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くまごろうのひとりごと

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ゴルフ

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2016年最後のGHIN 2016年最後のGHIN 2015年最後のGHIN 2015年最後のGHIN
今年もUSGAによるゴルフスコアのポスティングは11月15日をもって終了し、来年2月末まではこの地域でラウンドしたスコアは登録されない。その理由はこの地域では雨などによりコースコンディションが悪化するためだ。USGAハンディキャップインデックス(GHIN)は過去20回のラウンドのうち、プレイしたコースの難易度に応じて調整した良いスコア10回分の平均値であるが、今年は18.9で終了した。昨年は16.9だったから、2ストローク悪くなったことになる。ちなみに上に示した今年最後のレポートでは、良かった10ラウンドの平均は93.2でパープレイの72を引くと21.2になるが、GHINが18.9であるのはプレイしたコースが平均より難しかったためだ。

今年のシーズンを振り返ると、ドライバーショットは昨年同様比較的安定しているが、コンディションの良い夏でもやっと200ヤード程度の飛距離で、パー4では2打目がミドルアイアンでは届かない距離が残ってレギュレーションオン(英語ではgreen in regulation)が出来ず、なかなかパーが取れない。またドライバーの失敗やバンカーから1度で出せないなどにより、ハーフで1回トリプルボギーを叩くことがありスコアがまとまらない。バンカー対策としてはアメリカのシニアの間で流行っている65度のxE1サンドウェッジを夏に入手して対応したが、逆にこのクラブでグリーン周りのラフからピンそばに寄せようとして失敗することがよくあり、寄せについてはこのクラブを封印し、従来の58度ウェッジを使うようにしている。

一緒にラウンドするシニアの中でも昔はシングルプレーヤーだった80才を越えた人たちは、ティーショットが180ヤードに届かなくてもパー4では3打でグリーンをとらえ、ショットの失敗が少なくパットもうまいのでボギーペースでラウンドし、上ってみれば90前後でまとめている。くまごろうも2打目でグリーンを狙わずミドルアイアンを使えば同じようにプレイ出来るかもしれないが、グリーンに届かなくても20ヤード手前位ならピンそばに寄せてパーが取れるかもしれないとの誘惑に負け、なかなか刻むという戦略を取ることが出来ない。

もうひとつのスコア改善のポイントはパットだ。土曜定例ゴルフで一緒にラウンドするシングルプレーヤーはとにかく最初のパットがうまく、ほとんどの場合ピンのすぐそばまで寄せる。パットは天性の才能なので練習で改善出来る余地は大きくないが、来年のシーズンまでの間にパットの練習に励むつもりだ。
#スポーツ

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隅田川ラン

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隅田川ラン 隅田川ラン
今朝は錦糸町近くの親水公園から京葉道路に出て、両国橋近くから隅田川東岸のトレイルを清洲橋を過ぎた先の工事中で通行止めの地点まで往復した。距離は約7キロだ。このトレイルは景色も良く走りやすいが、ところどころに東西に走る堀割があり、その度に隅田川の東に行って堀割の橋を渡らなければならない。また京葉道路には沢山信号があり、信号待ちをしなければならない。コースには芭蕉庵や記念館などの史蹟がある。
#スポーツ

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ランニング

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ランニング ランニング ランニング
今日は早起きして皇居一周ラン。2年半前にくらべて2分以上遅い31分+。
#スポーツ

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くまごろうのサイエンス教室『Proxima Centauri b』

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プロキシマbからプロキシマ・ケ... プロキシマbからプロキシマ・ケンタウリを見た想像図(WikiMedia Commonsより借用)
2015年7月25日のブログに地球によく似た惑星Kepler 452bが発見されたことを書いた。この惑星ははくちょう座の方向約1400光年離れた所にあり、半径は地球の約1.6倍、組成はまだわかっていないが岩石惑星の可能性が高く、地球にとっての太陽にあたるKepler 452の周りを385日かけて公転している。この発見では、太陽と似た恒星であるKepler 452からの距離が液体の水が惑星表面に存在しうるハビタブルゾーンにあたり、水や生命の存在が期待されるという。

