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くまごろうのひとりごと

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春の訪れ

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春の訪れ
このところシアトルは高気圧が居座って良い天気が続いている。2月28日は最低気温は4℃と寒いものの最高気温が12℃まで上がり、日差しの暖かいこの時期としては望外のゴルフ日和となった。天気予報によれば東海岸は相変わらずの寒波に襲われ、シカゴやボストンでは大雪との由、ひとごとながら気の毒なことで、快晴のもとでゴルフをラウンドしていることに少し後ろめたさも感じる。

来週の日曜日からDaylight Saving Time(サマータイム)が始まり、いよいよ本格的なゴルフシーズンとなる。冬の間も氷雨やぬかるみと戦いながら練習してきた成果を発揮するときが来た。今年こそは丁寧なショットやパットを心がけ、目標のUSGAインデックス15を達成したいものだ。

写真はホームコースの9番ホールパー4。チェリーが満開だ。このさくらは風雨に強く、そめいよしののような風情に欠けるが、春の訪れを感じさせてくれる。
#自然

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くまごろうのサイエンス教室『高温ガス炉』

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日本のエネルギー政策の基本となる第4次エネルギー基本計画が2014年4月に閣議決定され、原子力発電は重要なベースロード電源として位置づけられた。今年になって経済産業省の作業部会が始まり、具体的な電源別構成比について今年6月を目途に決定するという。国民の多くはマスコミなどの影響で技術的なことは抜きにして原子力よりも再生可能エネルギーを重視すべきだ、と感じていると思われるが、福島第一原発事故により原子力はもうごめんだ、という発想はくまごろうにはあまりにも非科学的に見える。人類の歴史は科学技術の進歩抜きには考えられないが、自然に対する人間のあくなき探究心と問題を克服する意欲が現代の科学技術を作り上げてきたのだ。原発事故を教訓とし、原子力平和利用の安全性を一層配慮することが人類の進歩につながる道であろう。

これまでの日本における原子力発電はほとんどが水を減速材および冷却材に使用した軽水炉型だったが、福島での事故は冷却材喪失によるメルトダウンという過酷事故であり、原子力規制委員会は既存原発の再稼動の認可条件として冷却材喪失が起こらないバックアップを厳しく求めている。原子力発電には軽水炉の他にも減速材に重水を使用する重水炉、黒鉛を使用する黒鉛炉、更には高速増殖炉などがあり、ここで述べる高温ガス炉はヘリウムを冷却材とした黒鉛炉のひとつである。高温ガス炉は前述のエネルギー基本計画でも安全性の高度化に貢献する将来の原子力技術の候補とし、日本原子力研究開発機構が設計・建設した熱出力3万キロワットの高温工学試験研究炉(HTTR)を使用して研究開発を推進してゆく方針である。

高温ガス炉が注目される最大の特徴はその安全性である。炉心温度は950℃程度と高温だが炉心構成材の黒鉛は2000℃以上の高温に耐えられ、黒鉛の熱容量が大きいため炉心温度の変化が緩慢であり、更に電源喪失や事故などにより冷却システムが機能しない場合でも原子炉格納容器からの自然放熱により冷却が可能なことである。核燃料は直径数ミリの炭化珪素セラミックス球の中に保持されているが、この被覆層は炉心の理論上の最高温度1600℃よりも高い2200℃に長時間さらされても核分裂生成物を保持することが出来、メルトダウンに至ることはない。2010年に行われた前述のHTTRを使用した実験では、出力30%の状態で冷却材であるヘリウムガスを停止すると10分程度で出力が1%に低下し自動停止に至った。軽水炉では運転中の炉心温度は約300℃だが、核燃料を収納する被覆管は金属のジルコニウム製のため、冷却材である水を喪失すると炉心は2000℃程度に達し、福島事故のように被覆管が溶融してメルトダウンするのとは対照的である。冷却材として使用するヘリウムは不活性物質のため他の物質と化学反応せず、また炉内で中性子にさらされても放射化しない。

