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くまごろうのひとりごと

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ゴルフ
今年も11月1日にDaylight Saving Timeから標準時に戻り、ゴルフシーズンは終わる。USGAによるゴルフスコアのポスティングも11月15日をもって終了し、来年2月末まではこの地域でラウンドしたスコアは登録されない。

今年のくまごろうのUSGAハンディキャップインデックス(GHIN)は17.3で始まった。昨年11月3日のブログルでは16.8でシーズンを終えた、と書いたが、その後11月15日に17.3が示されたので、16.8は正確ではなかったことになる。

シーズン初めは例年のことながらスコアがまとまらずGHINは5月には18.4まで上昇し、その後やや持ち直したもののシーズン真っ盛りの夏に何故かバンカーショットがうまく打てなくなり、1回で出ないことが頻発して9月15日には今シーズン最悪の19.4を記録した。そのためバンカーを集中的に練習し、別にスウィングを変えたわけではないのに以前のようにうまく打てるようになった。この練習の甲斐あって10月にはスコアも良くなりはじめ、11月15日には16.9で今年のGHINは終わった。

今年のシーズンを振り返ると、ドライバーショットは比較的安定しており、また2打目も悪くなく2打でグリーン近くまで来ていることが多かったように思える。一方スコアの悪い日はパーが少なく、ダブルボギーがいくつかあったりトリプルボギーを叩いたりしていることが多い。毎朝自宅で練習しているパットも今年は成果が上がっているようだ。来年はハーフでパーを3つ取ることを目標にしよう。そうすればかねてからの目標である15.0を達成することも夢ではなかろう。

シアトルでは来年3月頃までは雨が多く、気温も10℃以下となり、フェアウェイもかなりウェットではあるが、最近のレインジャケット、レインパンツ、レインシューズは高性能で快適であり、多少の雨などものともしない。寒さにめげず週1回のラウンドを重ね、来シーズンに備えるつもりである。
#スポーツ

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柚子

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鉢植えの柚子の木 鉢植えの柚子の木 直径が約50ミリの柚子の実 直径が約50ミリの柚子の実
2013年11月7日に柚子のことを書いてからほぼ2年が過ぎた。その年に13個の実をつけた鉢植えの柚子は屋外で越冬させたが、毎日日中は日なたに、夜は軒下に移してみたが、マーサーアイランドの冬の寒さには耐えかねたのか枯れてしまった。また露地植えしてあった柚子も枯れてしまった。

2014年春に新しい苗木を鉢に植えたが実はならなかった。冬の間は室内に移して大切に育てた結果、今年はゴルフボールより大きい直径約50ミリの実が15個なった。先週ひとつの実を採って洋子さんが柚子味噌を作り、ふろふき大根にかけて食したが、柚子の香りがとても良く美味であった。

もう少し大きくなって色付いたら友人などにも分けてあげるつもりだが、今年の冬は柚子を楽しめそうだ。次回はインターネットに出ていた大根と鶏肉の柚子味噌煮を作ってもらおう。
#園芸 #花

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くまごろうのサイエンス教室『New Horizonsと冥王星』

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New Horizons(NA... New Horizons(NASAより借用) New Horizonsで撮影... New Horizonsで撮影された冥王星(NASAより借用) New Horizonsで撮影... New Horizonsで撮影された冥王星(NASAより借用)
NASAは今年7月14日、2006年1月19日にCape Canaveralから打上げられた探査機『New Horizons』が冥王星の約12,500Km上空まで接近したことを確認し、同機が撮影した冥王星の写真を公開した。これまで人類が見てきた冥王星の写真は高性能な地上巨大望遠鏡やハッブル宇宙望遠鏡で撮影されたものだが、あまりにも遠くにあるためぼやけた画像であったのに対し、New Horizonsからの画像は極めて明瞭で、今後同機から送られてくるデータを解析することにより、冥王星がどのような物質でできているのか詳しくわかるだろう。

太陽から地球までの平均距離を1天文単位(1 AU)と称し、現在の定義では1億4,960万Kmであるが、冥王星は太陽から平均で約40AUも離れているため冥王星までの旅はきわめて長い。少しでも早く冥王星に到達するためにNew Horizonsは史上最速の秒速16.3Kmの対地球速度で打上げられた。このスピードを確保するために打上げロケットはAtlas V型ロケットに5基の補助ブースターが取付けられ、また探査機は軽量化されて総重量は465Kgしかない。因みに本年8月に打上げられた国際スペースステーションへの補給機である日本の『こうのとり5号機』の総重量はペイロード5.5トンを加えると約6トンであった。

