今年の読書(55)『県警の守護神』水村舟(小学館)
10月
10日
本書、<水村舟>の『県警の守護神 警務部監察課訟務係』は、第2回警察小説新人賞受賞作品です。
警察小説は、捜査一課を中心とする殺人事件が主体ですが、本署は訟務係を舞台としています。警察が訴えられたときに事件を処理する部署です。
新人警察官の「桐嶋」が、ショウネンオウンテンスルバイクを追跡していると、少年は自損事故を起こし、助けようとした「桐嶋」はひき逃げに合います。病院で目を覚ますと少年は死亡しており、その責任を負うべく民事訴訟を起こされていました。
そんな彼女に元に現れたのが、監察課訟務係の「荒城巡査部長」でした。裁判では敗け知らずの「県警の守護神」と呼ばれている男は、元裁判官で弁護士資格を持つ異色の警察官でした。
警察小説と法廷小説の趣向もたっぷりで、勝利のためには汚い手も使う、ゆがんだ正義感の「荒城」の個性が印象的で、「桐嶋」と「荒城」の対立と連帯感を、原告代理人の辣腕女性弁護士との闘いの中で、スリリングに描いています。