高温ガス炉で使用されるセラミックスで被覆された核燃料粒子は一般的には二酸化ウランだが、核分裂中に生じるプルトニウムも燃料としてそのまま使用されるため核燃料の使用効率が高く、軽水炉のように使用済み核燃料を再処理してプルトニウムとウランの混合燃料MOXをつくり、プルサーマルとして使用する必要がない。その結果、発電量に対する放射性核生成物を軽水炉の30~40%程度まで低減することが可能である。高温ガス炉からの使用済み核燃料からセラミックス被覆を取除く技術は既に確立しており、再処理工場で核分裂生成物を分離することが出来る。先に『使用済み核燃料の処分』でも述べたが、核分裂生成物の中には非常に長い半減期を持つ物質があるが、これらは加速器駆動核変換システムなどによる消滅処理を行えば、人類による管理が可能な半減期の短い物質に変換することが出来る。

基本的な高温ガス炉では核分裂反応によって高温となった炉心でヘリウムガスを960℃に加熱し、この高温ガスでガスタービンを駆動することにより発電する。軽水炉では冷却材が水のため300℃程度までしか加熱出来ず、そのため発電効率が35%弱であるのに対し、高温ガス炉による発電では高温のため50%近くまで発電効率を上げることが出来る。また発電に使用した後のヘリウムは200℃程度と高いので、この廃熱を利用して海水の淡水化や地域暖房などを行えば、70%程度の高い熱利用率が達成出来る。前述した日本原子力研究開発機構の高温工学試験研究炉(HTTR)は研究炉の段階だが、研究陣はガスタービン発電機を備えた実証炉の2030年までの運転開始を視野に入れている。

高温ガス炉は発電だけが目的の原子炉ではない。燃料電池自動車の普及などによる来るべき水素社会に向けて高温ガス炉による熱化学水素製造法の研究が進んでいる。メタンなど炭化水素の改質による水素製造では二酸化炭素が発生し、また水を直接分解するには2000℃以上の高温が必要であるが、熱化学法では水とヨウ素の混合溶液に二酸化硫黄を反応させてヨウ化水素と硫酸を生成させ、高温ガス炉からのヘリウムによりヨウ化水素は400℃で分解してヨウ素と水素を、硫酸は900℃で分解して酸素と二酸化硫黄を生成させることが出来る。日本原子力研究開発機構では2030年の高温ガス炉による熱化学水素製造法の実用化を目指している。

高温ガス炉では高温ガスが得られることにより、発電や水素製造以外にもエチレン製造などの石油化学、石炭液化、製鉄などへの応用も可能であり、低炭素社会の達成には大きな切り札となる可能性を秘めている。

高温ガス炉実用化のために必要な技術開発に空気突入による原子炉の火災防止とセラミックス被覆核燃料の高度な品質管理がある。前者については2重、3重の安全設備により克服できるはずであり、また後者は日本が得意とする品質管理の問題であり、高温ガス炉の安全性を否定するような重大な欠陥とはならないであろう。

目を海外に転じるとアメリカ、ロシア、フランス、韓国、中国などが高温ガス炉の開発を行っており、特に日本とならんで既に試験炉を稼動している中国は2017年までに21万キロワットの実証炉の臨界を目指している。現在は冷却材温度が750℃と日本原子力研究開発機構の実績に劣るが、中国内陸部は冷却水を多量に必要とする軽水炉の立地に適していないため、今後多くの原子力発電所を計画している中国は高温ガス炉の開発に力を注ぐと思われる。日本も脱原発などとのんきなことを言わず、日本原子力研究開発機構による実証炉の建設を急ぐべきである。
#受験 #外国語 #学校 #教育 #科学

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ランニング

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10キロレースコースの一部であ... 10キロレースコースの一部であるMercer Island Trail
今年もあと数日を残すのみ。今年もくまごろうは結構真面目に週2回のランニングを続けた。1月3日の8キロランが走り初めで、12月25日の8キロランが今年93回目のランニングとなった。多分大晦日までにもう1回走って今年は94回となるだろ。昨年は101回走っているので及ばないが、記録を取りはじめた2008年が82回、例年は90回前後なので平年を上回る走り込みだ。幸いなことに今年は1度も膝痛、腰痛、捻挫などがなかった。

今年は5月頃から体力の衰えを感じて5.8キロと7.7キロを交互に走った時期もあり、11月には来年のマーサーアイランド10キロレースはやめて5キロレースに参加しようか、と真剣に考えたが、もしもそうすればこれからは毎年5キロレースにしか参加しなくなるだろうと思い、完走出来なければ途中歩いても良いと考えなおして、12月初めに3月のレース以来初めて10キロのレースコースを試走した。タイムは1時間7分53秒で今年のレースタイムである1時間3分59秒より遅いが、例年レースでは練習よりも早く走っているので大略今年のレース並みのタイムになることが期待出来る。10キロを走れることを確認後は毎回8キロを走っている。