宇宙探査機として史上最速で打上げられたNew Horizonsは木星付近を通過する際に木星の公転運動と重力を利用したSwing-byにより毎秒4Km加速して冥王星に向った。このSwing-byにより冥王星までの到達時間が約3年短縮されたと言われている。木星軌道を過ぎると太陽からの光が弱く、太陽光発電が十分機能しなくなる。そのためNew Horizonsは原子力電池を搭載しているが、エネルギー消費を節減するために冬眠状態となって半年に1度再起動と点検を繰り返して47億5,000万Kmもの距離を旅し、9年半かけようやくて冥王星の近くにたどり着いた。因みに原子力電池とはプルトニウムなどの放射性元素の原子核崩壊の際に発生するエネルギーを利用して発電するが、寿命が長いという特徴があるものの、打ち上げ失敗の際に放射性物質を撒き散らす恐れがあるため限定的に使用されており、これまでは木星軌道より外側の宇宙探査機だけに搭載されている。

New Horizonsには7種類の観測装置が搭載されており、可視光カメラの他にも地質や地形を観測する可視光赤外線撮像分光装置、大気の量や組成を調べる紫外線撮像分光装置、冥王星とその衛星のカロンの大気の温度、圧力、密度などの観測装置、冥王星から宇宙空間に放出される粒子線などの測定装置などが搭載され、蒐集された画像やデータは今後16ヶ月に渡って地球に送信し続けることになっている。New Horizonsは冥王星の周回軌道に入るためのエンジンを持たないため、冥王星の軌道を通過後、太陽系の外縁天体群であるエッジワース・カイパーベルトの天体を目指して飛行を続け、その天体を近くから観測する予定である。

冥王星に関する情報はこれから送信されてくるデータの解析を待たなければならないが、これまでにNew Horizonsによって新たに明らかになったことは冥王星の直径が2,370Km、衛星カロンの直径が1,208Kmであること、月のようにクレーターがたくさんあるのではという予想に反し、氷河が流れたような平坦な部分や3,500m級の山のような地形があること、冥王星の大気は地表から50Kmまでとその上80Kmまでの2層となっており、大気の成分はメタンが紫外線により分解されてできたエチレンやアセチレンではないかと思われること、冥王星の平均表面温度は零下230℃、水の氷らしきものや窒素や一酸化炭素でできた氷が存在するらしいこと、などである。

冥王星は太陽系の他の惑星とは異なり、太陽系惑星軌道面に対し17度傾いた軌道面を持っている。また水星、金星、地球、火星は中心に金属のコアを持つ岩石惑星、木星と土星は岩石と氷が主成分のコアのまわりに大量の水素ガスのある巨大ガス惑星、天王星と海王星は岩石が主成分のコアのまわりに厚い氷の層があり、その外側に水素の大気のある巨大氷惑星であるのに対し、冥王星は岩石のコアとこれをおおう氷の層でできている。太陽系の惑星は隕石のような微惑星が衝突を繰り返してできたと考えられているが、冥王星やエッジワース・カイパーベルトの天体は衝突が少なく、これらを詳しく調べることにより地球などの惑星成因の解明が期待される。
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PSP Inc. 9th Annual Invitational Golf

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12番ホールティーグラウンド 12番ホールティーグラウンド 1番ホールティーグラウンド 1番ホールティーグラウンド
昨日はPSP Inc. 9th Annual Invitational Golf Tournamentに参加し、楽しい一日を過ごした。昨年は都合がつかず不参加だったため、2年ぶりの参加となる。当日は晴天で気温は約30℃、絶好のゴルフ日和だ。コースは内倉さんとTinyさんのホームコースであるAldarra Golf Clubで、難しいコースだが、シアトル郊外のため遠くに山並みが見え、また一部のホールでは妙義山に似たMount Siの絶壁を望むことが出来、まるでリゾートの高原でラウンドしている雰囲気がある。

このコースは2012年以来のPSP Inc. Invitationalのコースであり、またそれ以外にも2012年に1度ラウンドさせていただいたが、スコアは48/54、49/49、48/50とあまり人様に見せられるようなものではない。くまごろうにとって、特に3番パ-5の谷を越さなければならないティーショット、13番パー3の狭い打ちおろしの210ヤードティーショット、18番パー4の2つの谷越えが印象に残っており、その中でも3番のティーショットについては何回打っても谷を越えられない悪夢を見るほど強く記憶に残っている。

