香港におけるホームレス排除問題を描いた『原題:濁水漂流』が、邦題『香港の流れ者たち』として、2023年12月16日より公開されます。
本作は高架下のホームレスが強制退去させられ、政府への賠償請求の裁判を起こし、社会問題にまで発展した2012年の実話をもとにした作品です。再開発の陰で追いやられるホームレスの排除問題を軸に、移民問題や薬物に蝕まれる貧困層などさまざまな社会問題を浮き彫りにしています。
主人公は刑務所を出所し、再び深水埗(シャムスイポー / しんすいほ)の高架下で暮らし始めるホームレスの「ファイ」です。ある晩、事前通告なしにやってきた食物環境衛生署によって、「ファイ」と仲間たちは住処や身分証明書など何もかも失ってしまいます。ソーシャルワーカーの助けを借り、政府に賠償を求める裁判を起こしますが、和解金を前に意見が割れ、彼らは散り散りになっていきます。
『エグザイル/絆』で知られる<フランシス・ン>が「ファイ」役で主演を務めたほか、『香港ファミリー』の<ツェー・クワンホウ>、1990年代に香港のトップ女優として知られた<ロレッタ・リー>、『風の輝く朝に』の<セシリア・イップ>が出演しています。このほか『返校 言葉が消えた日』の<セシリア・チョイ>、『原題:別叫我“賭神”』で<チョウ・ユンファ>の息子役に抜擢された<ウィル・オー>、『私のプリンス・エドワード』の<チュー・パクホン>が出演しています。
監督を務めたのは、2018年の長編デビュー作『トレイシー』が第31回東京国際映画祭のアジアの未来部門で上映された<ジュン・リー>です。長編2作目となる『香港の流れ者たち』では、香港電影金像奨では10部門11ノミネート。台湾の金馬獎では11部門12ノミネートされ、脚本賞を受賞しています。日本では2022年に全国5都市にて開催されました「香港映画祭2022」で最多動員を記録し注目を集めました。
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