今日、2015年3月22日のマーサーアイランド10キロレースに登録した。もう後戻りは出来ない。新年を迎えたら何回か10キロのコースを走ってレースに備えるつもりだ。
#スポーツ

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くまごろうのサイエンス教室『使用済み核燃料の処分』

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2011年の東日本大震災による福島原子力発電所の事故以来、日本では相変わらず原子力発電所の運転再開に対する反対論が根強いが、直ちにすべての原発を廃炉にしても現存する多量の使用済み核燃料処分の問題が残る。使用済み核燃料には半減期が24,000年であるプルトニウム239など長半減期元素が含まれるため、ガラス固化して地下に保管するにしても地震や火山の噴火が多発する日本では安心して保管出来る場所が限定され、また科学的に適切と判断された地元では反対運動が起こるであろう。原発即廃止を主張する小泉元総理、細川元総理、菅元総理、あるいは多くの原発反対野党には使用済み核燃料の処置についてどのような名案があるのだろうか。

軽水炉ではウラン238が97%、放射性物質であるウラン235が3%の核燃料を使用するが、使用済み核燃料には概略ウラン238が95%、ウラン235が1%、プルトニウム239が1%、核分裂生成物が3%含まれる。核分裂生成物の中には中性子を吸収するために安定的な原子炉の運転を阻害する元素があるためこれを分離除去し、約1%づつ含まれるウラン235とプルトニウムを回収してウラン燃料やMOX(Mixed Oxide、2酸化ウランと2酸化プルトニウム混合物)燃料として再び軽水炉などで核分裂させれば、プルトニウム239は半減期が30年程度の核分裂生成物に変換することが出来る。MOX燃料を使用する軽水炉がプルサーマル(プルトニウムとサーマル・ニュートロン・リアクターからつくられた和製英語)であり、東日本大震災が発生するまでは日本でもいくつかの原発で営業運転されており、日本原燃は青森県六ヶ所村に再処理工場やMOX燃料工場を建設し、いわゆる核燃料サイクルを完成させる計画であった。再処理により使用済み核燃料に含まれる放射性物質を再利用するとともに、半減期の長い高レベル放射性物質を大幅に削減することが可能となるのだ。反対に原発即停止は核燃料サイクルを破綻させ、結果的に大量の高レベル放射性廃棄物を生み出すことになる。

再処理工場で分離された核分裂生成物には大きく分けてFP(Fission Product、セシウム137、ストロンチウム90、ヨウ素129、テクネシウム99など)とマイナーアクチナイド(Minor Actinide, MA、ネプツニウム、アメリシウム、キュリウムなど)があり、これらの中には非常に長い半減期を持つ物質があるが、世界では核分裂生成物を半減期の短い元素に変換させる研究が行われている。日本では核種分離・消滅処理と呼ばれている長寿命核種の処理法が京都大学原子炉実験所や、高エネルギー加速器研究機構と日本原子力研究開発機構の共同事業であるJ-PARCの加速器駆動核変換システム(ADS)で研究開発が行われている。ADSは加速器からの高エネルギー陽子を鉛・ビスマス合金のターゲットに当てると鉛またはビスマスの原子核が数十個の破砕核となって壊れるとともに20-30個の高エネルギー中性子を発生するが、この中性子がマイナーアクチナイドの原子核に衝突すると核分裂反応が起きて人類が管理可能な半減期の短い核または安定な核となると同時に中性子を発生し連鎖反応が進行する。加速器駆動未臨界炉(ADSR, Accelerator Driven Subcritical Reactor)はADSの余剰なエネルギーを電力として取り出すことを目的とした次世代の原子炉である。原発を所有する世界各国では高レベル放射性廃棄物の処理は重要事項であり、このような加速器を使用した消滅処理を含めた原子炉の研究開発はフランス、ベルギー、アメリカ、ロシア、韓国などでも進められており、国際原子力機構、OECD、NEAなどによる国際協力も進行中である。

これとは別に日立製作所グループは原発の運転で生成する半減期の長い超ウラン元素(Trans Uranium Element, TRU、ウランより原子番号の大きいプルトニウムおよび前述のMA)をウラン燃料とともに燃料として使用する資源再利用型沸騰水型原子炉(Resource Renewable Boiling Water Reactor, RBWR)の研究開発を行っている。沸騰水型原子炉は世界中で多くの実績があり、この新型炉が2030年頃に実用化されれば、使用済み核燃料から排出される高レベル放射性廃棄物の半減期は10万年から300年程度まで短縮出来、人類による管理が可能になる。この新型炉は原発ではあるが、高レベル放射性廃棄物の消滅処理設備ともいえる。

