“秋・・紫陽花(1)??”《襍観・/・点描‘16-58》

タマアジサイ(玉紫陽花) アジサイ科(Hydrangeaceae)
学名:Hydrangea involucrata Sieb. var. involucrata
タマアジサイの蕾。


茎、葉に短毛が密生する。葉は対生、葉柄があり長さ10~20㎝の長楕円形。
縁に牙歯状の細鋸歯があり、鋸歯の先が芒状になる。
葉の両面はざらつき、葉の基部は円形、葉先は尖る。
蕾は苞に包まれ、直径2~3.5㎝の球形になり、花期が他のアジサイより遅いのが特徴である。
白い装飾花は3~5個。すべて装飾花になるものはテマリタマアジサイという。
開ききると覆っていた殻は落ちてしまうので、タマアジサイと判りやすいのは咲き先始め頃。
タマアジサイの名前は、丸い玉状のツボミの中に花を構成する全てが入っていることから。
季節外れに、遅れて咲いたアジサイではなく、9月前後に咲くタマアジサイ。
玉アジサイが咲き終わると、ヨウラクタマアジサイ(瓔珞玉紫陽花)の花が咲きだす。
玉紫陽花の自然自生地は、本州(福島県~岐阜県)の太平洋側の山地。
落葉低木で山地の林内、丘陵の谷間に見られる。日本固有種だが園芸的にも人気がある。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
晩夏から秋に2種類のアジサイが見れる。
春のアジサイと趣がちょっとことなって映るは、僕だけの感覚か??
柔らかい、とっても柔らかく感じる。
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「大和市・泉の森(植栽されたもの)」


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“初秋の野草”《襍観・/・点描‘16-57》

ノハラアザミ(野原薊) キク科(Asteraceae/Compositae)
学名:Cirsium tanakae (Franch. & Sav.) Matsum.
Cirsium oligophyllum (Franch. et Savat.) Matsum.
キンエノコロ(金狗尾) イネ科(Poaceae)
学名:Setaria pumila (Poir.) Roem. et J.A. Schult. subsp. pumila
Setaria glauca auct. non (L.) P. Beauv.
英名:yellow foxtail , yellow bristlegrass , pidgeongrass
蜜でも吸っているのだろうか?


ノハラアザミ(野原薊)
ノアザミが初夏から夏なら、ノハラアザミ(野原薊)は秋の花。
見分けは、花の下部(総包)に粘りがあるのがノアザミ、粘りがないのがノハラアザミ。
秋の花とはいえ7月頃から咲くこともあり、花期は長い。
「ノアザミ」(野薊)学名:Cirsium japonicum Fisch. ex DC.
ノアザミは葉の基部が茎を抱いているのでくべつできるが、葉形は、よく似ている。
「アザミ」の種類は日本だけでも80種もあり、世界では200種を超える。
アザミ(薊)の由来は「花に魅かれて触ると葉のトゲに刺される」、
つまり「あざむく」が変化してアザミとなった由。

キンエノコロ(金狗尾)
秋になり穂が成熟してくると黄金色、キンエノコロ名の意味が分る様になる。
雑草と呼ばれているが、結構見応えがある。
葉は無毛で、基部だけに長毛があり、
表面がややざらつき、裏面は平滑で光沢がある。
花序は長さ3~10㎝の円柱形。小穂の基部には黄金色の剛毛(総苞毛)が密生する。
小穂はアキノエノコログサより大きく、長さ3㎜前後、幅2㎜前後、厚さ1.5㎜位。
類似のコツブキンエノコロは総苞毛が赤褐色~黄金色で小穂の長さが2.5㎜位と短い。 

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この所、机・PCと対面、書籍資料と格闘している。
年寄りの悪あがきかも知れないが、結構楽しんでいる。
所が、余りにも長時間椅子に座りっぱなしで腰痛を引き起こしてしまった。
散歩もままならない!! それでも散歩をしなければ、と。。。!
身近の里山を周ると小さな花や虫達が沢山、見える。
昆虫・鳥は、全く分からず、でも調べるのも面倒!!只々眺めるのみだ。
混同しやすい花名、雑草と呼ばれる草、そんな花達と出会えるのが楽しい。
※ ※ ※ ※ ※ ※





キンエノコロ(金狗尾) イネ科(Poaceae)
学名:Setaria pumila (Poir.) Roem. et J.A. Schult. subsp. pumila
Setaria glauca auct. non (L.) P. Beauv.
英名:yellow foxtail , yellow bristlegrass , pidgeongrass
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“鎌酸実”《襍観・/・点描‘16-56》