2016年8月25日、イギリスのクイーン・メアリー大学などからなる国際チームPale Red Dotは太陽系から4.22光年しか離れていない最も近い距離にある恒星プロキシマ・ケンタウリに生命が存在出来る可能性のある惑星プロキシマbが存在することを確認した、とイギリスの科学雑誌『Nature』に発表した。このチームは南米チリにあるヨーロッパ南天天文台の高精度視線速度系外惑星探査装置を使用してプロキシマ・ケンタウリの揺らぎを観測し、その揺らぎを起こさせる惑星プロキシマbの存在を確認したのだ。観測データによりプロキシマbの質量は地球の1.3倍、公転周期は11.2日で、表面に液体の水が存在出来る領域にあることが明らかになった。

太陽に最も近い恒星であるプロキシマ・ケンタウリはケンタウルス座にある三重連星のひとつだが、三重連星の中では最も小さく太陽の12%程度の質量しかない。また発する光は弱いが、プロキシマbはプロキシマ・ケンタウリから750万キロメートル離れた軌道を周回しており、これは太陽と地球の距離の5%しかないため、地球が太陽から受ける量の約65%に相当する熱を受けていると推測されている。もしもプロキシマbに大気があれば、表面温度はマイナス30℃からプラス30℃の範囲であると予測され、地表に液体としての水があって、生命が存在する可能性があるが、紫外線やX線が強烈な厳しい環境のようだ。またプロキシマbは最も近い地球のいとこと言っても、ボイジャー1号と同じ秒速17キロメートルのロケットで旅しても7万7千年もかかってしまうので、人類が訪問することは叶わない。
#科学

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くまごろうのサイエンス教室『ボーイング787』

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ボーイング787のシアトルでの... ボーイング787のシアトルでの初飛行(ANAより借用) ボーイング787(ANAより借... ボーイング787(ANAより借用)
シアトルとその周辺では、最近でこそMicrosoft、Starbucks Coffee、Amazon.comなど日本でも有名な企業があるが、くまごろうが移住した1970年代の大企業と言えば世界最大の材木商であるWeyerhaeuserとBoeingくらいであり、ボーイングの景気は即シアトルの経済に直結しているため、同社の動向はマスコミのみならず一般市民にとっても大きな関心事であった。そのボーイングが次世代の旅客機として787を発表したのは2003年であり、2004年4月に全日空が50機を発注してローンチカストマーになったことで開発が始まった。計画では2008年に1号機が引渡されることになっていたが、設計変更、軽量化、強度不足、ストライキなど幾多の問題が発生し、実際には2011年11月に世界で始めて全日空国内線に就航した。2013年1月にリチウムイオン電池が発火するという事故が日本航空機と全日空機で発生したためすべての787の運航が一時停止されたが、バッテリーの過熱防止対策、充電器の改良、万一過熱しても発火に至らない格納容器の導入などの発火防止策がアメリカ連邦航空局により同年4月に承認されて運航が再開された。2016年3月現在の受注機数は1,139、運行機数は393であり、開発パートナーである全日空は46機、日本航空は23機を運航している。