福島原子力発電所の事故は東日本大震災によって引き起こされたとはいえ電源喪失に対する配慮が不十分な設計であったことは否定出来ず、周辺住民に甚大な被害を及ぼし、国民が原発の再稼動や新設に慎重になる気持ちはくまごろうも理解出来、特に長期間にわたり自宅への帰宅が叶わない被災者の将来に対する不安や望郷の念を思うと深く同情する。しかしわれわれは福島原発事故により多くのことを学び、その知識を生かして人類のより良い未来を切り拓いてゆくべきである。一回の事故により、原発は怖いから運転再開や新設を一切認めない、というのではあまりにも幼稚な思考法で知恵がなさ過ぎる。原子力規制委員会がこの事故を教訓として想定出来る現実的な自然災害に耐えうる、と認定した原発を稼動させることは、単に経済上の利点で判断されるべきではなく、上に述べた使用済み核燃料の危険性を取除いてゆくためにも必要なことである。それがこれまで原発を使用して利益を得てきた現代人が子孫に対して果すべき責任であると思う。
#受験 #外国語 #学校 #教育 #科学

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くまごろうのサイエンス教室『LED(発光ダイオード)』

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写真はWikimedia Co... 写真はWikimedia Commonsより借用
2014年のノーベル物理学賞は青色発光ダイオードの開発に成功し、21世紀の照明など多くの応用に道を開いたということで、赤崎勇教授、天野浩教授、中村修二教授に授与されることとなり、政府が科学技術創造立国を目指す日本は大いに盛り上がっている。現代の社会ではLED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)は商業用・住宅用照明に加え、携帯電話、コンピューターのディスプレイ、テレビ画面などに使用される液晶のバックライトとしても広く使用されており、更には信号機や自動車の灯火などにも普及し始めている。

電磁波の一種である可視光は波長がおよそ380-760ナノメートルの範囲であるが、一般的に熱源から、または蛍光体への電磁波の衝突などによりに発生する。エジソンが発明した白熱電球はタングステンフィラメントを加熱して、その熱源から発生する電磁波のうちの可視光により発光し、また蛍光灯では水銀を封入した電極間での放電で発生する紫外線をガラス管内に塗布した蛍光物質に当てることにより可視光に変換して発光する。LEDの場合は自由電子の不足したP型半導体と余剰の自由電子を持ったN型半導体を接合して電圧を印加すると電子が流れ、電子の持つエネルギーの一部が熱や運動を介在せずに直接可視光に変化することにより発光する。このような発光メカニズムの違いにより、1ワットあたりの発光効率が電力の大部分を熱として失う白熱電球では15ルーメン、また電球型蛍光ランプでは60ルーメン程度であるが、白色LED電球では100ルーメンと高効率となる。また照明器具の寿命については平均的に白熱電球が1,000-2,000時間、蛍光灯が6,000-12,000時間であるのに対しLEDが40,000時間であり、量産化による価格の低減が進めばスウェーデン王立アカデミーが受賞理由として述べたように、21世紀世はLEDが世の中を照らすことになる。

一般の半導体ではシリコンにリンやホウ素など他の元素を加えたものが使用されるが、現在LEDに使用される半導体はガリウムを主体に砒素、燐、アルミニウム、窒素、セレンなどの元素を加えたものである。印加した電圧が低いと電圧を上げても電流が増大せず発光しないが、ある電圧を超えると電流の増え方が急激に増加し、電流量に応じて発光する。LEDは使用される半導体の材料によってさまざまな色の光を発する。