ガマズミ(鎌酸実、莢迷)の樹  レンプクソウ科(Adoxaceae)
学名:Viburnum dilatatum Thunb. ex Murray
別名:アラゲガマズミ、ヨソゾメ、ヨツズミ
実が付いた全体像、以前は10月に見られたが、今年は9月に??
「ガマズミ実虫コブ」
タマバエの一種による虫こぶ。正常実の2~3倍の、大きさの球形になる。
色は淡緑色から淡紅色を帯び、表面には白色の短毛が密生する。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
「ガマズミ(鎌酸実、莢迷、アラゲガマズミ)」
落葉低木で樹高2-3m程度、高さ約5mにもなる樹もあるとか。
若枝にはかたい開出毛がみられ、その毛には束生毛と星状毛が混じることがある。
若い樹皮は灰緑色だが、古くなると灰褐色(灰黒色)になる。
葉は対生、葉身は倒卵形や卵形から円形。ふちには浅い鋸歯がある。
表面には羽状の葉脈がわずかに出っ張り、凹凸がある。
表面は脈上にだけ毛があるが、裏面では腺点や星状毛などが多い。
5~6月頃に枝先に散房花序をだし、白い小さい花を多数つける。
晩夏から秋にかけて3-5mm程度の果実(核果)をつけ食用となるらしい。
赤く熟し、晩秋の頃に表面に白っぽい粉をふきこの時期がもっとも美味しいとか。
近年では絞り汁が「ジョミ」の商品名で飲料として出回っている。
果実は、やや平べったい感じの卵形で表面はツヤがある。
漬け物の着色や衣料の染色に利用されていた由。
それ故、一説には「蒲染め」が訛ったもので染料に由来する。
冬芽は、長さ3~5mmの卵形。芽鱗は2対あり、外側の1対は小さい。
房状の果実を観賞用として庭木にしたり、庭に来る鳥の食にも供した。
枝は柔軟性があり折れにくく民具の柄や薪類を束ねるのに使われていた。
雪国では、枝をねじり輪状にし「かんじき(雪の上を歩くための道具)」にも使われている。
魔除けとして杖にする地方もある。
近縁のコバノガマズミやミヤマガマズミの葉は細長く先端が尖った楕円形で、区別できる。
「ガマズミ実虫コブ⇒「ガマズミミケフシ」
以前、ブログルでも記載したことがあった。
タマバエの一種による虫こぶ。
色は淡緑色から淡紅色を帯び、表面には白色の短毛が密生する。
画像のガマズミの赤い実の中に少し大きめで毛の生えた実がたくさん見える。
これは、健全な姿ではなく、ガマズミミケフシという虫こぶ。
ガマズミミケフシタマバエというハエの幼虫が実に寄生してこのような形に。
晩秋に虫こぶは地上に落ち、ハエの幼虫はその中で越冬する。
翌年の春に蛹化、初夏に成虫が羽化するのだそうだ。
「ガマズミミケフシ」漢字で書くと「鎌酸実実毛五倍子」となる。
「五倍子」(フシ)とは、虫こぶのことに由。
この虫こぶを作らせる犯人はハエの1種で「ガマズミミケフシタマバエ」。
「鎌酸実実毛五倍子玉蠅」現代人には、面倒な漢字表現だが覚えておきたい。
鎌酸実 (ガマズミ) の実 (ミ) に毛 (ケ) が生えている五倍子 (フシ) 虫こぶ。
ガマズミミケフシタマバエ Pseudasphondylia rokuharaensis(タマバエ科)
玉蠅 (タマバエ)という名の蠅が共生している。何とも不思議な光景である。
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「大和市・泉の森、2016/9/10」




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“オリンピック報道e.t.c.”《凡声・/・叛逆のろれつ》

ペンは剣よりもつよし!!

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リオオリンピックが終わり、パラリンピックも終わろうとしている。
今回のリオ大会、個人的感覚では“東京オリンピック”の序章!!
の感慨を持った(今回参加の選手たちのコメント等を聞いてもおもった)。
今回のリオ大会に照準を併せて調整してきたことは事実だろうが。。。
だが、次回の東京オリンピックに向けて狼煙を上げているやに映るのだ。
そんな中、男性アスリートの活躍は目覚ましく驚きであった。

以前よりスポーツ報道、国としての表彰のあり方にも疑問を持っていた。
かつてオリンピック種目柔道で金メダルを連続して3度獲得したにもかかわらず、
翌日の有名スポーツ新聞の1面を飾らなかった柔道の野村忠宏選手の偉業は??
谷亮子(田村亮子)選手が、全て1面を飾っていた。
これはオリンピックで男子60kg級と女子48kg級が同日に行われるに起因したか???
1990年代から常にマスコミに注目され続けていた谷選手、
一方の野村忠宏選手はアトランタ五輪まで無名であった。
マスコミの掲載!?!優先順位は谷選手の方にあったのだろうが。。。!
『田村亮子、まさかの銀メダル!  野村忠宏、まさかの金メダル』
これはどう見てもスポーツ報道としておかしいと思うのだ。
だが本人の野村忠宏選手は、引退会見で「(谷は)特別な存在。」と言っていた。
自分と同日の試合で、国民期待のプレッシャーが一身に掛かっていた彼女はすごかったと。
3大会とも(自分が谷と)同じ日に試合ができて良かった」とも述べていた。

