地球とKepler 452bの想像図(Wikimedia Commonsより借用)
NASAは7月23日、2009年に打上げられたケプラー天体観測衛星を使って地球に最もよく似た惑星Kepler 452bを発見したと発表した。はくちょう座の方向約1400光年離れた所にあり、半径は地球の約1.6倍、組成はまだわかっていないが岩石惑星の可能性が高く、地球にとっての太陽にあたるKepler 452の周りを385日かけて公転している。
ケプラー天体観測衛星は地球と同じような環境にある太陽系以外の惑星の探査を行ってきたが、これまでは地球から600光年離れたKepler 22bが水の存在しうる唯一の惑星と言われてきた。今回の発見では、太陽と似た恒星であるKepler 452からの距離が液体の水が惑星表面に存在しうるハビタブルゾーンにあたり、水や生命の存在が期待されるという。しかし太陽系は誕生してから約46億年だがKepler 452系は誕生後約60億年経っており、そのためKepler 452bはKepler 452より太陽から地球が受けるよりも約10%多いエネルギーを受取っているので、水や生命は過去に存在しても今は失われているかもしれない、という見方もある。いずれにせよKepler 452bを詳しく観察することにより、今から15億年後の地球の姿を予測することが出来るかもしれない。
太陽系にも水のある星がある。木星の衛星であるユーロパは表面は厚い氷に覆われているが、氷の下に液状の海が存在し生物が生息している可能性があると言われている。また土星探査機カッシーニを使った調査により、NASAは2014年4月、土星の衛星のひとつであるエンケラドゥスには地下に液体の水でできた海があり、微生物が生息している可能性を示唆している。
日本では梅雨時の花であるあじさいがわがやでは今月初め頃から見ごろを迎えている。
バックヤードが一面つたで覆われており、その緑は目に優しいもののやや退屈なので10年以上前から直径15センチほどの鉢に植えられたあじさいを買ってバックヤードに植えてきたが、毎年買い足していったら今年はこの写真のようになった。ほとんどのあじさいは手毬あじさいで、1株だけがくあじさいが植えてある。
くまごろうにとってあじさいの名所といえば鎌倉の明月院を思い出すが、ちかごろでは全国各地にあじさいを売りにする神社仏閣が増えているようで、それらはニュースなどにもよく登場する。あじさいはくまごろうでも簡単に植栽出来るので、それらの場所ではきっとお手軽な植木なのだろう。
写真のあじさいの上の方に見える赤紫の木は2009年に植えた日本のもみじ(Emperor Japanese Maple)だが、6年経ってもあまり大きくならない。とは言え幹は直径2センチほどだったものが今では5センチほどになっている。1990年に訪れた金閣寺の参道にはみごとなもみじがたくさんあったことを思い出すが、もみじをあのような巨木に育てるには長い年月と十分な手入が必要なのだろうと実感する。
トヨタMIRAI(Wikimedia Commonsより借用)
2014年末にトヨタ自動車が燃料電池自動車MIRAIの販売を発表した。2015年末までに400台を販売する計画だ。またホンダも2015年中に燃料電池自動車を販売すると発表しており、いよいよ燃料電池自動車実用化の時代が到来した感がある。
自動車の原動機として歴史上は1769年のフランスのキュニョーによる蒸気機関が最初だが、これは実用化に至らなかった。19世紀になるとイギリスで蒸気機関を搭載した自動車による定期バスが運行され、フランスやアメリカでも普及していった。1870年にドイツでオットーがガソリンを燃料とした内燃機関を発明するとダイムラーがこれを改良して馬車に取付け、最初のガソリンエンジン自動車となった。実用的なガソリンエンジン車は1885年のドイツのベンツによる三輪車が最初で、数百台販売された。それ以来内燃機関が改良されることにより実用性や性能などが格段に向上し、自動車の原動機はガソリンまたはジーゼルエンジンが中心となり今日まで発展してきた。