照明に不可欠な白色光は光の三原色である赤、緑、青のLEDを組み合わせることにより得られるが、また蛍光体に短波長の光を照射すると長波長に変換出来る性質を利用して、波長が450-495ナノメートルと短い青色LEDの光を蛍光剤に照射することにより白色光を発光することが出来る。赤色ダイオードや黄緑色ダイオードは1960年代に開発され、1980年頃には赤色ダイオードは電子機器などのモニターランプとして使用されるようになったが、青色ダイオードは1990年代初めの赤崎教授および天野教授による窒化ガリウムに関する基礎技術の開発、および1993年の中村教授をはじめとする日亜化学工業による高輝度青色ダイオードの実用化を待たねばならなかった。青色ダイオードの実用化によりLED照明は広く普及し、一部のメーカーではエネルギー効率の低い白熱電球は特殊用途にのみ生産することを決定している。また蛍光灯も内部に有害物質である水銀を含むため、将来は生産が大幅に削減される方向である。一般的なLED照明では紫外線や赤外線が発生しないため、文化財や美術工芸品などの展示用照明にも適している。

量子力学の理論により、青色ダイオードの発光材料はセレン化亜鉛または窒化ガリウム・窒化インジウム混晶などが適していることがわかっていたが、1980年頃は良質な結晶を作りやすいセレン化亜鉛が有望視され、世界の研究者はセレン化亜鉛半導体の開発に努力していた。しかし赤崎教授は結晶を作ることが難しいもうひとつの青色ダイオードの発光材料の候補であった窒化ガリウム半導体にこだわり、当時大学院生だった天野教授と共に、有機金属ガス原料を送り込むMetal Organic Vapor Phase Epitaxy(MOVPE)法を使ってサファイア基板の上に結晶の原子間隔の異なる窒化ガリウムを直接結晶化させるのではなく、より低温で窒化アルミニウムの結晶になりきらない軟らかい薄層を形成させてその上に窒化ガリウムを結晶化させることにより、1985年に高品質の窒化ガリウム結晶を作ることに成功した(窒化アルミニウム・バッファ層法)。生成した結晶はN型半導体であったが、赤崎教授と天野教授は1987年にマグネシウムをドープした結晶に電子線を照射することによりP型半導体を作ることにも成功した(電子線照射法)。

中村教授は日亜化学工業在職中に大量生産に適した窒化ガリウム半導体の製造を企て、1988年にMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)装置(有機金属気相成長法を利用した結晶成長装置)に着目し、この装置を所有していたフロリダ大学に客員研究員として赴任しこの装置に関する知見を深めた。帰国後、この装置を改良して水平方向から導入される原料ガスに加え、垂直方向から窒素、水素などの押圧ガスを挿入するツーフローMOCVD装置を開発した。この装置を使って1991年に高品質な窒化ガリウム・インジウム混晶の形成に成功し、また窒化ガリウムにマグネシウムを添加して水素を含まない雰囲気で熱処理することによりP型窒化ガリウムとなることを見出し、高輝度の青色LEDの量産化に成功した。中村教授については日亜化学工業との特許係争や、P型窒化ガリウムの開発は部下の研究員の功績である、などの理由で批判もあるが、中村教授に多額の研究予算を与えて青色LEDの研究を遂行させた日亜化学の経営判断、およびその期待に応えて実績を上げた中村教授の存在、更には青色LEDと最適蛍光体による白色LEDの開発が同社のLED業界での指導的地位を確定したのであり、中村教授なくしては高輝度青色LEDの量産化は実現しなかったであろう。

他のLEDの候補である酸化亜鉛をLEDとして使用するにはP型酸化亜鉛結晶の合成が必要であるが、酸化亜鉛は不純物や格子欠陥から供給される電子が多く、N型になりやすい。2004年、東北大学金属材料研究所の川崎雅司教授らのグループは成長温度調整法と呼ばれる原子レベルでの酸化物結晶制御技術によりP型酸化亜鉛の合成に成功し、これとN型を接合することにより青色LEDを作ることに成功した。酸化亜鉛青色LEDは窒化ガリウムLEDに比較して原料となる亜鉛が豊富に存在しかつ低価格のため、将来は酸化亜鉛により青色LEDの大幅な価格低減が期待される。
#受験 #外国語 #学校 #教育 #科学

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ゴルフ

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ゴルフ
日本のテレビニュースを見ていたら、倉本昌弘が日本シニアオープン選手権で優勝したニュースが流れていた。くまごろうがゴルフを始めた頃、倉本は日本を代表するプロゴルファーであり、テレビでの彼のゴルフレッスンをよく見たが、優勝した倉本は随分歳を取ったものだ。かく言うくまごろうも同じだけ歳を取ったので人のことは言えない。