787はDream Linerと呼ばれ、これまでの旅客機とは大幅に異なる設計となっている。その中でも機体を釣竿やゴルフクラブのシャフトなどに利用されている炭素繊維強化樹脂(CFRP; Carbon Fiber Reinforced Plastics)としたことは画期的である。従来から尾翼の一部などにCFRPを採用した旅客機はあるが、機首から尾翼付近まで胴体をすべてCFRPとしたのは787が初めてであり、その他にも主翼の一部、尾翼や垂直尾翼の一部にもCFRPを採用し、重量ベースでは機体の約50%がCFRPとなっている。CFRPは直径数ミクロンの炭素繊維を重ねてエポキシ樹脂を含浸させることにより成形するが、胴体部分は6つのセクションに分割して一体成形の後、直径9メートル、長さ30メートルのオートクレーブと呼ばれる窯で加熱・加圧することにより製作される。CFRPはこれまでの旅客機の主要材料であるアルミニウムと比較して軽量、高耐久性、腐食しにくさなどの特徴がある。また従来のアルミニウム製とは異なりリベットなどの止め金具が大幅に削減され、機体重量削減の一助となっている。CFRPに使用される炭素繊維は東レ製で、同社はシアトル郊外の工場で生産している。

CFRP製機体の採用により機内環境が改善され、快適な空の旅の一助となっている。即ち従来の旅客機では腐食防止のために機内湿度は数パーセント程度と低く保たれていたが、787では空調システムに加湿機能を加え10数パーセントにしたので、喉の痛みが減るなどより快適な環境が整えられた。また、軽量化の利点により機内の気圧をこれまでの標高8000フィート(2400メートル)基準である0.75気圧から標高6000フィート(1800メートル)相当の0.8気圧としたことも耳の不快感を削減し快適性の向上に貢献している。機内の照明はLEDで色が可変であり、また窓は大きさが従来の旅客機の1.3倍となり、シェードは電気式で5段階の明るさに調整出来る。

旧式の飛行機ではパイロットの操縦操作はほとんどが金属製のロープやロッドによる機械的リンクを介して油圧式アクチュエーターに伝わり、昇降舵、方向舵などを制御していたが、技術進歩により最近の飛行機では機械的リンクを電気信号に置き換えるフライバイワイヤが一般的になっている。フライバイワイヤとなってから機体にかかる加速度や動きをセンサーで検知してコンピュータで処理することにより、格段にスムーズな飛行が可能になった。しかし電気信号を伝える銅線は重く、保守点検が必要であり、また電磁干渉による誤作動の恐れもある。将来の飛行機では銅線の代りに光ファイバーを使用するフライバイライトとなることが予見されているが、それは光ファイバー自身が銅線よりも軽量である上、複数の電線の信号が1本の光ファイバーに多重化して高速大容量の伝送が可能であり、銅線では必要な電磁シールドを省略出来るので大幅な軽量化を図ることが出来、更に消費電力が低減し、防火性にも優れているなどの特徴による。787では基本的にはフライバイワイヤが採用されているが、機体の加速度や姿勢のセンサーに関してはフライバイライトが採用されており、重量の軽減とメンテナンスの簡素化に貢献している。高精度なセンサーとそれらから得られるデータのコンピュータ処理能力の高さから、787はFAA(Federal Aviation Administration、連邦航空局)により視界がゼロでもパイロットの操作なしでの着陸が承認されている。

従来の旅客機は飛行に必要な推力はエンジンを使用し、他のシステムの動力源として電気、油圧、それにエンジンで発生させた高温高圧の空圧を使用していたが、787ではエネルギーの効率的利用のため、空圧を使わずに機内のエアコンディショニングや翼の凍結防止システムは電力を使用している。電力源はエンジンに装着されている発電機4基だが、バックアップとして尾部にある補助エンジンに装着されている発電機2基、更にはこれらのすべてが使用出来なくなった際のRam Air Turbineと呼ばれる風力発電機1基が搭載されており、非常時でも重要なシステムに継続的に電力が供給される。

787のエンジンはロールス・ロイス社製Trent 1000またはゼネラル・エレクトリック社製GEnxターボファンエンジンが用意されているが、ファンによるバイパス流と燃焼ガス排気ジェットの流量比(バイパス比)が10.0~11.0と従来のターボファンエンジンの8.5~8.7に比較して高く、その結果燃料効率が向上し、騒音も低減している。