今回は11番パー5からスタート。3打でグリーンのすぐ手前まで来たが、寄せがうまく行かずおまけに3パットでダブルボギー発進。続く12番もパー5だが下り坂、3打目100ヤードがやや短くてグリーン手前、まあまあの寄せだったがグリーンが読めず3パットでまたまたダブルボギー。問題の13番パー3はティーショットでグリーンまであと1インチのところに打てたが、グリーンが読めず3パットで残念なボギー。3連続3パットは正直落ち込む。14番パー4ダウンヒルドッグレッグ388ヤードは2打目がグリーン手前だったが寄せがうまく行って1パットのパー。15番パー3は197ヤードでティーショットは理想的だったが約2フィート不足してグリーン手前の深いバンカーへ。1打では出なくておまけに3パットでトリプルボギー。完璧なティーショットの結果がさんざんなスコアでくまごろうはがっくり。

問題の18番パー4、ティーショットは完璧ではないものの最初の谷は軽く越えてまずまずだったが、そこからグリーンまでは残り200ヤード、キャリーで175ヤードないと2番目の谷を越えられないと思い、140ヤード地点まで刻み、3打目でピンから15ヤード位につけた。最初のパットはやや大きすぎ2パットのボギーは上出来だ。

1番ホールは打ち下ろし384ヤード、ティーショットはバンカーやや右の残り165ヤード付近、2打目はわずかにグリーンに届かなかったが寄せが完璧でピンまで3フィート程、パーが取れた。最難関の3番パー5打ち上げ530ヤードはよく見る悪夢とは異なりティーショットで難なく谷越え、2打目、3打目までは順調だったが寄せでヘマをしたのでボギーだがこのホールとしては悪くない。

18ホールをラウンドしてのスコアは48/50。過去と比較して全く変りばえしない平凡なスコアとなってしまった。反省すれば、あまりにも多い3パット、寄せの失敗、バンカーショットの失敗など、小技に改善の余地が集約されているように思われる。これからはもっとショートゲームやパットの練習に打ち込まなければならないと自覚した一日であった。ラウンドの後はクラブハウスでのディナーパーティ、美味しい料理と今日ラウンドを共にした戦友たちとの楽しい語らいで19番ホールを大いにエンジョイした。

PSPの皆さん、今年もAnnual Invitational Golf Tournamentをすっかり楽しませていただき有難うございました。PSPの一層のご発展を心よりお祈りしています。
#スポーツ

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くまごろうのサイエンス教室『地球のいとこKepler 452b』

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地球とKepler 452bの... 地球とKepler 452bの想像図(Wikimedia Commonsより借用)
NASAは7月23日、2009年に打上げられたケプラー天体観測衛星を使って地球に最もよく似た惑星Kepler 452bを発見したと発表した。はくちょう座の方向約1400光年離れた所にあり、半径は地球の約1.6倍、組成はまだわかっていないが岩石惑星の可能性が高く、地球にとっての太陽にあたるKepler 452の周りを385日かけて公転している。

ケプラー天体観測衛星は地球と同じような環境にある太陽系以外の惑星の探査を行ってきたが、これまでは地球から600光年離れたKepler 22bが水の存在しうる唯一の惑星と言われてきた。今回の発見では、太陽と似た恒星であるKepler 452からの距離が液体の水が惑星表面に存在しうるハビタブルゾーンにあたり、水や生命の存在が期待されるという。しかし太陽系は誕生してから約46億年だがKepler 452系は誕生後約60億年経っており、そのためKepler 452bはKepler 452より太陽から地球が受けるよりも約10%多いエネルギーを受取っているので、水や生命は過去に存在しても今は失われているかもしれない、という見方もある。いずれにせよKepler 452bを詳しく観察することにより、今から15億年後の地球の姿を予測することが出来るかもしれない。

太陽系にも水のある星がある。木星の衛星であるユーロパは表面は厚い氷に覆われているが、氷の下に液状の海が存在し生物が生息している可能性があると言われている。また土星探査機カッシーニを使った調査により、NASAは2014年4月、土星の衛星のひとつであるエンケラドゥスには地下に液体の水でできた海があり、微生物が生息している可能性を示唆している。 
#受験 #外国語 #学校 #教育 #科学