最近文芸春秋で日本PGA会長である倉本が、東京オリンピックのゴルフ会場は既に内定した霞ヶ関カンツリー倶楽部ではなく、江東区の都営若洲ゴルフリンクスを使用すべきだ、と述べている記事を読んだが、オリンピック終了後の競技場利用の観点から倉本会長の主張は説得力がある。霞ヶ関カンツリー倶楽部は歴史ある名門コースではあるが、メンバークラブであり、一般人は簡単にはプレイ出来ないが、都営の若洲は誰でもプレイ出来る。コースまでのアクセスも選手村から至近距離であり、埼玉県川越にある霞ヶ関カンツリー倶楽部で開催する場合には競技場までの高速道路の通行規制が必要である、という点もコンパクトなオリンピックを売りにしてきた東京オリンピックでは若洲に分がある。舛添知事も最近ロンドンを訪問し、オリンピック終了後の競技場利用を重視する姿勢を示しているので、くまごろうは今後のゴルフ会場選定を注視していく。

MLBのワールドシリーズが終了し、Daylight Saving Timeから再び標準時に戻るとゴルフシーズンは終わる。今年のUSGAによるゴルフスコアのポスティングはワシントン州では10月31日で終了し、来年春まではラウンドしたスコアは登録されない。

今年のくまごろうのUSGAハンディキャップインデックス(GHIN)は17.1で始まった。シーズン初めは原因不明の不調で6月1日には18.4となったが、スウィング、アプローチショット、パッティングを色々と考察した結果、8月15日には16.3まで低減した。しかし努力の甲斐もなく目標の15.0を達成することは叶わず、16.8でシーズンを終えることになる。因みにシーズン終了時のGHINは昨年が前述の17.1、一昨年が16.1であった。

これからこの地域では雨が多く、気温も15℃以下でゴルフをやるにはベストには程遠い条件であるが、来シーズンのために出来るだけラウンドを重ね、念願の15.0以下を達成するために努力しよう。
#スポーツ

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水道水汚染その後

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水道水汚染その後
マーサーアイランド市より10月2日から公布されていた病原性大腸菌汚染対策のための水道水を飲食用および食器類の洗浄に使用する場合は沸騰する、更に歯磨きも沸騰した水またはボトル入りの飲料水を使用する、との指示が10月8日に解除された。この間、市は給水主配管のフラッシングを実施し、また毎日18ヶ所で水質検査を行い大腸菌汚染がないことを確認した。市が公表した水質検査のマップによれば、9月26日には島の北部3ヶ所および南部1ヶ所、水道水沸騰指示が出された翌27日には北部1ヶ所で汚染が検出されたが、その後汚染が検出されなかったために9月29日に指示が解除された。しかし10月1日に北部1ヶ所で汚染が確認され、翌2日に再び水道水沸騰指示が発令された。しかし10月2日以降は汚染が一切検出されなかったのでようやく指示が解除されたのだ。

 アメリカのような先進国で、その上マーサーアイランドに上水が供給されてからは完全密閉の給水システムでもこのような汚染が発生した原因はまだ特定出来ていない。市の一部地域のみで汚染が検出されているなら、その付近での水道管破損などによる逆流なども考えられるが、汚染は5キロメートル以上離れている島の北部と南部で検出されており、市によればこの原因は永久に解明されない恐れが高いとのことだ。念のため暫くの間、市は通常の約2倍の塩素を加え、殺菌効果を高めると言っている。

 しかし水道水が飲めないということは不便なものだ。生野菜の洗浄も出来ず、またいくつもの大きな鍋で水を沸騰させ湯冷ましを作ることは、くまごろう達若くないものにとっては結構な仕事となる。改めて清浄な水道水の有難さを認識させられた。
#政治 #歴史 #環境 #社会 #経済

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ネコ

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花里子似の植木 花里子似の植木 わがやの花里子 わがやの花里子
洋子さんの趣味は園芸である。フロントヤードやバックヤードに色々な草花を植え、くまごろうの目を楽しませてくれる。今はエゾギクが花盛りだ。

わがやのドライブウェイの入口近くに植えてから既に20年以上経つツゲの木があり、先日、洋子さんがわがやのおでぶのネコに似せてカットした。写真では背景の木々の緑にまぎれて少し見にくいが、一目ででぶっちょネコとわかる。
#園芸 #花

