公共プロジェクト なぜ費用が膨らむの
7月
27日
公共プロジェクトの「不思議」
この絵の左側に描かれているのは、現在ワシントン州で進められているライトレール(LRT)の工事現場です。このプロジェクトは、浮橋(フローティングブリッジ)の上を電車が走るという、世界でも類を見ない試みです。
この絵の左側に描かれているのは、現在ワシントン州で進められているライトレール(LRT)の工事現場です。このプロジェクトは、浮橋(フローティングブリッジ)の上を電車が走るという、世界でも類を見ない試みです。
本来であればすでに完成していなければならない区間なのですが、未だに工事が終わっていません。しかも、問題はここだけではありません。プロジェクトの途中で当初の計画が勝手に拡張され、2035年完成予定だったものが、現在では2046年完成予定へと大幅に遅延しています。
そしてその期間中、私たちワシントン州に住む全ての車の所有者は、"RTAタックス"(ライトレール建設費用のための追加税)という名目で、毎年税金を支払い続けなければならないのです。
世界共通? 予定通りに終わらない公共事業
こうした事例はアメリカだけの話ではありません。日本でも、いや、世界中で同じようなことが起きています。
最近イギリスで聞いた話があります。とある自治体が「公共の公園に公衆トイレをひとつ設置しよう」という計画を立てました。なんとその予算は、日本円で約2億円。トイレ一基に2億円という見積もりに市民の反発が起き、この計画はいったん却下されました。
するとある団体が「そのトイレ、私たちが責任を持って製造し、無償で寄付します」という提案を出しました。しかし政府の回答は「その提案ではコストがかかりすぎる」とのこと。
無料なのに、なぜコストがかかるのかと尋ねたところ、「許可、管理、インスペクション(検査)などの事務的コストが非常に高い」という答えが返ってきました。ではその事務コストはいくらかかるのかと聞くと、「計画、認証、マネジメント、許可手続き等で約1億5,000万円かかる」とのこと。
結局この話は白紙に戻されましたが、すでに「この計画を検討するための会議」や「調査」に数千万円が使われていたというのです。
経営者、起業家のためのビジネスコンサルティングサービスを無料で提供しています。
お申し込みは UCHIKURA CO のホームページから。
毎週水曜日にニュースレターを配信
させて頂いています。短くて読みやすい内容です。
お申し込みは UCHIKURA CO のホームページから。