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あじさい

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あじさい
日本では梅雨時の花であるあじさいがわがやでは今月初め頃から見ごろを迎えている。

バックヤードが一面つたで覆われており、その緑は目に優しいもののやや退屈なので10年以上前から直径15センチほどの鉢に植えられたあじさいを買ってバックヤードに植えてきたが、毎年買い足していったら今年はこの写真のようになった。ほとんどのあじさいは手毬あじさいで、1株だけがくあじさいが植えてある。

くまごろうにとってあじさいの名所といえば鎌倉の明月院を思い出すが、ちかごろでは全国各地にあじさいを売りにする神社仏閣が増えているようで、それらはニュースなどにもよく登場する。あじさいはくまごろうでも簡単に植栽出来るので、それらの場所ではきっとお手軽な植木なのだろう。

写真のあじさいの上の方に見える赤紫の木は2009年に植えた日本のもみじ(Emperor Japanese Maple)だが、6年経ってもあまり大きくならない。とは言え幹は直径2センチほどだったものが今では5センチほどになっている。1990年に訪れた金閣寺の参道にはみごとなもみじがたくさんあったことを思い出すが、もみじをあのような巨木に育てるには長い年月と十分な手入が必要なのだろうと実感する。
#園芸 #花

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くまごろうのサイエンス教室『物質は何でできているか』

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原子核 Wikimedia C... 原子核
Wikimedia Commonsより拝借
陽子 Wikimedia Co... 陽子
Wikimedia Commonsより拝借
中性子 Wikimedia C... 中性子
Wikimedia Commonsより拝借
原子の中で最も簡単なものは水素である。水素原子はひとつの陽子からなる原子核のまわりをひとつの電子が回っている。水素は宇宙で最も豊富な元素であり、星間ガス、銀河間ガス、恒星、ガス惑星などの主要構成物質である。水素に次いで宇宙で最も豊富な元素はヘリウムだが、2つの陽子と2つの中性子からなる原子核のまわりを2つの電子が回っていて、電気的に中性であるため不活性なガスである。恒星の中心では、例えば太陽では2,300億気圧、1,600万℃という超高温・高圧のため、水素原子が核融合してヘリウム原子核を生成し、その際に膨大なエネルギーと光を放出している。質量の大きな恒星の内部ではヘリウム原子核2個の核融合によりベリリウム原子核が、ベリリウム原子核とヘリウム原子核の核融合により炭素原子核が、炭素原子核とヘリウム原子核の核融合により酸素原子核が生成する。質量の重い恒星内での核融合反応によってより重い元素が生成するが、このような核融合で生成するのは陽子が26個の鉄原子核までであり、これらの元素は質量の重い恒星の超新星爆発により宇宙空間にばらまかれ、その過程で他の元素や炭酸ガス、水蒸気、メタンなどが生成した、と考えられている。これらの星間物質である宇宙のちり(星間塵)や星間ガスが集まって太陽と太陽系の惑星が生まれたが、地球は水星、金星、火星と同様に太陽からの距離の影響で水やメタンなどの揮発性物質には温度が高すぎるため凝縮せず金属や珪酸塩などを中心とした岩石惑星となった。

われわれはこのようにして約46億年前に生まれた地球の表面に住んでいるが、地球上の生物は細胞によって構成されている。私たち人間の体も約60兆個の細胞でできており、細胞を分子レベルで見れば約70%は水であり、残りはたんぱく質、アミノ酸、糖、ホルモン、コレステロール、ビタミンなどの分子からなっている。これらの分子は水素、酸素、炭素、窒素、カルシウム、リン、硫黄、カリウム、ナトリウム、塩素、その他の金属などの原子が結合した化合物である。すなわち私たちの体は色々な原子が結合して成り立っている。ちなみに原子の大きさはその種類によるがおおよそ10-10メートル(1,000万分の1ミリメートル)程度、原子核の大きさは10-15メートル、すなわち原子の大きさの10万分の1である。それゆえ、原子の中はスカスカでほとんど空間でできている。