1997年にトヨタがプリウスを発売して以来、低燃費で環境にやさしいということでハイブリッドカーの人気が上昇したが、これらのハイブリッドカーはスプリット方式と呼ばれるハイブリッドシステムを採用している。スプリット方式はエンジンからの動力をプラネタリーギヤ(遊星歯車)により発電機と車輪の駆動力に分割するシステムで、エンジンを最大トルクの低燃費領域で使用することにより燃費性能を向上させることが出来る。すなわち燃料消費の多い発進時や低速運転では電動機による駆動とし、減速時や下り坂では電動機を電磁誘導発電機として使用することによりエンジン効率を高める。ハイブリッドカーは通常のガソリンエンジン車より燃費性能の優れた車ではあるが、本質的にはガソリン車であり、また駆動にガソリンエンジンと電気モーターの2つの動力源を持つため、高価とならざるを得ない。
2008年にアメリカのテスラモーターズ、2010年に三菱自動車とニッサンが電気自動車の一般向け販売を開始した。これらの電気自動車はリチウムイオン電池と三相交流モーターを搭載し、電池に充電された電力で駆動する。電気モーターの高効率により燃費性能は高くハイブリッド車よりも低燃費だが、高速充電でも30分、通常の充電では8時間を要すること、および一回の充電による走行距離が200~300Kmとガソリン車やハイブリッド車に劣る。
電気自動車ではリチウムイオン電池にあらかじめ充電された電力を使用するのに対し、MIRAIのような燃料電池自動車では燃料電池で水の電気分解の逆を行い、水素を燃料として空気中の酸素と反応させることにより発電し、その電力で電動モーターを駆動する。すなわち水素分子は水素側電極の触媒層で電子を奪われ水素イオンとなって電解質溶液中を移動し、水素分子から奪った電子は外部の回路を通って酸素側電極にて酸素分子と結合して酸素イオンとなり、更に酸素イオンが水素イオンと結合して水分子となる。この際外部回路を通過する電子の流れにより水素側電極と酸素側電極の間で電気が発生する。リチウムイオン電池の場合は充電された電力がすべて放電されると放電が停止するのに対し、燃料電池では水素と酸素が供給され続ければ永続的に放電することが出来る。実際の燃料電池は水素側電極(負極)と酸素側電極(正極)の間にイオンの移動を可能にする高分子膜を電解質として貼り合せて一体化した膜・電極接合体を、水素と空気の供給や生成した水の排出を効率的に行うプレートで挟み込んだユニットを基本単位とし、これをユニットセルと呼ぶ。電極としてはカーボンブラック担体に白金、コバルト、ルテニウム・白金合金などの触媒が使用される。ユニットセルでは約0.7ボルトの発電能力があるが、これを直列に接続してより高電圧が得られるセルスタックとする。MIRAIでは370のユニットセルを重ねてセルスタックとし、発電能力が114キロワット(155馬力(PS))となっている。トヨタは『3Dファインメッシュ流路』と呼ばれるユニットセルの酸素供給プレートを超精密プレス加工で製作することにより改良し、酸素の供給および生成水の排水性を向上させることによって旧モデルと比較して2.2倍の出力密度となる3.1KW/Lを達成し、セルスタックの小型化に成功した。MIRAIは700気圧に圧縮された水素約5キログラムを容積122.4リットルの高圧タンクに充填することにより約650キロメートルの走行が可能であり、水素の充填は3分程度である。
日本における現在のエネルギー価格をもとに1キロメートルあたりのエコカーの燃費を見ると、ハイブリッドカー(トヨタプリウス)では4.9円、夜間電力を使用した電気自動車では1.3円であるのに対し、燃料電池自動車では8.5円程度となり、これは高級ハイブリッドカーとほぼ同等である。しかし将来水素を主たる二次エネルギーとした水素社会が構築されれば、水素の価格は低減し燃料電池自動車の燃費は格段に向上すると予想されている。
燃料電池自動車が普及するために克服しなければならない課題のひとつに、ガソリンエンジン車のガソリンスタンドに相当する水素ステーションの整備がある。ガソリンスタンドは全国に約35,000あるが、経済産業省によると2014年7月末で水素ステーションは首都圏、中京圏、関西圏、北九州圏の四大首都圏に45か所しかない。トヨタに加えホンダも2015年に燃料電池自動車の販売を予定しており、燃料電池自動車普及を促進するために経済通産省は水素ステーションを2015年度に100ヶ所とする計画である。東京都も独自に水素ステーションの整備を計画しており、2020年までに35ヶ所、2025年までに80ヶ所とする予定である。
