下がることが多い。

花序柄が長く、小苞の先に毛がある。

花被は長さ3~4㎜、白色、5裂まれに4裂し、腺点がある。

花は雌雄異株ではなく、異形花柱性(平塚・中尾 1996)、

短花柱花と長花柱花の2形がある。

短花柱花は雌蕊の長さ約2.4㎜、雄蕊の長さ4.3㎜、雄蕊が花被より突き出る。

長花柱花は雌蕊の長さ約4.3㎜、雄蕊の長さ約2.4㎜、雌蕊が花被から突き出る。

雄蕊は6個まれに7~8個。花柱は2、稀に3分岐する。

痩果は長さ約2.5㎜、レンズ形が多く、3稜形が混じり、黒色、光沢がある。

サクラタデは花被が長さ5~6㎜と大きく、淡紅色、花被が深裂する。

又、痩果は3稜形のみで光沢が少ない。ボントクタデは花が小さく花序も細い。

シロバナサクラタデと花や托葉鞘がほとんど同じであり葉が被針形でない。

花はサクラタデPersicaria odorata (Lour.) Sojak subsp. conspicuaに良く似ているが、

小さく真っ白で、桜蓼より花序枝が多く先が垂れ下がる事が多い。

花序の節当りの花数が2~3個なら桜蓼、4~6個なら白花桜蓼。

白花桜蓼は、痩果に光沢がある。

多年草、根茎が水平。茎は直立、茎高50~100㎝になり無毛。

時にまばらに小剛毛があり茎は高く枝分かれ節が膨らむものがある。

葉柄は短いか又は無柄に近い。葉身は披針形で長さ7~15㎝×幅1~2㎝。

葉は、薄革質で先は尖鋭形、基部は楔形。

葉縁付近や脈上に伏毛があり毛長は0.7㎜以下、下面に腺点がある。

托葉鞘は、筒形で濃褐色。長さ10~18㎜で膜質。

伏せ剛毛があり先は切形、縁毛は長さ1~1.2㎝。

花序は1~5本に分枝し細長く先が垂れ下がることが多い。

花序柄が長く、小苞の先に毛がある。

花被は長さ3~4㎜、白色、5裂まれに4裂し、腺点がある。

花は雌雄異株ではなく、異形花柱性(平塚・中尾 1996)、

短花柱花と長花柱花の2形がある。

短花柱花は雌蕊の長さ約2.4㎜、雄蕊の長さ4.3㎜、雄蕊が花被より突き出る。

長花柱花は雌蕊の長さ約4.3㎜、雄蕊の長さ約2.4㎜、雌蕊が花被から突き出る。

雄蕊は6個まれに7~8個。花柱は2、稀に3分岐する。

痩果は長さ約2.5㎜、レンズ形が多く、3稜形が混じり、黒色、光沢がある。

サクラタデは花被が長さ5~6㎜と大きく、淡紅色、花被が深裂する。

又、痩果は3稜形のみで光沢が少ない。ボントクタデは花が小さく花序も細い。

シロバナサクラタデと花や托葉鞘がほとんど同じであり葉が被針形でない。






*神奈川県植物誌* サクラタデ... *神奈川県植物誌*



サクラタデ Persicaria odorata (Lour.) Soják subsp. conspicua (Nakai) Yonek.;

P. conspicua (Nakai) Nakai ex Ohki

多年草.根茎は長く地中をはい節から根をだす.茎は高さ 50~100cm になり,

葉は披針形で,長さ 5~12cm,幅 1~2cm,先は鋭尖形,

基部はくさび形になり,両面の中脈と葉縁にやや硬い毛がある.

茎は節がふくらみ,托葉鞘は褐色で,長さ 7~15mm,縁毛は長さ 4~7mm.

花期は 8~10 月.花序枝は 1~3 本で 2 本のものが多い.

花被は淡紅色で深く 5 裂,長さ 5~6mm で,腺点がある.

シロバナサクラタデとともに,雌雄異株とされていたが,

異型花柱性で長花柱花をつける株と短花柱花をつける株があり,

両者が混生しないと結実しない(平塚・中尾 1996 植研 71: 98-104).