787の設計コンセプトは高燃費性能、高速化、長航続距離であり、CFRPの採用による軽量化やエンジン性能向上により他の同型機種と比較して燃料効率は約20%高く、ワイドボディ機では最高のマッハ0.85での巡航が可能である。航続距離はモデルによるが14,200~15,750キロメートルで、この性能を生かして大型機を投入するほどのペイロードが見込めない地方空港に中型機として運行することが可能になり、航空会社の経営効率改善に貢献している。これまではハブ空港まで大型機、ハブ空港からは中・小型機で目的地に旅客や貨物を輸送することが一般的であったが、787は乗換えなして目的地まで運行することを可能にした。これまでに全日空はムンバイ、バンクーバー、シンガポール、ホノルル、シアトル便などに、また日本航空はニューヨーク、ボストン、ダラス・フォートワース、パリ、フランクフルト、ヘルシンキ、モスクワ、ハノイ便などに787を投入しているのは、このような787の性能を活用しているからである。

787のもうひとつの特徴は全日空が開発段階から携わったことにより、機体の約35%が三菱重工、川崎重工、富士重工、東レなど、エンジンの約15%が三菱重工、川崎重工、石川島播磨重工など、また機内設備などについてはパナソニック、ジャムコ、GSユアサ、タイヤはブリジストンなど日本企業により製作されており、787は準国産機とも言える点である。特に世界で初めて一体成形によるCFRP製主翼の生産を担当している三菱重工は新しい旅客機がCFRP製主翼を採用することを予見し、将来のビジネスチャンスをうかがっている。

多くの特徴を持った787は大量輸送に適さない目的地にも効率の高さにより運行が可能となり、世界の航空会社が新たな路線に787を投入している。快適な機内環境と目的地へのダイレクトフライトは空の旅を一層楽しいものにしてくれるだろう。
#科学

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ゴルフ

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12番パー3 185ヤード 12番パー3 185ヤード 18番パー5 501ヤード 18番パー5 501ヤード
今日はシニアメンバーによるこの地域の他のゴルフクラブとの交流戦であるSenior Exchangeがシアトルの南に位置するMeridian Valley Country Clubで開催された。5時30分起床は少し辛いが、Rainier、Meridian Valley双方各20名が参加し、8時30分ショットガンスタートでクラブ対抗戦と4名一組のチーム戦を競う。

今日はダブルボギーがいくつかあったもののパーが5つでトリプルボギー無し、スコアは43/46と久しぶりに90を切ることが出来た。個人賞は2nd Best Net、またチーム戦は2位、仲間とおいしいランチを共にし、良い半日であった。
#スポーツ

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鹿

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鹿 鹿
鹿がわがやを訪問するのは近頃では珍しくなくなったが、昨日はまだ生まれて間もない小鹿が2頭、母に連れられて裏庭にあらわれた。小鹿が可愛らしかったので写真を撮った。

この小鹿たちもそのうちにわがやを餌場と心得て頻繁に訪ねてくるようになるのだろう。
#動物

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くまごろうのサイエンス教室『リチウムイオン電池』

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国際宇宙ステーションで使用され... 国際宇宙ステーションで使用されるリチウムイオンバッテリー (JAXAより借用)
最近、国際宇宙ステーションの電源である2次電池を日本製のリチウムイオンバッテリーに交換する、というニュースが報じられた。現在使用されているものはアメリカ製のニッケル水素電池だが、宇宙ステーションを2024年まで使用するために、これから10年間は使用可能な高性能リチウムイオンバッテリーが選ばれた。

私たちの周りを見ると、現代社会では高性能で軽量な2次電池(蓄電池)が不可欠である。スマートフォン、ラップトップコンピューター、デジタルカメラなどの移動式電子機器はもちろんのこと、自動車や航空機などの輸送機器、各種家電製品などにも内蔵されているものが少なくない。最近は太陽光発電や風力発電などによる電力の貯蔵用やハイブリッドカー、電気自動車、燃料電池自動車などの蓄電用としても重要性を増している。

