間違いを間違いと認められないの?
世の中には、自分の間違いをすぐに認められない人が多くいます。これは一個人に限ったことではなく、会社の方針を決める経営者や役員の中にも同じような人が少なくありません。特に最近の若い世代は、子供の頃から間違いをやんわりと受け止められる環境で育ったためか、失敗を正面から認めることに慣れていない人が多いように感じます。
もちろん、間違いを認めることは簡単ではありません。しかし、認めないことで生じる影響の大きさを理解することこそが重要ではないでしょうか。経営を続けていく中で間違いを避けることはできません。私自身、パシフィックソフトウェアパブリッシングを38年間経営してきて、振り返ればその決断の8割は間違いだったのかもしれないと思うことがあります。本当に正しかったのは残りの2割だけだったかもしれません。もしその2割だけを選び取れていたなら、今よりも会社は安定し、大きく成長していたかもしれません。
しかし、実際にはやってみなければ分からないのです。大切なのは、間違いを間違いと認め、同じ過ちを繰り返さないこと。とはいえ、別の種類の間違いはこれからもいくらでも起こるでしょう。間違いは終わることがない——それもまた現実です。
だからこそ、私たちは間違いを恥じるのではなく、学びの材料として受け止めるべきだと思います。間違いを認める勇気こそが、次の一歩を確実なものにしてくれるのです。