青森県弘前市の久渡寺に残る幽霊画『返魂香之図』が、江戸期屈指の京都の画家<円山応挙>(1733~1795)の真筆であることが、弘前市教育委員会が認め、市有形文化財に指定されています。 絵のモデルなど、その来歴はこれまで謎に包まれていましたが、今回の調査で弘前藩家老<森岡主膳元徳>が亡くした妾「國(くに)」の面影を慕って<円山応挙>に描かせた可能性が高いことが判明しています。 とかくおどろおどろしい印象が先行しがちな幽霊画ですが、「もともとは亡き人を偲ぶためのよすがだった」ようです。