2次電池として最も馴染みの深いものは鉛蓄電池であろう。1989年にフランス人のブランテが2枚の鉛板の間に2本の絶縁テープをはさんで円筒状に巻き、希硫酸溶液中での充放電を繰り返した。負極に海綿状鉛、正極に二酸化鉛、電解液として希硫酸を使用した鉛蓄電池は据置き用、可搬用として普及していったが、電池の重量や容積に対する電気容量(エネルギー密度)が重量基準では30~40Wh/Kg、容積基準では60~75Wh/Lと高性能な電池に劣るものの安価なため、自動車の普及に伴って急速に生産量が増加し、また技術的にも進化して現在でも最も一般的な二次電池の地位を保っている。

1899年にスウェーデンのユングナ~が発明したニッケル・カドミウム電池は負極にカドミウム、正極にオキシ水酸化ニッケル、電解液に水酸化カリウムを使用し、低温など厳しい使用環境に耐えられることから1960年代に量産化されたが、1990年代にカドミウムの負極を水素吸蔵合金に置き換えたニッケル・水素電池が量産化されるようになった。水素吸蔵合金は水素を吸蔵しやすいランタン、ネオジム、レニウムなどの希土類金属(発熱型金属A)と、触媒効果を持つ遷移元素のニッケルにコバルトやアルミニウムを添加した金属(吸蔵型金属B)を1:5の割合で組み合わせたAB5型が量産型電池で使用されている。ニッケル・水素電池は有毒物質であるカドミウムを使用しないことと、電気容量がより優れた30~80Wh/Kg、140~300Wh/Lであることにより、ニッケル・カドミウム電池を凌駕するとともに、世界最初の量産ハイブリッド車であるトヨタプリウスにも採用された。最近のニッケル・水素電池は低温でも性能を発揮すること、大容量化が容易なこと、出力が安定していること、自然放電が少ないことなどにより、現在でも多分野で使用されている。

2次電池は負極と正極の電子の放出のしやすさの差を利用して電気を発生させるが、負極には電子を放出しやすい(イオン化傾向が大きい)金属が、また正極には電子を受取りやすい金属を用いる。携帯電話やラップトップコンピューターなどの普及に伴い、ニッケル・水素電池より小型・軽量で高性能な2次電池が必要となり、リチウムはすべての元素の中で最もイオン化傾向が高く、電池の負極としては最適なため、リチウムイオン電池の開発が進捗した。但し金属リチウムは金属ナトリウム同様、水に触れると激しく反応して水素を発生し発熱するため安全性に問題があり使用出来ない。リチウムの反応性の高さをおさえ電子を放出しやすい能力を発揮させたのがリチウムイオン電池である。

1980年に水島公一博士はオックスフォード大学でグッドイナフ教授の元でコバルト酸リチウムが金属リチウムを使わないリチウムイオン電池の正極に適していることを発見した。また1985年に旭化成の吉野彰博士は負極として炭素材料である黒鉛を使用すると、黒鉛がリチウムを吸蔵するため金属リチウムが電池内に存在せず安全であること、およびリチウムの吸蔵量が多く高容量が得られる、としてリチウムイオン電池の基礎概念を確立した。電池内でリチウムイオンを移動させる電解質は水溶液系ではリチウムによって電気分解するため、ヘキサフルオロリン酸リチウムなどのリチウム塩とエチレンカーボネートなどの有機溶剤が使用される。