前述のように水素原子はひとつの陽子とひとつの電子からなっているが、他の原子は複数の陽子と中性子が結合した原子核と複数の電子からできている。陽子と中性子は以前は素粒子であると考えられていたが、水素とヘリウム以外の原子核には複数の陽子があって、陽子はプラスの電気を帯びており、原子核がひとつにまとまっているためには電気的に反発しあう陽子どうしを引きつける何かの力がなければならない。これについて陽子や中性子が常に素粒子を受けたり渡したりして発生する核力によるものとされ、湯川秀樹博士はこの素粒子が中間子であるという理論を提唱し、中間子が1947年にアンデスの山頂で発見されたことにより1949年にノーベル賞を受賞した。1964年以後の素粒子物理学では、陽子、中性子、中間子はクォークと呼ばれる素粒子が結合したものであることがわかっている。すなわち陽子はアップクォーク2つとダウンクォーク1つ、中性子はアップクォーク1つとダウンクォーク2つ、中間子のひとつであるパイ中間子はアップクォーク1つと反物質である反ダウンクォーク1つからなっている。

素粒子物理学では陽子や中性子内部でクォークとクォークを結びつける力を『強い力』と呼び、この力を伝達する素粒子をグルーオンと名づけている。原子核内での中間子のやりとりと同様に、陽子や中性子の内部ではグルーオンのやりとりが行われているために、陽子や中性子はバラバラのクォークにならないのだ。しかし強い力の届く距離は極めて短く、せいぜい原子核の直径程度の範囲である。

原子核と電子の電気的な引力や同じ電荷の粒子の斥力は素粒子物理学では電磁気力と呼び、この力は光子(フォトン)のやりとりによって発生する、としている。朝永振一郎博士はこの理論に関する研究により1965年にノーベル賞を受賞している。電磁気力は身近な静電気や磁石などで体験出来るが、原子同士が結合して分子をつくる際にも作用している。バットでボールを打つ際もバットの表面にある原子の外側は電子であり、ボールの表面も同じであるためボールにバットが当たるとそれぞれの表面にある電子が互いに反発し合い、ボールが飛んでいく。

更にややこしいのは、この他に『弱い力』と呼ばれる力が存在することである。福島原発事故で知られる放射性セシウム137が怖いのは放射能があるからであり、セシウム137のような放射性物質は原子核内にある中性子の中のダウンクォークのひとつがアップクォークとなって中性子が陽子に変身するが、その際に電子とウィークボソンと呼ばれる『弱い力』の伝達物質と反電子ニュートリノを放出する。この反応はベータ崩壊と呼ばれ、高速で放出される電子がベータ線と呼ばれる人間にとって危険な放射線である。弱い力と呼ばれるのはその大きさが電磁気力の1000分の1、強い力の10万分の1程度であるためだが、弱い力のおかげでわれわれは温泉を楽しむことが出来る。すなわち地球内部の放射性物質がベータ崩壊を起こす際に放出する弱い力が熱に変り、地熱となって水を温めるからだ。

それでは地球上の物質は何でできているのだろう。先に原子核を構成する陽子と中性子はアップクォークとダウンクォークからなっていると述べたが、原子核の外をまわる電子に加え、陽子や中性子内で作用する強い力の伝達物質グルーオン、原子核がバラバラにならないための中間子に含まれる反ダウンクォーク、原子核と電子に作用する電磁気力の伝達物質光子なども物質の構成要素であるといえる。もっともグルーオンや光子などの力の伝達物質は質量がゼロのゲージ粒子と分類されるため、物質の構成要素とは言えないかもしれない。

スイスにあるLHC(Large Hadron Collider)やつくばにある高エネルギー加速器研究機構の加速器などで陽子同士や電子と陽電子(プラスの電荷を持つ電子)を光速に近い速度で衝突させると、極めて短時間のうちに消滅してしまうが色々な素粒子が生じる。このような実験でクォークは現在までアップクォーク、ダウンクォーク、チャームクォーク、ストレンジクォーク、トップクォーク、ボトムクォークの6種類、更にマイナスの電荷を帯びた電子、ミューオン、パイオン、電気的に中性の電子ニュートリノ、ミューニュートリノ、パイニュートリノなどが発見されている。ちなみに小林誠博士と益川敏英博士はまだ3種類のクォークしか認定されていなかった1972年に発表したCT(荷電共役変換・パリティ変換)対称性の破れという理論でクォークが6種類は存在することを理論的に予想し、後年スタンフォード大学とつくばの加速器で実証されたことにより、両博士は2008年にノーベル賞を受賞した。これらの加速器の実験で生まれた素粒子は衝突させた陽子や電子から生じたのではなく、衝突した粒子の運動エネルギーから質量のある物質が発生したもので、アインシュタインの相対性理論に示されたE = mc2(Eはエネルギー、mは質量、cは光速)に基づいた現象である。