今回オリンピックでの結果を踏まえてか、レスリングの伊調馨選手に国民栄誉賞が授与される。
結果を見れば素直に賞賛したい。だがかつての国民栄誉賞受賞者の選考基準は???
報道という側面から見て、
今回のオリンピックで卓球男子シングルスで、水谷隼選手が銅メダルに輝いた。
オリンピック卓球競技の個人種目で日本男子が獲った史上初のメダル。凄い結果だ。
だがこの勝利はそれ以上の深い意義を持っている。
2012年のロンドン五輪でメダルを獲得できなかった水谷選手は、勇気ある言・行動を起こす。
卓球界で公然の秘密、補助剤(ブースター)を一掃し公平な競技環境を、と問題提起した。
以前、卓球選手たちの多くはスーパーグルーという接着剤を使用してラバー張り替えしていた。
これはただ貼るだけの目的でなく、この溶剤を使い接着することでラバーに化学反応を起こさせ、
ラバーの反発力等が変わり回転数や球速が劇的に増加する効果があったとされている。
ところが、有害な物質を含有しており、ある選手が中毒症状を起こし重体になった。
それをきっかけに使用が禁じられた経緯がある。
だが、次に選手たちが採り入れたのが補助剤(ブースター)であった。
ラバーを貼るとき、補助剤を塗るとスーパーグルー同様にラバーが変質し、
回転数と球速が飛躍的に増す。その打感を経験するとそれなしではいられない程、効果がある由。
この補助剤も規則で禁じられているが、使ったかどうかを検査する方法がないこともあって、
多くの選手が違反を承知で使っている実態がある。
水泳で言えば、話題となった高速水着が禁止になったにもかかわらず、無視して使い続け、
しかもお咎めなしで順位も記録も正式に認められる状況が続いている。実際には野放しの状態。
ロンドン五輪の頃、補助剤を使っていないのは水谷隼選手等、日本選手とごく一部の外国選手だけ。
海外の選手はほとんどが使っているのではないかと思われる状況がある。
選手は、試合で打ち合うと一発でわかるという。打つ音がまるで金属音のように響く。
信じられない回転数で、威力のあるボールが飛んでくるからだ。
このような不正、そして不公平が放置されたら、卓球競技は健全さを失う。いやすでに失っている。
それに対して声を上げたのが水谷隼選手だった。
世界に向けて、卓球選手の間では公然の秘密になっている不正の横行を伝え、改善を呼びかけ、
公平性が回復するまで「国際大会には出場しない」と宣言もしている。
その行動に対して、「ロンドン五輪でメダルを獲れなかった言い訳をするな」といった批判があった。
そういう経緯があってのリオ五輪、銅メダル獲得の重さは、格別だ。
卓球の日本選手の活躍、経緯を知って観戦すると、称賛しきれない。

リオ五輪は、メダルラッシュに沸いたが、日本のアスリートの潮流が変化しているように僕には映る。
卓球の水谷選手、体操の内村航平選手、カナディアンカヌー男子スラロームの羽根田卓也選手等々。
特にすごかったのは、男子100m X 4リレー。ウサイン・ボルト選手を驚かせた日本の底力。
モンゴロイドがニグロイドに並んだか!?!
筋肉が、得意種目を決めるのは必然だろう。
今回の陸上男子400メートルリレーで思ったのは、筋肉の種類、つまり白筋と赤筋である。
白筋は瞬発力に関係し、本当に白い。魚でいえばヒラメの身が白いのと同じ。
彼らが長距離を泳がず、一瞬のうちに捕食するという行動に長けている。
一方、赤筋は持久力に関係し本当に赤い。
赤いのはミオグロビンという酸素を運ぶタンパク質が含まれているからだ。
ミオグロビンのおかげで筋肉に酸素を補給しつつ体を動かすことができる。
魚でいえばマグロの身が赤いのと同じで、彼らが長距離を泳ぎ続けるという行動に適応している。
ニグロイドでも東アフリカのケニアやエチオピアの選手が長距離走に、
西アフリカや同地域にルーツがあるジャマイカやトリニダード・トバゴなどの選手が短距離走に。
と、それぞれ得意分野が違うのは、筋肉の中に含まれる白筋と赤筋の割合が異なるからだろう。
そして気候風土と言った歴史の中で淘汰された体質も在ることと思える。
モンゴロイド(日本人を含む)といえば赤筋の方の割合が多く長距離走のほうが適しているはずだ。
簡単には言えないが日本人、4人の選手達が、ジャマイカに次ぐ2位でゴールした“驚愕”である!
連携プレーを得意とする日本ティームの技術力は、もっともっと高く称賛しても良い。
今回の五輪で日本人のすごさを世界に知らしめた瞬間であったと思って止まない。
「倭国・和の国」日本の良い点を遺憾なく発揮出来た。
競技結果、其れは其れだ。だが日本人の素養、感覚を提示できたのではあるまいか。
オリンピックは、国の代表として戦っているのだから。
最後になってしまったが、パラリンピックもオリンピックに劣らない大会。
もっともっと大きく報道して欲しいものだ。次回の東京大会が楽しみである。
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“季節感「ががいも」”《襍観・/・点描‘16-55》