発電の大半を化石燃料に依存している電力を利用した電気自動車と較べ、燃料電池自動車は電力を消費しないが、その燃料たる水素は今のところほとんどが天然ガスなどの改質により生産されるため、その過程で副産物として炭酸ガスを発生し脱炭素化には至っていない。また日本全体のエネルギー消費を見ると、運輸部門が占める割合は20%を超える程度で、残りの大半が電力としてのエネルギー消費である。将来を期待されている化石燃料に代り水素を二次エネルギーとする水素社会を実現するためには、燃料電池自動車はその起爆剤に過ぎない。化石燃料を使用しない水素の工業的な生産方法としては水力、風力、潮力、太陽光、地熱など再生可能エネルギーによる電力を使った水の電気分解が容易に想像出来るが、2015年のくまごろうのサイエンス教室『高温ガス炉』で述べた高温ガス炉原子力発電の高温ガス利用による熱化学水素製造法もまたそのひとつである。その記事の繰返しになるが、熱化学法では水とヨウ素の混合溶液に二酸化硫黄を反応させてヨウ化水素と硫酸を生成させ、高温ガス炉からのヘリウムによりヨウ化水素は400℃で分解してヨウ素と水素を、硫酸は900℃で分解して酸素と二酸化硫黄を生成させることが出来る。日本原子力研究開発機構では2030年の高温ガス炉による熱化学水素製造法の実用化を目指している。福島原発事故のような冷却剤喪失によるメルトダウンとは無縁にもかかわらず、高温ガス炉を含めた原発新設の否定は水素社会の構築という日本の将来にとって国益とはならないだろう。
更に遠い未来の世界を見れば、2013年のくまごろうのサイエンス教室『人工光合成』で述べた光触媒を用いた可視光による水の分解も2050年頃には水素製造法として実用化される可能性がある。
二次エネルギーとしての水素は従来の方法では長距離の大量輸送が容易ではない。天然ガスの場合は-160℃程度に冷却することにより液化が可能だが、水素は-253℃まで冷却する必要があり、現在の技術では冷却貯蔵は容易ではない。千代田化工建設が提案している有機ケミカルハライド法はトルエン分子に水素原子を結合させて常温で液体のメチルシクロヘキサンとし、水素の体積を約500分の1にして既存のケミカルタンカーで輸送して、消費地でメチルシクロヘキサンから水素を分離してトルエンを回収する方法である。同社はこのプロセスで重要なメチルシクロヘキサンから水素を分離するための高効率触媒の開発に成功している。有機ケミカルハライド法が実用化されれば、例えば日照時間が長い海外の砂漠などに高効率太陽光発電設備と水素製造設備を建設し、メチルシクロヘキサンとして輸入することにより、より廉価な水素の供給が可能になる。人類は有限かつ環境に負担となる化石燃料中心のエネルギー供給体制より脱却し、水素社会を実現すべく技術開発を推進すべきであろう。
シアトルでは先週より比較的暖かい日が続きここ数日は15℃以上だったので、わがやのさくらは1週間ほど前に開花したばかりなのに一気に開花が進み、本日で満開となった。昨年は3月23日、2013年は3月30日、2012年と2011年は4月8日、2010年は3月15日、2009年は4月11日の満開だったので、今年は2010年と同様早めの満開だ。来週にはお彼岸も来るので、これからはそれほど寒くなることはなさそうだ。
わがやのさくらはこの家に引越してきた翌年の春に日系の植木屋さんから買って来て植えた『そめいよしの』で、植樹してから25年目となる。植えた時の幹は直径3センチほどだったが今では30センチを超える大木に成長している。
九州以北の日本での今年のさくらの開花予想は最も早い高知で今月20日、名古屋23日、東京24日、仙台4月9日となっているが、今年のシアトルは高知よりも早い開花だ。今夜は花見酒と洒落込もう。
このところシアトルは高気圧が居座って良い天気が続いている。2月28日は最低気温は4℃と寒いものの最高気温が12℃まで上がり、日差しの暖かいこの時期としては望外のゴルフ日和となった。天気予報によれば東海岸は相変わらずの寒波に襲われ、シカゴやボストンでは大雪との由、ひとごとながら気の毒なことで、快晴のもとでゴルフをラウンドしていることに少し後ろめたさも感じる。
来週の日曜日からDaylight Saving Time(サマータイム)が始まり、いよいよ本格的なゴルフシーズンとなる。冬の間も氷雨やぬかるみと戦いながら練習してきた成果を発揮するときが来た。今年こそは丁寧なショットやパットを心がけ、目標のUSGAインデックス15を達成したいものだ。
写真はホームコースの9番ホールパー4。チェリーが満開だ。このさくらは風雨に強く、そめいよしののような風情に欠けるが、春の訪れを感じさせてくれる。