これらの技術を組合せ、1991年に世界で初めてソニーが、次いで旭化成がリチウムイオン電池を商品化した。リチウムイオン電池の電気容量は初期モデルでも160Wh/Kg、270Wh/Lとニッケル・水素電池を越え、軽量で自己放電による容量低下が少なく、更に2次電池の欠点である継ぎ足し充電により発生する電圧降下(メモリー効果)もほとんどなく、携帯電話やデジタルカメラなどのモバイル機器用として普及した。しかし過充電や過放電によって発熱や爆発を起こす事故が発生したため、保護回路によって対応し、リン酸鉄リチウムを電解液とした発火の恐れがないリチウムフェライト電池なども開発されて安全性、性能共に向上させた。また電解液にポリマーを加えることによって電解質をゲル状にしたリチウムポリマー電池は液漏れしにくく、外装がラミネートフィルムのため軽量・薄型で形状に柔軟性があるためiPhoneなどに採用されている。現在多くのメーカーが電気容量が大きく、安全性が高く、高速充電が可能で、耐久性の高いリチウムイオン電池を生産している。

リチウムイオン電池の性能向上に貢献しているものがカーボンナノチューブである。1991年にNEC主管研究員(現名城大学教授)の飯島澄男博士が発見したカーボンナノチューブは炭素原子が網目のように結びついて筒状になったもので、その直径は10のー9乗メートルで人間の毛髪の5万分の1程度である。カーボンナノチューブは色々な特徴を持つがイオンの貯蔵性にも優れており、リチウムイオン電池の電極に導電助剤として使用することによる電気容量の向上と長寿命化が期待されている。

リチウムイオン電池をハイブリッドカー・電気自動車、太陽光発電・風力発電などの再生可能エネルギーの蓄電池として使用するためには、更なる急速充電性能や電圧を高めることが求められる。東京大学の山田敦夫教授の研究グループは電解質の溶媒にアセトニトリルを使用し、リチウムイオン濃度を4倍以上にすることにより電解質でのリチウムイオンの移動効率を向上させ、電圧は3.7ボルトから5ボルトに、充電時間は従来の3分の1となることを実証した。この電解質は高価なため直ちに実用化されることはないが、将来が期待される。

新エネルギー産業技術総合開発機構においてトヨタ自動車と東京工業大学の研究グループは2016年3月、従来のリチウムイオン伝導体の2倍の伝導率を有する超イオン伝導体を発見し、これを応用して有機電解液を用いた従来のリチウムイオン電池の3倍以上の出力特性を持ち、低温および高温での優れた充電性、高い充放電サイクル耐久性などの特徴を持った安全性の高い全固体電池の開発に成功した。全固体リチウムイオン電池の実用化が期待される。

リチウムイオン電池はニッケル・水素電池と比較すると高性能ではあるが高価な点が欠点である。そのため電池の大きさや重さが選定の決定要因とならない電気自動車や、価格競争の激しいデジタルカメラなどでは今後もニッケル・水素電池が使われていくものと思われる。またリチウムイオン電池は集積化による大型電池では電池内の熱の蓄積により性能が損なわれる上、希少金属のリチウムやコバルトを使用し、コバルト酸リチウムを正極とした場合、現在の技術では全世界で生産されるリチウムやコバルトを使用しても電気自動車1,000万台分の電池しか作ることが出来ない。そのため、資源の豊富さと価格の点で代替電池としてナトリウムイオン電池の将来性が注目されている。ナトリウムはリチウムと同じアルカリ金属であり、イオン化傾向はリチウムに次いで高い。しかし電池の電圧はやや低く、現状では電気容量もリチウムイオン電池に劣るため、更なる電極や電解質に関する研究により、安全で高性能な大容量ナトリウムイオン電池が実用化されることが望まれる。
#科学

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くまごろうのサイエンス教室『はやぶさ2』

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はやぶさ2(JAXAデジタルア... はやぶさ2(JAXAデジタルアーカイブより借用)
下に長く伸びているのがサンプル採取用サンプラーホーン
2014年12月3日に小惑星探査機『はやぶさ2』が打上げられてから既に1年以上経つ。2015年12月3日には地球に最接近した機会をとらえ、地球の重力を利用したスウィングバイにより軌道を約80度変更、スピードも秒速1.6km上げて目標値の31.9kmとし、いよいよ目的地である小惑星『リュウグウ』を目指す軌道に入った。はやぶさ2のミッションはリュウグウからサンプルを地球に持ち帰ることであり、そのサンプルを分析することによって地球の生い立ちをより詳しく知ることが出来る。

