12月23日のイブイブから、12月24日のクリスマスイブまでの一日を、青森駅を舞台として、鉄道マンと乗客との人間模様が描かれた一冊でした。
主人公は26歳の<城野修一>で、車掌研修時代のある不祥事で駅員として青森駅に勤務していますが、改札口で9年ぶりに元カノの<横須賀敦子>と偶然顔を合わせるところから物語は始まります。
突然青森駅を襲った爆弾低気圧の大雪で各電車が止まり、選挙の応援演説に来る総理大臣が電車内閉じ込められ、一人で家出してきた5歳の<健太>、白血病の<千里>とその看護師である<北井彩>、推薦受験のために東京に向かう<修一>の後輩<遠藤>など、なんとかして24日中に東京に行かなければならない登場人物たちが、クリスマス寒波に巻き込まれ身動きが取れなくなってしまいます。
青森駅長代理の<山下麻衣子>は、<修一>を駅員として現場に戻した上司ですが、この巻き込まれた乗客たちを救うために<真の鉄道マンとはなにか>を<修一>の行動に教えられ、辞表覚悟である行動を決断します。
それぞれの人生が交錯するエンディングの構成は、猛吹雪の冷たい青森駅のイメージから、ほのぼのとした暖かい気持ちに切り替えさせるてくれました。
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