最新の素粒子物理学では、すべての素粒子は開いた線状または閉じたリング状の2種類のヒモであり、その振動の仕方が異なることによりそれぞれの素粒子の物理特性を示している、という超弦理論が提唱されている。これらのヒモは原子核よりはるかに小さい10-35メートルしかない。この理論は宇宙を扱う相対性理論と原子や原子核などミクロな世界を扱う量子論を統合する統一理論であり、現在多くの物理学者が研究しているが、超弦理論によればすべての物質はこの小さなヒモでできていることになる。この理論は宇宙が9次元空間であることを予言しており、理解するのが極めて困難だ。
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くまごろうのサイエンス教室『燃料電池自動車と水素社会』

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トヨタMIRAI(Wikime... トヨタMIRAI(Wikimedia Commonsより借用)
2014年末にトヨタ自動車が燃料電池自動車MIRAIの販売を発表した。2015年末までに400台を販売する計画だ。またホンダも2015年中に燃料電池自動車を販売すると発表しており、いよいよ燃料電池自動車実用化の時代が到来した感がある。

自動車の原動機として歴史上は1769年のフランスのキュニョーによる蒸気機関が最初だが、これは実用化に至らなかった。19世紀になるとイギリスで蒸気機関を搭載した自動車による定期バスが運行され、フランスやアメリカでも普及していった。1870年にドイツでオットーがガソリンを燃料とした内燃機関を発明するとダイムラーがこれを改良して馬車に取付け、最初のガソリンエンジン自動車となった。実用的なガソリンエンジン車は1885年のドイツのベンツによる三輪車が最初で、数百台販売された。それ以来内燃機関が改良されることにより実用性や性能などが格段に向上し、自動車の原動機はガソリンまたはジーゼルエンジンが中心となり今日まで発展してきた。

1997年にトヨタがプリウスを発売して以来、低燃費で環境にやさしいということでハイブリッドカーの人気が上昇したが、これらのハイブリッドカーはスプリット方式と呼ばれるハイブリッドシステムを採用している。スプリット方式はエンジンからの動力をプラネタリーギヤ(遊星歯車)により発電機と車輪の駆動力に分割するシステムで、エンジンを最大トルクの低燃費領域で使用することにより燃費性能を向上させることが出来る。すなわち燃料消費の多い発進時や低速運転では電動機による駆動とし、減速時や下り坂では電動機を電磁誘導発電機として使用することによりエンジン効率を高める。ハイブリッドカーは通常のガソリンエンジン車より燃費性能の優れた車ではあるが、本質的にはガソリン車であり、また駆動にガソリンエンジンと電気モーターの2つの動力源を持つため、高価とならざるを得ない。

2008年にアメリカのテスラモーターズ、2010年に三菱自動車とニッサンが電気自動車の一般向け販売を開始した。これらの電気自動車はリチウムイオン電池と三相交流モーターを搭載し、電池に充電された電力で駆動する。電気モーターの高効率により燃費性能は高くハイブリッド車よりも低燃費だが、高速充電でも30分、通常の充電では8時間を要すること、および一回の充電による走行距離が200~300Kmとガソリン車やハイブリッド車に劣る。

電気自動車ではリチウムイオン電池にあらかじめ充電された電力を使用するのに対し、MIRAIのような燃料電池自動車では燃料電池で水の電気分解の逆を行い、水素を燃料として空気中の酸素と反応させることにより発電し、その電力で電動モーターを駆動する。すなわち水素分子は水素側電極の触媒層で電子を奪われ水素イオンとなって電解質溶液中を移動し、水素分子から奪った電子は外部の回路を通って酸素側電極にて酸素分子と結合して酸素イオンとなり、更に酸素イオンが水素イオンと結合して水分子となる。この際外部回路を通過する電子の流れにより水素側電極と酸素側電極の間で電気が発生する。リチウムイオン電池の場合は充電された電力がすべて放電されると放電が停止するのに対し、燃料電池では水素と酸素が供給され続ければ永続的に放電することが出来る。実際の燃料電池は水素側電極(負極)と酸素側電極(正極)の間にイオンの移動を可能にする高分子膜を電解質として貼り合せて一体化した膜・電極接合体を、水素と空気の供給や生成した水の排出を効率的に行うプレートで挟み込んだユニットを基本単位とし、これをユニットセルと呼ぶ。電極としてはカーボンブラック担体に白金、コバルト、ルテニウム・白金合金などの触媒が使用される。ユニットセルでは約0.7ボルトの発電能力があるが、これを直列に接続してより高電圧が得られるセルスタックとする。MIRAIでは370のユニットセルを重ねてセルスタックとし、発電能力が114キロワット(155馬力(PS))となっている。トヨタは『3Dファインメッシュ流路』と呼ばれるユニットセルの酸素供給プレートを超精密プレス加工で製作することにより改良し、酸素の供給および生成水の排水性を向上させることによって旧モデルと比較して2.2倍の出力密度となる3.1KW/Lを達成し、セルスタックの小型化に成功した。MIRAIは700気圧に圧縮された水素約5キログラムを容積122.4リットルの高圧タンクに充填することにより約650キロメートルの走行が可能であり、水素の充填は3分程度である。

