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- 今年の読書(39)『政と源』三浦しをん(集英社文庫)
東京墨田区、荒川と隅田川に挟まれたY町の水路には、江戸時代に象が船で運ばれたという話しが伝わっています。その水路がある下町に73歳の元銀行員の<政>こと<有田国政>と、同い年の幼馴染であるつまみ簪職人の<源>こと<堀源二郎>、その弟子20歳の<吉岡徹平>と年上の彼女<マミ>たちを主な登場人物として連作短篇が六話が収められています。
性格が真反対の<政>と<源>ですが、ともに戦争を潜り抜けた無二の親友として仲良く付き合ってきています。
<政>の妻<清子>は、仕事一筋の夫に愛想を尽かせて、娘の家に出向いたきり家出状態です。そんなおり、<徹平>と<マミ>の結婚話が持ち上がり、師匠の<源>の奥さんは早くに亡くなっていますので、<政>に仲人の依頼がかかります。あわてる<政>です。
江戸っ子気質の<政>と<源>の二人が、下町で繰り広げる幼馴染と夫婦関係の妙が楽しめた人情譚の一冊でした。
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