花柱は 3 裂.果実は 3 稜形で長さ約 3mm,黒色で先端が尖る.

本州(関東地方以西),四国,九州,琉球;朝鮮に分布.

湿地や小川沿いに生える.

白花品をシロバナハナサクラタデ form. albiflora (Hiyama) Yonek. といい,

P. conspicua form.albiflora Hiyama in J. Jpn. Bot.,

37: 29 (1962) の基準産地は横須賀市浦賀付近(1936 牧野富太郎).

『神植誌 88』では,花の長さ 3~4mm,果実の長さ 2~2.5mm と,

サクラタデより小さいものを,ヒメサクラタデ

P. japonica (Meisen) H.Gross var. micranthum (Nakai) Sugim.

としたが,花の大きさには中間を含めて変異があり,区別できない.

(19)シロバナサクラタデ Persicaria japonica (Meisn.) Nakai ex Ohki

 多年草.茎は 60~100cm になり節はふくれる.葉は披針形で鋭尖頭,

基部はくさび形となり,長さ 7~16cm,幅 1~2cm,脈上や葉縁に伏毛がある.

托葉鞘は長さ 10~18mm,縁毛は約 10mm.花期 8~10 月.

花は白色で総状花序につき,

花序枝は 1~5 本で,4 本のものが多く.サクラタデの花序より多い.

花被は 5 裂して長さ 3~4mm,腺点がある.

異型花柱性で,長花柱花では雌しべが雄しべより長く,短花柱花では逆になる.

花柱は 2~3 裂するものがあって,

果実はレンズ形と 3 稜形があり,黒色で,サクラタデより光沢が強い.

短花柱花をつける株の方が多く見られる.

北海道,本州,四国,九州,琉球に分布.

県内では沖積地から丘陵地にかけて,湿地や休耕田で見られる.
神奈川県内に自生しているシロバ... 神奈川県内に自生しているシロバナサクラタデの場所。

未だに自生しているところは、多い。但し、2018年前のこと。

現在(2014年)はどうだろう・・・自生地??







《 泉の森・こもれび広場〝白花桜蓼〟 ❖ 2024/9月上旬 ❖ 》
泉の森にある水車小屋。その脇に... 泉の森にある水車小屋。その脇にある湿地にシロバナサクラタデが静かに自生している。

結構群生かしているが、ボランテイアの人々が管理努力されている。

植物と人間の共生、そのあり方を見せてくれてる。
少し離れたところからでないと見... 少し離れたところからでないと見れないが、可愛い花だ。
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《雅羅・/・襍〝里緑地の花Ⅵ〟❖ ’24-262 ❖》

イボクサ(疣草) ツユクサ科(... イボクサ(疣草) ツユクサ科(Commelinaceae)

学名:Murdannia keisak (Hassk.) Hand.-Mazz.

Aneilema keisak (Hassk.) Hand.-Mazz
イボクサ(疣草); 水田でよく... イボクサ(疣草);

水田でよく見られる野草。在来種 本州、四国、九州、沖縄に分布。

和名の由来は葉の汁をつけるとイボがとれることから。
茎は赤味を帯び片側に毛条があり... 茎は赤味を帯び片側に毛条があり、よく分枝し下部は地を這い上部が斜上する。

葉は長さ3~7㎝幅5~10㎜の狭披針形で、ツユクサより狭く葉の数も少ない。

葉の基部は鞘状になる。
花は直径約13㎜、茎頂に1個ず... 花は直径約13㎜、茎頂に1個ずつつく。

内花被片(花弁)は3個長さ5~8㎜の白色で先が淡紅色。

外花被片(萼片)も3個、長さ5~6㎜で緑色、

周囲が上へ曲がり内側が窪み外面の先に毛がある。





《 畦地の秋花〝疣草〟 ❖ 9月~10月上旬 ❖  》

雄蕊6個、うち紫色の3個は仮雄ずい。葯は青色。

花は1日でしぼみ、花後に外花被が大きくなって蒴果を包む。

蒴果は長さ8~10㎜の楕円形、3室に分かれ、熟すと裂開する。

種子は長さ2~3㎜、各室1~2個。

*     *     *

イボクサ(疣草)、稲刈り間近の水を抜かれた田圃によく出てくる。

水稲(すいとう)農家から見ると邪魔もので駆除対象。

稲刈り前に駆除作業が行われるので、余り目にすることはない。

田圃や農業用水路にイボクサ(疣草)を以前見た事がある。

野草としてみると可愛いものである。一日花!!らしい。

観察するのは昼間。休耕田に見ることができる。



「令和陸年(皇紀2684年)9月18日、記」


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《雅羅・/・襍〝備忘録24-24〟❖ ’24-261 ❖》