日本における現在のエネルギー価格をもとに1キロメートルあたりのエコカーの燃費を見ると、ハイブリッドカー(トヨタプリウス)では4.9円、夜間電力を使用した電気自動車では1.3円であるのに対し、燃料電池自動車では8.5円程度となり、これは高級ハイブリッドカーとほぼ同等である。しかし将来水素を主たる二次エネルギーとした水素社会が構築されれば、水素の価格は低減し燃料電池自動車の燃費は格段に向上すると予想されている。

燃料電池自動車が普及するために克服しなければならない課題のひとつに、ガソリンエンジン車のガソリンスタンドに相当する水素ステーションの整備がある。ガソリンスタンドは全国に約35,000あるが、経済産業省によると2014年7月末で水素ステーションは首都圏、中京圏、関西圏、北九州圏の四大首都圏に45か所しかない。トヨタに加えホンダも2015年に燃料電池自動車の販売を予定しており、燃料電池自動車普及を促進するために経済通産省は水素ステーションを2015年度に100ヶ所とする計画である。東京都も独自に水素ステーションの整備を計画しており、2020年までに35ヶ所、2025年までに80ヶ所とする予定である。

発電の大半を化石燃料に依存している電力を利用した電気自動車と較べ、燃料電池自動車は電力を消費しないが、その燃料たる水素は今のところほとんどが天然ガスなどの改質により生産されるため、その過程で副産物として炭酸ガスを発生し脱炭素化には至っていない。また日本全体のエネルギー消費を見ると、運輸部門が占める割合は20%を超える程度で、残りの大半が電力としてのエネルギー消費である。将来を期待されている化石燃料に代り水素を二次エネルギーとする水素社会を実現するためには、燃料電池自動車はその起爆剤に過ぎない。化石燃料を使用しない水素の工業的な生産方法としては水力、風力、潮力、太陽光、地熱など再生可能エネルギーによる電力を使った水の電気分解が容易に想像出来るが、2015年のくまごろうのサイエンス教室『高温ガス炉』で述べた高温ガス炉原子力発電の高温ガス利用による熱化学水素製造法もまたそのひとつである。その記事の繰返しになるが、熱化学法では水とヨウ素の混合溶液に二酸化硫黄を反応させてヨウ化水素と硫酸を生成させ、高温ガス炉からのヘリウムによりヨウ化水素は400℃で分解してヨウ素と水素を、硫酸は900℃で分解して酸素と二酸化硫黄を生成させることが出来る。日本原子力研究開発機構では2030年の高温ガス炉による熱化学水素製造法の実用化を目指している。福島原発事故のような冷却剤喪失によるメルトダウンとは無縁にもかかわらず、高温ガス炉を含めた原発新設の否定は水素社会の構築という日本の将来にとって国益とはならないだろう。

更に遠い未来の世界を見れば、2013年のくまごろうのサイエンス教室『人工光合成』で述べた光触媒を用いた可視光による水の分解も2050年頃には水素製造法として実用化される可能性がある。

二次エネルギーとしての水素は従来の方法では長距離の大量輸送が容易ではない。天然ガスの場合は-160℃程度に冷却することにより液化が可能だが、水素は-253℃まで冷却する必要があり、現在の技術では冷却貯蔵は容易ではない。千代田化工建設が提案している有機ケミカルハライド法はトルエン分子に水素原子を結合させて常温で液体のメチルシクロヘキサンとし、水素の体積を約500分の1にして既存のケミカルタンカーで輸送して、消費地でメチルシクロヘキサンから水素を分離してトルエンを回収する方法である。同社はこのプロセスで重要なメチルシクロヘキサンから水素を分離するための高効率触媒の開発に成功している。有機ケミカルハライド法が実用化されれば、例えば日照時間が長い海外の砂漠などに高効率太陽光発電設備と水素製造設備を建設し、メチルシクロヘキサンとして輸入することにより、より廉価な水素の供給が可能になる。人類は有限かつ環境に負担となる化石燃料中心のエネルギー供給体制より脱却し、水素社会を実現すべく技術開発を推進すべきであろう。
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Mercer Island 10 Km Race