ガガイモ(ガガ芋・蘿芋) キョウチクトウ科(Apocynaceae)
学名:Metaplexis japonica (Thunb. ex Murray) Makino
別名;ゴガミ、カガミグサ、ジガイモ、チチクサ(乳草)、クサパンヤ
花・葉を眺めrていると特段不思議にも思えないが??
実が割れ裂けて来ると徐々に面白い形状になってくる。
種子が現れて・・風で浮遊しはじめる様は、
まさにケサランパサランって感じである。
(以上の画像は、以前、八甲田山麓で観たもの)

ガガイモ(ガガ芋・蘿芋)
日当たりのよい野原にはえ、長く伸びるつる性の多年草である。
地下茎で繁殖して広がり、茎は切ると白色の乳液が出てくる。
葉は、長さ5-10cmで長卵状心形(先は尖る)で対生、裏面は白緑色を帯びてる。
晩夏頃に葉脈の脇から花序(柄)を出して、淡紫(淡紅)色の花をつける。
雄蕊と雌蕊がくっついており(短筒状に合着)星型の花を固まってつける。
花冠は直径約1cmで5裂し外側に反曲。内側には長い毛が密生する。
中心部にはずい柱があり、柱頭は長く口ばし状に花冠から突き出す。
副花冠は環状でずい柱の基部を取り巻く(雄しべの間につく)。
雄しべはし、肉柱体(ずい柱)を形成し、中心から柱頭が。柱頭の先はよれて曲がる。
花粉は花粉粒が集合し、塊状の花粉塊(惰円形)を作る。
花粉塊は葯室の中にあり、葯の付属体間にある5個の小球(捕捉体)に2個ずつぶら下がりつく。
1個の花びらは、海中のヒトデを連想させる程に面白い姿。
袋果は長さ8~10cm、幅約2cm程の広披針形で、表面にはイボ状の突起(ニガウリ似)がある。
熟すと片側で裂けて、褐色の種子を出す。根は有害。
種子は扁平な楕円形で翼があり、先端に種髪と呼ばれる長い絹糸のような毛がある。
若芽は食べられる。種子の絹糸状の毛は綿の代用として印肉などに用いられた。
又、葉や果実は滋養強壮の薬として、茎や葉から出る白い汁は、イボや虫刺されの治療に利用された。
生薬名を羅摩子(らまし)という由。
有効成分:プレグナン誘導体サルコスチン、ブレグラリン、ネタプレキシゲニン等。
滋養強壮に、乾燥した種子、茎葉を粉末にして1日2回2~3グラム服用。
茎葉の粉末と、クチナシの果実の粉末を酢で練って腫れ物などに外用として塗布したとある。
生の茎葉は、解毒・腫れ物に、細かく切ってから麦粉・酢と良く練って外用で患部に塗布。
茎葉から出る白い汁は、イボやヘビ、虫刺されに患部に塗布したと資料にあrった。
種子の白毛は、切り傷の止血になった由。
若芽は、熱湯でゆでて水にさらしてアク抜きし、油いため、煮物、混ぜご飯などにして食べた。
花期は、8下旬~9月中旬。草丈は、つる性で長さ8m以上にもなる。
茎の長く伸びてる姿、他の植物の上に覆いかぶさる様は、マント群落を思わせる。
名前の由来;ガガイモはガガミイモの転訛であるといわれている。
葉がカメの甲羅に似ているため、スッポンの意味であるゴガミの名がついた等、不可思議な名の植物。
野原や河原などに蔓を伸ばして繁殖するが、自生(野生)と思しきものは少なくなった。
古く、古事記には大国主命の国造りをしたといわれる。
クナビコナ(少彦名神)が、「天の羅摩(カガミ)の船にのって・・・」という記述がある。
これが、ガガイモの果実のサヤに乗って小さな神様が来たとされていて、
日本では古くからガガイモが親しまれていた証であろうか。。。!
イケマもガガイモと同様に茎葉を折ると白い汁を出し、似たような薬効があるらしいが、
根には、アルカロイドを含み毒性があるとか。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
二日前、日曜日の昼間、久しぶりに泉の森を散歩した。
お目当てのマヤランやクロヤツシロランを探す寸前に大粒の雨が!?!
早々に退散した。それにしてもこの節の雨脚の気まぐれさ!!
現代を象徴してるやにも感じる。
扨、さて、ガガイモの花と久しぶりに御対面。未だ少し早いって感じでちらほら花をつけていた。
この花に関心を持つのは、昔より言われている民間伝承上の謎の生物「ケサランパサラン」を想って!
『ケサランパサラン、ケ・セランパサランは江戸時代以降の民間伝承上の謎の生物とされる物体である。
外観は、タンポポの綿毛や兎の尻尾のようなフワフワした白い毛玉とされる。
西欧でゴッサマー (gossamer) やエンゼル・ヘアと呼ばれているものと同類のものと考えられている。
概要;白い毛玉のような物体で、空中をフワフワと飛んでいると言われる。
一つ一つが小さな妖力を持つ妖怪とも言われ、未確認生物として扱われることもある。
名前の由来については、スペイン語の「ケセラセラ」が語源だという説、
「袈裟羅・婆裟羅」(けさら・ばさら)という梵語が語源だという説、
羽毛のようにパサパサしているからという説、
「何がなんだかさっぱりわからん」を意味する東北地方の言葉との説、などがある。
穴の開いた桐の箱の中でおしろいを与えることで飼育でき、
増殖したり、持ち主に幸せを呼んだりすると言われている。
だが、穴がないと窒息して死んでしまう、おしろいは香料や着色料の含まれていないものが望ましい、
1年に2回以上見るとその効果は消えてしまうなどと言われることもある。
ケサランパサランを持っているということはあまり人に知らせないほうがいいと言われているため、
代々密かにケサランパサランを伝えている家もあるという伝説もある。
1970年代後半に、ケサランパサランは知れ渡る。
この時ケサランパサランとされた物の多くは、花の冠毛からできたものであった。
ケサランパサランとの関係は明らかになっていないが、
江戸時代の百科事典『和漢三才図会』には鮓荅(へいさらばさら)という玉のことが記載されている。
同書によれば、これは動物の肝臓や胆嚢に生じる白い玉で、鶏卵ほどの大きさのものから、
栗やハシバミくらいの小さいものまであり、石や骨にも似ているがそれとは別物で、
蒙古人はこれを使って雨乞いをしたとある。
これをオランダで痘疹や解毒剤に用いられた平佐羅婆佐留(へいさらばさる)と同じものとしている。
近代では、「鮓荅」は「さとう」と読み、動物の胆石や腸内の結石と解釈されている。
正体は明らかではなく、以下のように“動物の毛玉”“植物の花の冠毛”などいくつかの説がある。
またはこれらすべてを総称してケサランパサランとして認識されている可能性もある。
植物性
アザミやオキナグサ、ブタナなどといった植物の花の冠毛が寄り集まって固まったものであるとされる。
ガガイモの種の綿毛とも言われる。
綿状のカビだという説もあり、白粉を与えると増えるというのはこのためだとも言われる。
また、ビワの木でよく目撃されることから「ビワの木の精」とも呼ばれている。』
ーーーーー以上は、ウィキペディアの記述を抜粋。ーーーーー
こんなことを想いながら、ガガイモと対峙していた。
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“思い出した華「緋扇」”《襍観・/・点描‘16-54》