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水道水の汚染

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E. Coli Bacteri... E. Coli Bacteria (Wikimedia Commonsより借用)
アメリカではこのところテキサスでエボラ出血熱の患者が発生したと大騒ぎだが、くまごろうの住むマーサーアイランド市では9月27日、前日の日常的検査の結果市の水道水が病原性大腸菌に汚染されているため、水道水を飲食用および食器類の洗浄に使用する場合は沸騰すること、更に歯磨きも沸騰した水またはボトル入りの飲料水を使用するよう市民に指示すると共に、市内のすべての飲食店、コーヒーショップなどの閉鎖を命じ、水を使用するスーパーマーケットの生鮮野菜売り場や食肉・鮮魚売り場なども閉鎖された。この関係で9月29日は市内の学校もすべて休校となった。

わがやではこれに対応して9.5リットル入りの蛇口付ペットボトルの飲料水をキッチンや洗面所に置いて対応したが、炊事には水を沸騰させるので問題ないが食器洗いには困った。汚染されている水道水で下洗いした後に沸騰水ですすがなければならず、調理器具なども含めると結構大仕事になる。また生野菜のサラダが食べられなくなった。この問題でつくづく水道の有難さを実感させられた。この汚染水問題は9月29日の検査の結果陰性となったことにより解除されたが、10月2日、再び水道水の汚染が確認され、市は前回と同じ指示および命令を発令した。くまごろうたちは不便なだけだが、レストランなどは売上減となりたまったものではなかろう。

マーサーアイランド市は人口約23、000人の小さな市であり、他のシアトル周辺の市と同様に上水はシアトル市の組織のひとつであるSeattle Public Utilitiesから購入しているが、他の市に供給されている水道水は汚染されておらず、マーサーアイランド市の水道水だけから病原性大腸菌が検出されていると言う。ニュースによれば前回は6つの水質検査のうち4つのサンプルが汚染を示したとのことであり、今回も2つのサンプルで汚染が確認されているので検査結果を疑う余地は少ない。市は数年前にメインタンク内部のライニングを更新しており、われわれ市民が毎年受取る水質検査結果もすべて合格だったので安心していたが、場合によるとワシントン湖を横切る16インチと24インチのメインラインやポンプシステムなどに問題があるとか、原因はもっと重大なことかもしれない。その場合は解決にかなりの時間がかかることになるので、われわれ市民への影響は甚大である。
#政治 #歴史 #環境 #社会 #経済

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ゴルフ

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ホームコースの11番ホール/パ... ホームコースの11番ホール/パー4
9月になるとシアトルの多くのゴルフ場では冬の雨に備えるためにフェアウェイやグリーンに砂を撒く。そのため折角のゴルフシーズンなのにグリーンは遅く、フェアウェイのコンディションは悪くなっていつものようなゴルフが出来ない。

そのせいかどうかはわからないが、最近くまごろうのゴルフの調子は良くない。8月は90前後でラウンドしていたのに、9月になってからは90代の後半が多い。先週のラウンドでもパーのがしのボギーが2ホール続いた後の3番ホールで、第2打が20センチほど足りなくてグリーン手前のバンカーのほぼ垂直な部分に突き刺さり、バンカー脱出に3打も叩いてパー4のホールで8打となってしまった。このような不運が少なくなく、前半か後半のどちらかのハーフで50となってしまう。これではUSGAのハンディキャップを15.0以下とする今年の目標は達成出来ない。

ゴルフクラブのメーカーが使用しているスウィングマシンという機械でゴルフボールを打てば、スウィングプレーンを常に一定に保つことが出来、またクラブのフェースが目標に正しく向った状態で打つことが出来る。しかし生身の人間がスウィングする場合、フェースをきちんと合わせることが容易ではなく、もしもフェースの角度が5度狂えば200ヤード先では17ヤードも目標からずれることになる。加えてスウィングがアウトサイドインとなればボールに時計回りの回転を与え、ボールは右にカーブしてスライスとなる。1日に数百、数千ものボールを打って練習するプロならいざ知らず、くまごろうのような素人がボールを打つ場合は1打ごとにどこにボールが行くかは打ってみなければわからない。

最近のくまごろうのゴルフを詳細に検討してみると、ドライバーショットがフェアウェイにあるにもかかわらず、2打目がまっすぐ飛んでも狙ったラインからずれたり、スライスすることによりグリーンを外すことが少なくない。正確な2打目を打つよう、もう少し集中する必要がある。またグリーン手前が砂っぽいために、アプローチショットを失敗することもある。これらの点に注意して、残りが少なくなったゴルフシーズンを楽しみ、目標達成に努力しよう。
#スポーツ

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