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Mercer Island 10 Km Race Mercer Island 10 Km Race
今日、Mercer Island 10 Km Runに参加し完走することが出来た。昨年のレースでは途中で苦しくなり、歳も取ったし10キロレースはこれまで、次回からは5キロレースにしようかと悩み、以後のトレーニングでも8キロ、9キロ走るのはきついので5.8キロまたは7.7キロのコースを走ることが多かった。11月には真剣に次回は5キロと考えていたが、生来の負けず嫌いで見栄っ張り、やはり10キロを完走したと言いたくて、12月に10キロを試走し何とか完走出来たのを確認して気が変わらないよう直ちに10キロレース参加を申し込んだ。

今年に入ってからは週2回のトレーニングでは8キロと9キロのコースを走り、また10キロも2回走って自信をつけた。タイムは1キロ6分30秒前後で、1年前と較べて一層遅くなっているのは体力の低下によるものだろう。古希を過ぎた爺さんだから、と諦める。

昨日ゴルフに行った際、8番ホールで2打目がスライスして右側の小川を越えたため、向こう岸に行こうと1メートル位のところをジャンプしたが、その際左足のふくらはぎを伸ばしたのか筋肉を痛め、まともに歩くことが出来なくなった。途中でストレッチをしたり揉んだり色々やったが痛みは消えない。幸いスウィングには影響がなかったのでゴルフを続けた。家に戻ってからは洋子さんにさすってもらったり温めたりしたが、びっこをひかなければ歩くことが出来ず、翌日のレースは半分諦めて10時には就寝した。今朝5時半に起床すると、ふくらはぎの痛みはまだ残っているがびっこをひかなくても歩ける。午前8時に痛みが出たなら途中でリタイアすることも考えながらスタートポイントに向った。

レースは2008年以来同じコースであり、トレーニングでも走っているので慣れている。一人で走るのと違い、大勢で走るのは賑やかで楽しいし少し楽に感じる。また沿道で応援してくれる人たちがいることは励みになる。1マイルポスト付近には昨年8月に生まれた孫娘をつれて娘一家が応援してくれた。父親はIronman Raceに参加し、娘もフルマラソンやトライアスロンをやるので、孫娘もいずれはこのレースに参加することになるだろう、と思う。

このレースはアップダウンが激しいのできついのが特徴だが、去年は歩いてしまった5マイルポスト手前の急な上り坂を今年はペースは遅いながらも走りぬけた。左足の痛みも障害にならずフィニッシュライン通過時のタイムは1時間4分1秒、昨年の1時間3分36秒には及ばなかったが無事完走することが出来、またタイムも目標としていた1時間5分よりも早かった。くまごろうのエージグループでは昨年同様2位だった。ちなみにこのレースは2006年までは8キロで、2007年以後は10キロレースになったが、くまごろうは2006年より毎年参加している。10キロの過去のベストタイムは2010年の56分54秒だった。
#スポーツ

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さくら満開

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さくら満開
シアトルでは先週より比較的暖かい日が続きここ数日は15℃以上だったので、わがやのさくらは1週間ほど前に開花したばかりなのに一気に開花が進み、本日で満開となった。昨年は3月23日、2013年は3月30日、2012年と2011年は4月8日、2010年は3月15日、2009年は4月11日の満開だったので、今年は2010年と同様早めの満開だ。来週にはお彼岸も来るので、これからはそれほど寒くなることはなさそうだ。

わがやのさくらはこの家に引越してきた翌年の春に日系の植木屋さんから買って来て植えた『そめいよしの』で、植樹してから25年目となる。植えた時の幹は直径3センチほどだったが今では30センチを超える大木に成長している。

九州以北の日本での今年のさくらの開花予想は最も早い高知で今月20日、名古屋23日、東京24日、仙台4月9日となっているが、今年のシアトルは高知よりも早い開花だ。今夜は花見酒と洒落込もう。
#園芸 #花

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