ヒオウギ(緋扇) アヤメ科(Iridaceae)
学名:Iris domestica (L.) Goldblatt et Mabb.
Belamcanda chinensis (L.) DC.
別名:カラスオウギ(烏扇)
艶っぽい・・・種子。
どうしてこんな色合いを出せるのだろう!!
花名になった葉の姿。
(借り物画像)

幅の広い葉が扇を開いたように並ぶことから花名がついた!?!
ちなみに檜扇とは、檜の薄片を扇状に合わせた板扇で、宮中の儀式に使われていたもの。
ヒオウギアヤメ や ヒメヒオウギズイセン も同じ意味の名前。
ヒオウギの実の中には、黒い種がある。万葉集の枕詞「ぬばたま」はこの実のこと。
「居明かして 君をば待たむ ぬばたまの 我が黒髪に 霜は降るとも」
本州~沖縄の日当たりのよい山地の草原に生える。
葉は長さ30~50cm。扇状にでる。花茎は高さ1m前後になる。
上部で枝を分けて数個の苞をつけ、中から2~3個の花をだす。
花は直径3~4cm、花被の内外片は同形同大で平開する。
橙色で内面に暗赤色の斑点が多数ある。
さく果は楕円形で長さ3cm位、種子は直径約5mm、球形で黒く光沢がある。
種子が球形、黒色で光沢がある事でうば玉、ぬば玉と呼ばれている。
根茎は射干といい薬用にする。観賞用にも栽培される。
名前の由来,葉の並び方が檜扇に似ていることから。
以前はヒオウギ属 Belamcanda であったが、DNA系統解析でアヤメ属になった。
低山の草原等で普通に見られる。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
「草原・丘陵に映る植物」
日本では古くから親しまれており、生花材料としても栽培されてきた。
京都では祇園祭には欠かせない花、時期が来ると軒先などにヒオウギが飾られる。
栽培種は草丈が低く、ヒオウギの変種とされるダルマヒオウギがある。
茎葉が反り返るように湾曲する生け花向きのものなど、いくつかの品種や系統がある。
花は一日花、次々と咲き続け花後に袋状の大きな鞘ができる。
熟し割れ中から黒いタネが出てくるが、タネはしばらく落ちずに残る。
それ故、ユニークな花材として利用されている。
ヒオウギは東アジア原産の1属1種の植物、北アメリカでは帰化植物として野生化している由。
「ブラックベリー・リリー」と呼ばれるのがそれッて聞いた。
一般的に流通では品種名のないものが多く異様に思う。
単にヒオウギ、またはダルマヒオウギの名前ばかりが目につく。
ヒオウギ「黒」や「夜」の枕詞に使われる。種子の黒さの輝きは、実に見事だ。
ぬばたま(射干玉)、又は、うばたま(烏羽玉)と呼ばれるのも納得が行く。
しかし、ヒオウギの花自体を歌った和歌が万葉集にひとつも無い。不可思議でもある。
夏から秋にかけて咲く。。。午前中に咲き夕方にしぼむ一日花。
「ぬば」は、黒色を表す最も古い語。
京都の祇園祭時、昔から家々の軒先に魔よけとして飾られて来た花。
又、根茎を干したものは生薬名で「射干(やかん)」と呼ばれる。
消炎、利尿、去痰、風邪に効果があるらしい。
江戸時代に書かれた「和漢三才図会」に扁桃腺に良く効くとある。
ヒオウギは花よりも種子で名のある花である。
祇園祭といえば、、、屏風祭りの「桧扇」の花!!
祇園祭は、宵山と山鉾巡行だけではないですよね!!
7月1日の吉符入りにはじまって、31日の疫神社夏越祭まで、色々有りますね。
神輿洗、お迎え提灯、稚児社参、宵宮神賑奉納神事、神幸祭、花傘巡行、還幸祭と。
30日余りも続く祭事は、祇園祭だけでしょうか!!
鉾町の家々では、自慢の屏風や蔵から持出した家宝などを座敷に飾って披露します。
その屏風の前に桧扇(ヒオウギ)の活花を飾るのが慣習ですよね(暫く拜していないので???)
