今年の読書(35)『ゼロと呼ばれた男』鳴海章(集英社文庫)
7月
1日
元航空自衛隊二等空尉の<那須野治郎>の回想録的に物語は始まります。
F-4EJのパイロットであった<那須野>は、自衛隊勤務時にソ連の「死の商人」と呼ばれたパイロットが操縦するステルス偵察機に対し、命令を無視して発砲、その際に後部乗務員の同僚を死なせてしまいます。
米軍に派遣されたことがあり、ケンガクニイスラエルに出向きますが、1973年10月8日の<Dデイ・ヨム・キップルの戦い>に参戦、エジプト空軍の戦闘機を撃墜するも、別の敵機に撃墜された過去を持っています。
彼のコールサインは<ジーク>と呼ばれ、第二次世界大戦中、米軍が「ゼロ戦」につけたあだなが、<ジーク>で、<茄子野>が日本人であること、また名前の「治郎」が英語で発音するときに「ゼロ」の発音と似ているところから、名付けられています。
戦闘機パイロットの熱い熱気が伝わり、そう快感を感じさせてくれる一冊でした。