2010年6月13日に苦難の末地球に帰還した初代はやぶさは小惑星探査実験機であり、はやぶさ2が実用機として計画されたものの、JAXAは太陽系探査より情報収集衛星や国際宇宙ステーションの実験棟きぼうを優先することではやぶさ計画は頓挫しかけたが、実験機のドラマチックな帰還により2011年にはやぶさ2の予算が承認され、計画が再スタートすることとなった。はやぶさ2は太陽光パネルを除いた大きさが幅1m、長さ1.6m、高さ1.25mで燃料込みの重量が600kgと初代はやぶさより重量が90kg増加した以外は大きさは大差ないが、初代はやぶさでのトラブルに鑑み信頼性を格段に向上させた。

そのひとつが機体の姿勢制御装置であるリアクションホイールの追加で、初代はやぶさでは3個取付けられていたがそのうちの2個が故障して危機に陥ったため、はやぶさ2では4個取付け、またリュウグウに到着するまでは1個だけを運用し、他の3個はリュウグウ近くでの詳細な姿勢制御が必要になるまで温存する予定である。

初代はやぶさに搭載された推進エンジンはイオンエンジンと呼ばれる電気推進エンジンで、キセノンガスをキセノンイオンと電子に分解し、キセノンイオンを強力な磁場で加速して高速で噴射することによって推進力を得るが、燃料と酸化剤を使用する化学推進エンジンと比較すると推進力は小さいが燃費が約10分の1であり、長時間の加速を行うことが出来る。イオンエンジンはマイクロ波放電加熱によるイオン生成部、生成したイオンを静電的に加速して推力を得る炭素繊維複合材グリッド加速部、それに放出されたイオンビームを電気的に中和する中和器からなるが、初代はやぶさの4基のイオンエンジンのうちの1基はキセノン分解用点火器が不調となり、また、帰還途中に宇宙で迷子になりかけたことが原因で設計寿命を大幅に越えたために他の3基も中和器が機能しなくなり、一時は帰還が絶望視された。しかし4基のイオンエンジンのうち、ひとつは中和器のプラスの出口、またもうひとつはマイナスの出口がまだ機能しており、これら2基のイオンエンジンの中和器を同期して噴射すれば推進力が得られることが判明し、このような変則的な運行で初代はやぶさはなんとか地球に帰還することが出来た。

はやぶさ2に搭載されるイオンエンジンは基本的には初代はやぶさと同じ設計であるが、イオン生成部の推力発生効率とマイクロ波放電加熱の確実性を向上させるために入念な調整が実施され、また中和器の長寿命化を目的として放電室内壁の保護および電子放出の必要電圧低減のために磁場が強化され、信頼性の向上が図られている。またキセノンガス噴射口配置やグリッド加速部の設計変更により、1基あたりの推力が8ミリニュートンから10ミリニュートンに25%増強されている。

はやぶさ2には初代はやぶさと同様に姿勢制御や軌道の微調整を行うヒドラジンと酸化剤を用いる化学推進システムを12基搭載しているが、初代はやぶさでは小惑星いとかわへの着陸の際に燃料漏れと配管凍結が起こって使用出来なくなった。この対策としてはやぶさ2では燃料漏れの原因となる溶接箇所を最少化するとともに溶接法も改善した。金星探査衛星あかつきは2011年に化学推進システム破損により金星周回軌道投入に失敗したものの、2015年12月に姿勢制御用エンジンにより金星周回軌道に乗せることが出来て話題となったが、あかつきでの経験により燃料と酸化剤の高圧ガス系統を完全に分離し、はやぶさ2ではあかつきのような問題を回避するよう改善された。更に高圧ガス系統バルブの異物閉塞を防止するために高圧ガスの清浄度管理を向上させてある。

