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<浦沢直樹>@『夢印』

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<浦沢直樹>@『夢印』
今から4年あまり前、2014年頃にルーヴル美術館から『本格科学冒険漫画 20世紀少年』『MONSTER』などで知られる<浦沢直樹>氏に漫画作品の執筆依頼がありました。ルーヴルは漫画を「第9番目の芸術」と認め、ルーヴル☓漫画の共同プロジェクトを企画していたのです。<浦沢>氏は当時抱えていた連載作品で忙しく、長いことその企画に取りかかることができませんでした。

その詳しい経緯は、単行本『夢印』豪華版の<浦沢>氏のあとがきに詳しく書かれてありますが、「9番目の芸術」としてではなく「日本漫画」として描く。漫画は、漫画であって、より自由で、馬鹿馬鹿しくて、美しい。果たして、<浦沢直樹>氏が出した答えは、<イヤミ>を主人公にするというものでした。赤塚不二夫先生の生み出した『おそ松くん』のキャラクター<イヤミ>です。今も東京のどこかに生きていて、日本、フランス、世界の壮大なドラマのうねりを生み出す中心となる。<浦沢直樹>氏が生み出す「日本漫画」の自由さ、馬鹿馬鹿しさ、美しさが、つまっています。

同作は、ルーヴル美術館との共同プロジェクトの一環で、2017年10月~2018年2月に『ビッグコミックオリジナル』で連載。多大な借金を負った父と娘が、藁をもつかむ気持ちで訪れた古い館の看板には“仏研”と書かれていました。館内の暗がりを親子が歩き進むと、一人の男が静かに座っており、男は初対面の親子に「夢を見る人にしか、ルーヴルから美術品を拝借した話なんて、してあげないざんす」と告げる。ある一つの家族、一枚の絵、一人の謎の男の姿が描かれます。

昨日小学館から発売された通常版(842円)は、264ページのボリュームでカバーは両面印刷。豪華版(2916円)は、特製装飾箱入りで、上下巻の分冊仕様。連載時のカラーページを完全再現し、雑誌掲載時と同サイズの大きなB5判となっています。
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