ヒメシロネ(姫白根) シソ科(... ヒメシロネ(姫白根) シソ科(Lamiaceae)

学名:Lycopus maackianus (Maxim.) Makino

Lycopus lucidus Turcz. ex Benth. var. maackianus Maxim. ex Herder


ヒメシロネ(姫白根); ヒメシ... ヒメシロネ(姫白根);

ヒメシロネは北海道から九州に分布する多年草。

地下茎があり、茎高30~70cm。

やや富栄養な湿地によく生育し、湿原の周辺、

開けた谷、山間の放棄水田などに生育する。

茎は四角で直立し、中間でやや分岐する。

シロネに似ているが、葉が細い。

葉は対生、厚めで長さ4~8㎝、幅.5~15㎜の披針形。

縁に鋭い鋸歯があり、無柄、基部は急に幅が狭まる。

楔形にはならず、葉裏には密に腺点がある。

8~10月、 葉腋に白い小さな唇形花が纏まってつく。

仲間にシロネ、コシロネ、エゾシロネ等がある。

花は直径約5㎜。

花冠は上唇の中央が浅くくびれ、下唇は3裂する。

下唇には赤紫色の斑紋があることもある。

萼片の先は刺状に尖る。果実は4分果。

類似のコシロネは草丈が低く、葉の幅が広い。

葉の基部がはっきり楔形となる。

シロネはヒメシロネとよく似ているが、

高さが1m以上にもなる大型。

茎も直径3㎜以上と太く、葉の幅が15㎜以上ある。


《 里緑地(里山)の秋の花〝蔓... 《 里緑地(里山)の秋の花〝蔓桔梗〟 ❖ 9月~10月上旬 ❖  》

**神奈川県植物誌**

ヒメシロネ ;

細長い匐枝をもつ.

葉の基部が急に狭くなって茎につき,くさび型にならない.

北海道、本州、四国、九州に分布.

丘陵地の湧水地や山地の池沼,湿地に生える.

県内では丘陵谷戸や箱根仙石原などに分布するが少ない.

シロネ Lycopus lucidus Turcz. ex Benth. 高さ 100cm 以上になる大型草本.

白く肥厚した地下茎をもち,茎は分枝しない.

北海道,本州,四国,九州;東アジア,北アメリカに分布.湿地に生える.

県内では横須賀市阿部倉町で採集された古い標本のほか,

1950 年ごろに川崎市向丘で多数を目撃した記録(神 RDB95)がある.

『神植目 33,神植誌 58』では産地を記載せずに登載.

『神RDB95,神 RDB06』では絶滅とされた.

茎や葉の下面に毛があるものをケシロネ form. hirtus (Regel) Kitag. といい,

『箱根目 58』に箱根仙石原の記録があるが,標本は未確認.

標本:横須賀市阿部倉町 1966.7.21 小板橋八千代 YCM-V015234.

*    *

ヒメシロネ(姫白根)と言えば、尾瀬等の山岳地で見れるものと思ってきた。

所がごく身近のところでも見ることができていた、とメモが出てきた。

昨日のブログでも記した様に三浦半島は、興味深い環境だ。

標高100mにも満たない平地環境でも山地の植物が自生している。

神奈川県の植物誌で確認できた。今の状況は、不明だが。

環境変異で、植物が消えて行く。いかんともしがたい。

シロネにしても今や見ることはできない。

神奈川県内では高度経済成長期の昭和40年(1965)頃に絶滅。

自然保護、そんな言葉が大きく語られる様になった時代でもあった。



「令和陸年(皇紀2684年)9月17日、記」






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