はやぶさ2は2018年6月頃に約900mの大きさと推定されている小惑星リュウグウに到着する予定で、まず上空20km付近からリュウグウの観測を開始する。観測データをもとにはやぶさ2の着地点を選定し、本体下側に取付けられたサンプラーホーンと呼ばれるサンプル採取装置を使ってリュウグウ表面に着地した際に石や砂を採取する。一旦上空に戻ってから衝突装置を分離し、リュウグウに衝突・爆破させて小さなクレーターを作るが、その間本体は飛散物との衝突を避けるために上空に退避する。観測の結果安全が確認されたらはやぶさ2はクレーターに着地し、サンプラーホーンによりリュウグウの地下の石や砂を採取する。これら一連の作業は2019年11月頃まで実施される。リュウグウの地下の石や砂は太陽風に晒されていないため、小惑星誕生当時の状態を保っていると考えられるが、これらのサンプルを分析することにより、地球の水はどこから来たのか、生命はどのように生まれたのか、など地球の起源を知る手がかりとなる。

リュウグウを出発してから約1年後の2020年11月頃、はやぶさ2は地球に帰還し、リュウグウのサンプルを搭載したカプセルを切り離す。はやぶさ2は初代はやぶさとは異なり大気圏には突入せず、カプセル分離後、地球スウィングバイを行うことになっている。その後のはやぶさ2の運命は未定だ。切り離されたカプセルは大気圏に突入し、上空約10kmの高度でパラシュートを開いてオーストラリアの砂漠に着地する予定だ。

はやぶさ2は約4ヶ月前に地球のそばを通過したが、現在は地球から離れて目的地である地球近傍小惑星リュウグウを追いかけて太陽の周りを回っている。28ヶ月もある宇宙ひとりぼっちの長旅だが、JAXAで大勢の人たちが見守っているので寂しくはないはずだ。みんなではやぶさ2の成功を祈ろう。
#科学

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Mercer Island 10 Km Run

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10 Kmレーススタート前の賑... 10 Kmレーススタート前の賑わい 10 Kmレースゴール地点 10 Kmレースゴール地点
恒例のMercer Island 10 Km Runを走ってきた。3月はじめより右膝に違和感があり、走った後に少し痛むので練習を軽めにしてきたが、試しに3月7日に10キロを走ってみると9キロ過ぎから膝の痛みが強くなり、最後の500メートル位は軽くびっこを引く感じになったので、週2回の練習ランは中止することにした。膝を冷やしたり、痛み止めクリームを塗ったりしてみたが、膝の違和感はなくならないまま今年のレースを迎えることとなった。

今日のレースは膝が痛くならないよう、スピードを抑え気味にし、特に下り坂は平地と同じ位のペースにして右膝の負担を軽くするように心がけた。コースはここ数年同じで、きつい登りが3ヶ所ある。コース全体の登りは合計441フィート(134メートル)もあるタフなコースだ。最初と2番目の登りは練習で走っているところなのでペース配分はわかっているが、3番目の登りは7.6キロ地点付近にあり足に疲れが出始めるあたりなので過去には歩いてしまったこともあり毎年苦労する。今年はペース配分が良かったせいかこの登りを昨年と同じように走りきり、レースの途中で膝に軽い痛みを感じることはあったが止まることなく10キロを完走することが出来た。

フィニッシュの公式記録は1時間6分34秒で、ペースは6.65分/ Km、昨年はレースの前日にゴルフで左足首を痛め完走出来ないかと危惧したがそれでも1時間4分1秒、一昨年は1時間3分36秒だったのでかなり遅い。しかしこのペースは練習ランとほぼ同じなので、これが現在の実力と納得するしかない。くまごろうのエージグループでは1着で、今年もメダルを貰ったから満足しよう。
#スポーツ

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