2013年10月、高齢者売春クラブ「三愛」経営の男(70)が警視庁に逮捕されました。クラブの会員数男性1000人、女性350人、最高齢は88歳。超高齢化社会の日本が抱える、老人の孤独死、介護問題、おひとりさま問題などの不安が反映された同事件をもとに、〈擬似家族〉と化した高齢者専用売春クラブの姿を通して、現代社会に横たわる閉塞感や、高齢者・若者どちらにも共通する「寂しさ」を人情味たっぷりに描き出す社会派群像劇『茶飲友達』が、2023年2月に全国順次公開されます。
主演は、俳優の<岡本玲>(31)が演じ、監督は、長編デビュー作『燦燦ーさんさんー』がモントリオール世界映画祭(2014年)に正式招待され、2021年には若い男女の切ない逃避行を描いた『ソワレ』が公開された<外山文治>が務めています。
主人公は、高齢者専門のコールガール「茶飲友達(ティー・フレンド)」を設立する29歳の「佐々木マナ」。新聞の三行広告に「茶飲友達、募集。」と掲載し、集まってきた男性の元へ高齢女性を派遣するビジネスを始めます。
「ティー・フレンド」に在籍する通称〈ティー・ガール〉たちの中には、介護生活に疲れた女性、ギャンブルに依存した女性などさまざまな事情を抱える者がいました。 一方「佐々木マナ」のもとで「茶飲友達」を運営する若者たちもまた、出口の見えない社会の中で閉塞感を抱えて生きています。 そんなままならぬ若者や高齢者を束ねる「マナ」は、彼らを「ファミリー」と呼び、擬似家族のような絆を育んでいきます。
『茶飲友達』のワークショップには応募総数677人の中から選ばれた年齢差57歳の33人のキャストが参加しています。撮影前に行われたクラウドファンディングでは、目標額をはるかに超える800万円超が集まるなど、すでにインディーズ映画ファンの間では、はやくも注目を集めている作品です。
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