『果てしなき渇き』深町秋生(宝島社文庫)
1月
18日
そんな最中、元妻<桐子>から、高校生の娘<加奈子>が行方不明との知らせを受け、住まいを訪れますと、娘の部屋から大量の覚せい剤が見つかります。
<加奈子>を探していく過程で、娘が悪名高い不良グループ「アポカリプス」と関係していることがわかり、いつしか<藤島>は、娘が地元の裏社会や政財界の人間までをも巻き込んだ大規模な犯罪行為に手青染めていることを知り、彼女を中心とした内部抗争に巻き込まれていくうちに、<藤島>自身が凶暴性を帯び、狂うように真実を追求し出します。
3年前に起こった中学校時代の<加奈子>の元恋人<緒方>の自殺を背景として、ぼくこと<瀬岡>という少年の回想を挟み込みながら、<藤島>は自ら<加奈子>に犯した罪の仕打ちを背負いながらの生き様は読者を圧倒、驚愕のラストまで一気に読ませる作品でした。