ネジバナ新種@「ハチジョウネジバナ」
3月
26日
国内ではこれまで、九州以北に広く分布して6月以降に咲く「ネジバナ」と、琉球列島に分布して3月ごろ開花する「ナンゴクネジバナ」の2種類が確認されていました。
研究グループは、九州以北の「ネジバナ」に通常より1カ月以上早く開花し、子房や花茎に毛のない個体があることに気付き、形態やDNAを詳しく分析し、新種と特定しています。新種は九州、四国、中部、関東に広く分布しますが、最も多くの個体が見つかった伊豆諸島・八丈島の名を冠し「ハチジョウネジバナ」と命名されました。
「ネジバナ」は花がらせん状にねじれてつくことから名付けられ、万葉集にも『芝付乃 御宇良佐伎奈流 根都古具佐 安比見受安良婆 安礼古非米夜母/芝付(しばつき)の 御宇良崎(みうらさき)なる 根都古(ねつこ)草(ぐさ) 逢ひ見ずあらば 吾(あれ)恋ひめやも』(第14巻3508番歌:作者不詳)と詠まれ、「あなたと逢うことがなかったならば、私はこのように恋に苦しむことはなかっただろうに」の恋の歌です。
この「ねつこぐさ」が、「ネジバナ」と推測されています。ただし、「オキナグサ」という説もあるので、実際のところはわかりません。