花に神が宿ると考えた祖先の思いが、屏風祭りの桧扇にも伝承されて。。。風情あります。

先日、住まい近くのお宅でのガレージ野菜売り(週1日)に出かけた。
庭の片隅に植栽されたヒオウギが、見事な花をつけていた。
花を観ていて色々と昔を思い出した。
※ ※ ※ ※ ※ ※


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“思い出の華・五「高嶺蓬・四葉塩竃」”《襍観・/・点描‘16-53》

《画像左部分》
タカネヨモギ(高嶺蓬) キク科(Asteraceae)
学名:Artemisia sinanensis
《画像右部分》
ヨツバシオガマ(四葉塩竃) ハマウツボ科(Orobanchaceae)
学名:Pedicularis chamissonis var. japonica
(画像は、北アルプス槍ヶ岳・・槍沢)

タカネヨモギ(高嶺蓬)
オオヨモギやミヤマオトコヨモギ等と同じ高山種のヨモギ。
茎は20~50cm、葉はニンジンの様に羽状に切り込み裂片の先は尖り細い葉が特徴。
茎の上部に半球形の黄色い花を下向きに多数つけ、地味だが夏山を彩っている。
本州(中部・東北)の高山に自生し、日本固有種である。
花後にできる実は、そう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見える)。
属名の Artemisia はギリシャ神話の女神「アルテミス(Artemis)」を意味し、
この属の植物が婦人病に効くということから名づけられた由。
種小名の sinanensis は「信濃の」という意味。蓬とは思えぬ大形の花、不思議な姿だ。
ヨモギとは「よく燃える木」からきた名前だという。
お灸のモグサはヨモギの葉から作るが、よく燃えたら、熱くてたまらないのでは??


ヨツバシオガマ(四葉塩竃)
ミヤマシオガマと良く似るが、四葉の名のように鋸状の細い葉が4枚づつ輪生する。
仲間にエゾシオガマ、オニシオガマ、モエシオガマがある。日本固有種である。
また、白花のシロバナヨツバシオガマも存るが、未見。
茎高は、10cmから50cm位。「四葉塩竃」の花名は、諸説あるが不可思議な命名だ。
花冠は唇形、上の唇は兜状になり先は鳥の嘴のように曲がって尖る。
下の唇は3つに裂ける。萼は筒状で、先が5つに裂ける。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)。
花言葉は「誘惑」的を射てるか!?!観察してるとらしく映る。
属名の Pedicularis はラテン語の「pediculus(シラミ)」からきている。
種小名の chamissonis はドイツの詩人で植物学者の「カミッソ」を意味する。
変種名の japonica は「日本の」という意味。
別名:くちばししおがま(嘴塩竃)
ヨツバシオガマ(広義) Pedicularis chamissonis には、次のような変種がある。
エゾヨツバシオガマ var. chamissonis 北千島・カムチャツカ・アリューシャン列島。
キタヨツバシオガマ var. hokkaidoensis
ヨツバシオガマ(狭義) var. japonica(ssp. japonica) 日本(本州中部以北・北海道)。
クチバシシオガマ f. rostrata(var. longirostrata) 日本(本州中部の高山)。
レブンシオガマ var. rebunensis  
ミヤマシオガマ(深山塩竈) Pedicularis apodochila
ヨツバシオガマとの違いは、葉が細かく切れ込み根元から束になって出て、背丈が低い。