日本のエネルギー政策の基本となる第4次エネルギー基本計画が2014年4月に閣議決定され、原子力発電は重要なベースロード電源として位置づけられた。今年になって経済産業省の作業部会が始まり、具体的な電源別構成比について今年6月を目途に決定するという。国民の多くはマスコミなどの影響で技術的なことは抜きにして原子力よりも再生可能エネルギーを重視すべきだ、と感じていると思われるが、福島第一原発事故により原子力はもうごめんだ、という発想はくまごろうにはあまりにも非科学的に見える。人類の歴史は科学技術の進歩抜きには考えられないが、自然に対する人間のあくなき探究心と問題を克服する意欲が現代の科学技術を作り上げてきたのだ。原発事故を教訓とし、原子力平和利用の安全性を一層配慮することが人類の進歩につながる道であろう。
これまでの日本における原子力発電はほとんどが水を減速材および冷却材に使用した軽水炉型だったが、福島での事故は冷却材喪失によるメルトダウンという過酷事故であり、原子力規制委員会は既存原発の再稼動の認可条件として冷却材喪失が起こらないバックアップを厳しく求めている。原子力発電には軽水炉の他にも減速材に重水を使用する重水炉、黒鉛を使用する黒鉛炉、更には高速増殖炉などがあり、ここで述べる高温ガス炉はヘリウムを冷却材とした黒鉛炉のひとつである。高温ガス炉は前述のエネルギー基本計画でも安全性の高度化に貢献する将来の原子力技術の候補とし、日本原子力研究開発機構が設計・建設した熱出力3万キロワットの高温工学試験研究炉(HTTR)を使用して研究開発を推進してゆく方針である。
高温ガス炉が注目される最大の特徴はその安全性である。炉心温度は950℃程度と高温だが炉心構成材の黒鉛は2000℃以上の高温に耐えられ、黒鉛の熱容量が大きいため炉心温度の変化が緩慢であり、更に電源喪失や事故などにより冷却システムが機能しない場合でも原子炉格納容器からの自然放熱により冷却が可能なことである。核燃料は直径数ミリの炭化珪素セラミックス球の中に保持されているが、この被覆層は炉心の理論上の最高温度1600℃よりも高い2200℃に長時間さらされても核分裂生成物を保持することが出来、メルトダウンに至ることはない。2010年に行われた前述のHTTRを使用した実験では、出力30%の状態で冷却材であるヘリウムガスを停止すると10分程度で出力が1%に低下し自動停止に至った。軽水炉では運転中の炉心温度は約300℃だが、核燃料を収納する被覆管は金属のジルコニウム製のため、冷却材である水を喪失すると炉心は2000℃程度に達し、福島事故のように被覆管が溶融してメルトダウンするのとは対照的である。冷却材として使用するヘリウムは不活性物質のため他の物質と化学反応せず、また炉内で中性子にさらされても放射化しない。
高温ガス炉で使用されるセラミックスで被覆された核燃料粒子は一般的には二酸化ウランだが、核分裂中に生じるプルトニウムも燃料としてそのまま使用されるため核燃料の使用効率が高く、軽水炉のように使用済み核燃料を再処理してプルトニウムとウランの混合燃料MOXをつくり、プルサーマルとして使用する必要がない。その結果、発電量に対する放射性核生成物を軽水炉の30~40%程度まで低減することが可能である。高温ガス炉からの使用済み核燃料からセラミックス被覆を取除く技術は既に確立しており、再処理工場で核分裂生成物を分離することが出来る。先に『使用済み核燃料の処分』でも述べたが、核分裂生成物の中には非常に長い半減期を持つ物質があるが、これらは加速器駆動核変換システムなどによる消滅処理を行えば、人類による管理が可能な半減期の短い物質に変換することが出来る。
基本的な高温ガス炉では核分裂反応によって高温となった炉心でヘリウムガスを960℃に加熱し、この高温ガスでガスタービンを駆動することにより発電する。軽水炉では冷却材が水のため300℃程度までしか加熱出来ず、そのため発電効率が35%弱であるのに対し、高温ガス炉による発電では高温のため50%近くまで発電効率を上げることが出来る。また発電に使用した後のヘリウムは200℃程度と高いので、この廃熱を利用して海水の淡水化や地域暖房などを行えば、70%程度の高い熱利用率が達成出来る。前述した日本原子力研究開発機構の高温工学試験研究炉(HTTR)は研究炉の段階だが、研究陣はガスタービン発電機を備えた実証炉の2030年までの運転開始を視野に入れている。
