『ベイビー・ブローカー』@<是枝裕和>監督
6月
19日
子どもを育てられない人が匿名で赤ちゃんを置いていく「赤ちゃんポスト(ベイビー・ボックス)」を介して出会った人々が、織り成す物語を描いています。
古びたクリーニング店を営みながらも借金に追われる「サンヒョン」と、赤ちゃんポストのある施設で働く児童養護施設出身の「ドンス」には、「ベイビー・ブローカー」という裏稼業がありました。ある土砂降りの雨の晩、2人は若い女「ソヨン」が赤ちゃんポストに預けた赤ん坊をこっそりと連れ去ります。しかし、翌日思い直して戻ってきた「ソヨン」が、赤ん坊が居ないことに気づいて警察に通報しようとしたため、2人は仕方なく赤ちゃんを連れ出したことを白状します。
「赤ちゃんを育ててくれる家族を見つけようとしていた」という言い訳にあきれる「ソヨン」でしたが、成り行きから彼らと共に養父母探しの旅に出ることになります。一方、「サンヒョン」と「ドンス」を検挙するため尾行を続けていた刑事の「スジン」と「イ」は、決定的な証拠をつかもうと彼らの後を追います。
「サンヒョン」役の<ソン・ガンホ>のほか、「ドンス」役に『MASTER/マスター』の<カン・ドンウォン>、刑事の「スジン」役に『空気人形』に主演した<ペ・ドゥナ>、「ソヨン」に<イ・ジウン>が出演しています。
2022年・第75回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、主演の<ソン・ガンホ>が韓国人俳優初の男優賞を受賞しています。また、人間の内面を豊かに描いた作品に贈られるエキュメニカル審査員賞も受賞した作品です。