ファルコン昆虫記(990)「アワフキムシ」の幼虫の巣
6月
2日
カメムシ目(半翅目)アワフキムシ上科アワフキムシ科の昆虫の総称としての「アワフキムシ(泡吹虫)」ですが、幼虫が排泄物をあわ立てた泡状の巣を保護のため用いているのでこの名がついています。
「アワフキムシ」の幼虫は多年生の植物にしがみついて口針を維管束に刺し、そこの道管を流れる液にわずかに溶け込んだアミノ酸やミネラル分を栄養としてほとんど移動せずに暮らします。その際、道管には大量の水分にわずかにしか栄養分が溶け込んでいないため、消化管の一部が変化した濾過室で栄養分を濃縮しつつ吸収し、大量の水分を排泄します。
界面活性剤の水溶液でできた「泡巣」は気門と気管で呼吸する昆虫にとっては通常致死的であるため捕食性の昆虫に対して高い防御性を発揮し、アリなどが巣の中の幼虫を捕食するのは溺死してしまうため不可能に近い状態を作り出しています。
つまようじ等でつつけば幼虫が出てくると思いますが、自然での撮影を基本としていますので、どのような種類の「アワフキムシ」なのかはわかりません。