今年の読書(124)『偽りの血』笹本稜平(幻冬舎文庫)
10月
6日
著者お得意の山岳小説と、刑事モノとしてのミステリーを合わせた骨太の作品でした。
アウトドアー関連のルポライター<深沢>の所に、6年前に自殺した兄の件で、自殺する三日前に結婚した<朱美>の依頼で弁護士<楠田>が現れ、他殺かもしれないと打ち明けられます。
弟として、兄が自殺するような性格ではないと考えていただけに、調べてゆくと不仲の父を受取人として多額の保険金が支払われた事実をつかみます。
<楠田>と協力しながら、6年前の真相を突き止めるべく<深座>は突き進んでいきますが、劇的な結末まで息もつかさぬ流れで楽しませてくれる一冊でした。