オリオン座とベテルギウス(画像:アルマ望遠鏡チームなど提供)
冬の夜空に明るく輝く オリオン座の「ベテルギウス」 が昨秋から暗くなっています。もともと明るさが変わる変光星ですが、通常の範囲を外れた暗さだとの情報が、天文ファンの間で出回り、寿命が尽きて超新星爆発を起こすのでは、と話題になっていますが、専門家は否定的です。
オリオン座はギリシャ神話の狩人オリオンがモデルで、ベテルギウスは右肩の赤い星。質量は太陽の約20倍、約1千万年の寿命のうち9割を過ぎたとみられています。爆発すれば天の川銀河で約400年ぶりの超新星で、月ほど明るくなった後、見えなくなる可能性があります。
暗くなっているのは事実のようです。通常は0等から1.2等の幅で明るさが変動しますが、昨年12月ごろからは従来の幅を超えるくらい暗くなったといいます。
ただ、異常事態かどうかには疑問があるようで、国立天文台の<山岡均>准教授は「測定精度は観測者による差が大きい」と指摘。2003年と2007年にも同程度に暗い時があったといいます。何より「超新星爆発と今回の変光は無関係」とのこと。爆発前に星が暗くなるような現象は起きないといいます。
642光年先の「ペテルギウス」の変化は、今後の観測を待つしかないようです。
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