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「個性的に映る高山植物」
上記した2つの花は、どちらかと言うと地味な花だろうか!!
山岳パトロール(山の監視員・山岳レンジャーの前身)をしている時、
お世話になってる山小屋に麓からプロパンガスボンベ等を担ぎあげた事があった。
今では、ヘリを使って荷揚げするだろうが、当時は人力でも荷揚げしていた。
30kg用とか50kg用ボンベ。背負子に括り付けて登った。
こうした荷揚げを歩荷(ぼっか)とかボッカと称していた。
荷揚げは、食料品等々色々だったが、ダンボールに詰めて背負子で登る。
見た目は、凄いって見えるが、実際はバランスよく背負子に括りつけた。
更には、背負子自体も手作りで自作したものである。
荷を背負ったら2時間位、ゆっくりと歩く。休憩でも座らなかった。
森林帯をぬけて、、亜高山から高山帯の草地になると姿を見せる高山性花々。
そんな中に地味だが魅せる、休む目印にもなっていた花々。
今でも植物園等で見かけると思い出す出来事でもある。
お世話になっている返礼、而してトレーニングをも兼ねて一石二鳥だった。
正月登山のデポ(前もっての荷揚げ)のトレーニングにもなった。
先日富士登山をTVで観たが、富士山では、強力(ごうりき)と呼んでいる。
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“思い出の華・四「金露梅」”《襍観・/・点描‘16-52》

キンロバイ(金露梅)   バラ科(Rosaceae)
学名:Potentilla fruticosa L. var. fruticosa
アップすると綺麗な花だ。
ハクロバイ(ギンロバイ)
学名:Potentilla fruticosa L. var. mandshurica Maxim.


キンロバイ(金露梅)
高山帯に生える落葉小低木。よく分岐し高さは30-100cmになる。
樹皮は赤褐色だが、古くなると紫褐色になる。
小葉は小さく長楕円形で長さ5-15mm。裏面に薄い伏毛がある。花は径20-25mmで黄色。
北海道・本州中北部の高山帯(西限は南アルプス)、絶滅危惧2類 (VU)

ハクロバイ(ギンロバイ)
小葉の頂部がしばしば微凸状。白い花を咲かせる。西日本のもは毛が少ない。
本州の高山帯(中部地方・近畿地方)、四国の高山にも稀に見られる由。
未だ自生地は、未見(植物園で観た)。
「青年時代の思い出の花」

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「小さくも華麗な高山植物弐」
神奈川県丹沢山地等の山々では見れない高山植物に「キンロバイ」がある。
高所の岩場、ガレ場(岩礫地)で観た花々、中でも印象深い「キンロバイ」。
日本的!?!な懐深い山、南アルプス山脈だが林道のお陰で入山しやすくなった。
そんな中で北岳は、白峰三山を構成する南アルプスの盟峰、非火山では日本最高峰。
標高では、富士山に次ぐ日本第二の高峰である。
高山植物の宝庫でもある山域、キタダケソウに代表されるように固有種も多い。
このキンロバイは、本州の標高の高い場所に自生、さして珍しい花ではないが、
ヘビイチゴに似てると思うが、ウメ似、そして黄色であることから命名された由。

この「キンロバイ」には、思い出がある。
山岳パトロールをしていた時、広河原から登路、大樺沢 (おおかんばさわ) 左俣を登っていた。
夏でも雪渓歩きが出来、北岳バットレスを展望しながら登れる迫力ある登山道。
途中八本歯のコル(今では梯子がかかっている)を過ぎて北岳東面山腹、
北岳の南側の稜線上(吊尾根)に高山植物が色々見られる。
そんな場所に「キンロバイ」が咲き誇っていた(今は数が減少)。
そんな所で昼寝をしてしまった女性(今的では、単独行・山ガール)が見えた。
生憎、天候悪化、ガスって(濃霧)登山道が読めず、その場に踞っている女性と遭遇した。
昔の話だが・・・山小屋まで案内した。今では考えられないほど粗野な登山道であった。
そんな場所での仕事らしい初仕事が登山者の安全誘導だった。
その翌日、北岳頂上直下でも遭難者がいたと後で聞いた。
山の天気は急変する。今も昔も。。。!
それから2年後の正月、北岳バットレス登攀を終えベースキャンプに戻った夜、不思議なことが??
天幕に水を貰いに来た女性??が見えた。仲間が水をポリタンに移して渡したのだが・・・!
其の直後、別の天幕から仲間が入ってきて周辺には2幕しかない(仲間達のみ)。。。と!
そんな女性の天幕なんてない・・・!“どこから来たの”翌日、辺りを探したが見つからず。
正月の五日、下山しようとした時、捜索隊一行と行きあった。
通報で男女3名の遭難者捜索に登るという。我々の体験を話しておいたが。。。!
後日、県警から遺体収容の報を頂いた。場所は、「キンロバイ」咲く地あたりだった!?!
斜面に雪洞的に穴を堀りツエルト(簡易テント)の中で・・・疲労死していた。
疲労で眠ってしまったのだろう。
翌夏の「キンロバイ」見事に咲き誇っていた、と日記にある。
この時のことは、未だに・・!?!40年近くも前のこと。
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“思い出の華・参「尾上蘭」”《襍観・/・点描‘16-51》

