10月31日のニューヨーク外国為替市場で円相場は5営業日ぶりに反発し、前日比1円40銭円高・ドル安の「1ドル=151円95銭〜152円05銭」で取引を終えています。日銀総裁の発言が金融引き締めに積極的だとの受け止めが広がり、円相場の支えとなりました。円の高値は「1ドル=151円84銭」、安値は「1ドル=153円05銭」でした。
10月31日の金融政策決定出会合で日銀は政策金利の据え置きを決めています。会合後の記者会見で<植田和男総裁>が政策判断を巡り、これまでの「時間的な余裕がある」との表現を使いませんでした。早期に追加利上げする可能性が意識され、引き締めに積極的なタカ派の姿勢を示したとの見方から、幅広い通貨に対して円が買われています。市場では、日銀は一部で懸念されていたほど(引き締めに消極的な)ハト派的ではなかったようだとみられています。
週間の新規失業保険申請件数は21万6000件と前の週から減り、市場予想(23万件)を下回っています。半面、7〜9月期の雇用コスト指数は前期比(0.8%上昇)と、市場予想(0.9%上昇)以下でした。米経済の底堅さを意識した円売り・ドル買いが出る場面もありましたが、円売りの勢いは限られました。11月1日発表の10月の米雇用統計に注目が集まります。