高温ガス炉は発電だけが目的の原子炉ではない。燃料電池自動車の普及などによる来るべき水素社会に向けて高温ガス炉による熱化学水素製造法の研究が進んでいる。メタンなど炭化水素の改質による水素製造では二酸化炭素が発生し、また水を直接分解するには2000℃以上の高温が必要であるが、熱化学法では水とヨウ素の混合溶液に二酸化硫黄を反応させてヨウ化水素と硫酸を生成させ、高温ガス炉からのヘリウムによりヨウ化水素は400℃で分解してヨウ素と水素を、硫酸は900℃で分解して酸素と二酸化硫黄を生成させることが出来る。日本原子力研究開発機構では2030年の高温ガス炉による熱化学水素製造法の実用化を目指している。
高温ガス炉では高温ガスが得られることにより、発電や水素製造以外にもエチレン製造などの石油化学、石炭液化、製鉄などへの応用も可能であり、低炭素社会の達成には大きな切り札となる可能性を秘めている。
高温ガス炉実用化のために必要な技術開発に空気突入による原子炉の火災防止とセラミックス被覆核燃料の高度な品質管理がある。前者については2重、3重の安全設備により克服できるはずであり、また後者は日本が得意とする品質管理の問題であり、高温ガス炉の安全性を否定するような重大な欠陥とはならないであろう。
目を海外に転じるとアメリカ、ロシア、フランス、韓国、中国などが高温ガス炉の開発を行っており、特に日本とならんで既に試験炉を稼動している中国は2017年までに21万キロワットの実証炉の臨界を目指している。現在は冷却材温度が750℃と日本原子力研究開発機構の実績に劣るが、中国内陸部は冷却水を多量に必要とする軽水炉の立地に適していないため、今後多くの原子力発電所を計画している中国は高温ガス炉の開発に力を注ぐと思われる。日本も脱原発などとのんきなことを言わず、日本原子力研究開発機構による実証炉の建設を急ぐべきである。
10キロレースコースの一部であるMercer Island Trail
今年もあと数日を残すのみ。今年もくまごろうは結構真面目に週2回のランニングを続けた。1月3日の8キロランが走り初めで、12月25日の8キロランが今年93回目のランニングとなった。多分大晦日までにもう1回走って今年は94回となるだろ。昨年は101回走っているので及ばないが、記録を取りはじめた2008年が82回、例年は90回前後なので平年を上回る走り込みだ。幸いなことに今年は1度も膝痛、腰痛、捻挫などがなかった。
今年は5月頃から体力の衰えを感じて5.8キロと7.7キロを交互に走った時期もあり、11月には来年のマーサーアイランド10キロレースはやめて5キロレースに参加しようか、と真剣に考えたが、もしもそうすればこれからは毎年5キロレースにしか参加しなくなるだろうと思い、完走出来なければ途中歩いても良いと考えなおして、12月初めに3月のレース以来初めて10キロのレースコースを試走した。タイムは1時間7分53秒で今年のレースタイムである1時間3分59秒より遅いが、例年レースでは練習よりも早く走っているので大略今年のレース並みのタイムになることが期待出来る。10キロを走れることを確認後は毎回8キロを走っている。
今日、2015年3月22日のマーサーアイランド10キロレースに登録した。もう後戻りは出来ない。新年を迎えたら何回か10キロのコースを走ってレースに備えるつもりだ。
2011年の東日本大震災による福島原子力発電所の事故以来、日本では相変わらず原子力発電所の運転再開に対する反対論が根強いが、直ちにすべての原発を廃炉にしても現存する多量の使用済み核燃料処分の問題が残る。使用済み核燃料には半減期が24,000年であるプルトニウム239など長半減期元素が含まれるため、ガラス固化して地下に保管するにしても地震や火山の噴火が多発する日本では安心して保管出来る場所が限定され、また科学的に適切と判断された地元では反対運動が起こるであろう。原発即廃止を主張する小泉元総理、細川元総理、菅元総理、あるいは多くの原発反対野党には使用済み核燃料の処置についてどのような名案があるのだろうか。
