週明け29日のアジア外国為替市場では円が対ドルで急落し、日本時間10時半に一時「1ドル=160円台」を付けています。1990年4月以来34年ぶりの円安ドル高水準となりました。
これでは終わらず、午後1時ごろ、「1ドル=159円台半ば」だった円相場は、今度はするすると円高ドル安に振れていきました。それから1時間ほどの間に、「1ドル=155円台前半」まで円高ドル安が進んでいます。
市場では、日本政府・日銀が為替介入を実施した可能性があるとみられています。特段円高へ傾く好材料もない中、投機筋が仕掛けた可能性もあります。
財務省の<神田真人財務官>は29日午後2時過ぎ、財務省内で記者団に対し、円高ドル安が一時進んだことに関し「今はノーコメント」と述べています。
円は対ユーロでも下落し、一時「1ユーロ=171円台」と単一通貨ユーロが導入された1999年以来の最安値水準を付けています。
日銀が前週末に金融政策決定会合で現状の緩和政策維持を決定。海外市場でも当面追加利上げがないとの観測が広がりました。一方、米国はインフレ圧力が根強く、連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ開始時期が遅れるとの見方から、円を売る動きが一気に進んでいます。日米の金利の差という根本的な要因が続く限りは、円安の進行に歯止めをかけられるのは一時的との見方が大勢です。