軽水炉ではウラン238が97%、放射性物質であるウラン235が3%の核燃料を使用するが、使用済み核燃料には概略ウラン238が95%、ウラン235が1%、プルトニウム239が1%、核分裂生成物が3%含まれる。核分裂生成物の中には中性子を吸収するために安定的な原子炉の運転を阻害する元素があるためこれを分離除去し、約1%づつ含まれるウラン235とプルトニウムを回収してウラン燃料やMOX(Mixed Oxide、2酸化ウランと2酸化プルトニウム混合物)燃料として再び軽水炉などで核分裂させれば、プルトニウム239は半減期が30年程度の核分裂生成物に変換することが出来る。MOX燃料を使用する軽水炉がプルサーマル(プルトニウムとサーマル・ニュートロン・リアクターからつくられた和製英語)であり、東日本大震災が発生するまでは日本でもいくつかの原発で営業運転されており、日本原燃は青森県六ヶ所村に再処理工場やMOX燃料工場を建設し、いわゆる核燃料サイクルを完成させる計画であった。再処理により使用済み核燃料に含まれる放射性物質を再利用するとともに、半減期の長い高レベル放射性物質を大幅に削減することが可能となるのだ。反対に原発即停止は核燃料サイクルを破綻させ、結果的に大量の高レベル放射性廃棄物を生み出すことになる。
再処理工場で分離された核分裂生成物には大きく分けてFP(Fission Product、セシウム137、ストロンチウム90、ヨウ素129、テクネシウム99など)とマイナーアクチナイド(Minor Actinide, MA、ネプツニウム、アメリシウム、キュリウムなど)があり、これらの中には非常に長い半減期を持つ物質があるが、世界では核分裂生成物を半減期の短い元素に変換させる研究が行われている。日本では核種分離・消滅処理と呼ばれている長寿命核種の処理法が京都大学原子炉実験所や、高エネルギー加速器研究機構と日本原子力研究開発機構の共同事業であるJ-PARCの加速器駆動核変換システム(ADS)で研究開発が行われている。ADSは加速器からの高エネルギー陽子を鉛・ビスマス合金のターゲットに当てると鉛またはビスマスの原子核が数十個の破砕核となって壊れるとともに20-30個の高エネルギー中性子を発生するが、この中性子がマイナーアクチナイドの原子核に衝突すると核分裂反応が起きて人類が管理可能な半減期の短い核または安定な核となると同時に中性子を発生し連鎖反応が進行する。加速器駆動未臨界炉(ADSR, Accelerator Driven Subcritical Reactor)はADSの余剰なエネルギーを電力として取り出すことを目的とした次世代の原子炉である。原発を所有する世界各国では高レベル放射性廃棄物の処理は重要事項であり、このような加速器を使用した消滅処理を含めた原子炉の研究開発はフランス、ベルギー、アメリカ、ロシア、韓国などでも進められており、国際原子力機構、OECD、NEAなどによる国際協力も進行中である。
これとは別に日立製作所グループは原発の運転で生成する半減期の長い超ウラン元素(Trans Uranium Element, TRU、ウランより原子番号の大きいプルトニウムおよび前述のMA)をウラン燃料とともに燃料として使用する資源再利用型沸騰水型原子炉(Resource Renewable Boiling Water Reactor, RBWR)の研究開発を行っている。沸騰水型原子炉は世界中で多くの実績があり、この新型炉が2030年頃に実用化されれば、使用済み核燃料から排出される高レベル放射性廃棄物の半減期は10万年から300年程度まで短縮出来、人類による管理が可能になる。この新型炉は原発ではあるが、高レベル放射性廃棄物の消滅処理設備ともいえる。
福島原子力発電所の事故は東日本大震災によって引き起こされたとはいえ電源喪失に対する配慮が不十分な設計であったことは否定出来ず、周辺住民に甚大な被害を及ぼし、国民が原発の再稼動や新設に慎重になる気持ちはくまごろうも理解出来、特に長期間にわたり自宅への帰宅が叶わない被災者の将来に対する不安や望郷の念を思うと深く同情する。しかしわれわれは福島原発事故により多くのことを学び、その知識を生かして人類のより良い未来を切り拓いてゆくべきである。一回の事故により、原発は怖いから運転再開や新設を一切認めない、というのではあまりにも幼稚な思考法で知恵がなさ過ぎる。原子力規制委員会がこの事故を教訓として想定出来る現実的な自然災害に耐えうる、と認定した原発を稼動させることは、単に経済上の利点で判断されるべきではなく、上に述べた使用済み核燃料の危険性を取除いてゆくためにも必要なことである。それがこれまで原発を使用して利益を得てきた現代人が子孫に対して果すべき責任であると思う。
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