オノエラン(尾上蘭) ラン科(Orchidaceae)
学名:Orchis fauriei.jpg
(表丹沢・大倉尾根)
箱根山中にて見つけた茎・花。 
上記画像共々、エクタクロームから起こした。


オノエラン(尾上蘭)
茎の高さは10-15cm。茎の基部には、長卵形の2葉があり、長楕円形で6~10cm。
葉の基部は鞘となって茎を抱き、茎の先端に数個の白い花を総状につける。
唇弁の基部に褐色の「W」形が特徴的で他の種類と区別しやすい。
日本固有種で、本州中北部および紀伊半島に分布する。
山地から亜高山の岩場や草地、湿地の比較的日当たりよく乾燥した場所に生える。
個体数は少ない。丈が低く群生しないので、きれいな花のわりに目立たない。

神奈川県の2001年調査資料によると
オノエラン(尾上蘭)「学名:Chondradenia fauriei (Finet) T.Sawada & F.Maek.」
絶滅危惧Ⅱ類に判定されている。
生育環境:ブナ帯の湿原、草原、風衝地、岩場等の日当たりの良い所に生える夏緑性の多年草
生育地の現状;丹沢の高標高域は高木が枯れシカの採食による林床植生の後退が起きているが、
本種は明るい所を好むのとシカの入り込めない急峻な風衝地等に生えるため減少の兆候はない。
存続を脅かす要因;園芸採取。人間の私利私欲が為に絶滅の危機に。。。!
植物園で生き残っていれば良いのでは断じてない。自然との共存共栄に反する。心したいものだ。

和名の由来は「尾上」=「尾根」に咲く花から。

「青春時代の思い出の花」

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「小さくも華麗な花」
神奈川県の丹沢山地、その表側(東側)の代表的山に塔ヶ岳がある。
その山の沢筋は、初心者向け沢登り登山のメッカ。
首都圏から楽に日帰りできる手頃さもあって人気は昔から高かった。
僕等は、沢登りが主で、塔ヶ岳への尾根ルートは、2度しか登っていない。
登山口から一気に登る尾根道は、通称「バカ尾根」と呼んでいる、、、!
滑りやすい土道をひたすら登るのみだ。それ故、下山道として利用されてきた。
この通称「バカ尾根」(大倉尾根)には、亜高山帯で見られる植物が多くあった。
がしかし、比較的短い距離で花の生育地に到達できることで、盗掘が多い。
結果、絶滅に瀕している。
小学六年生の夏と翌年の夏に尾根を上がったが、小六の時は天候が悪く途中で下山。
2回目の翌年は、星空のもと深夜登山、ご来光を山頂で拝むのが目的だった。
最近は、尾根上部は、階段になっており登りやすくなった。
小さく可憐に咲く尾上蘭の花、群生していないのでより可憐にみえる。
箱根でもみられる(実際に確認してる)が、場所は内緒にしておこう。

「山の日」などと言う祭日が出来たが・・・ピンと来ない。
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“思い出の華・弐「高嶺松虫草」”《襍懐・/・点描‘16-50》

タカネマツムシソウ(高嶺松虫草) スイカズラ科(Caprifoliaceae)
学名:Scabiosa japonica Miq. var. alpina Takeda
別名:ミヤママツムシソウ
八方尾根の高嶺松虫草



マツムシソウの高山型で背は、低いが花はマツムシソウより大きい。
草丈は20~40cmほどの高さで茎先に一輪の頭花を咲かせる。
花径は5cm位でよく目立ち、縁の舌状花は深く3つに裂けてる。
中央に小花が集まり小花と舌状花の間に針状のひげがある。
葉は地面近くでロゼット状に広がり小葉が沢山付く。
海岸に生育するソナレマツムシソウに良く似るが、
厚ぼったいソナレマツムシソウの葉と比べ細く薄い。
花名の由来は、僧侶が巡礼の時に用いる仏具「松虫鉦」に、
花の散った後の穂先に似ているという説。
マツムシの鳴くころ咲くから、という説もある。
花期は8月から9月。初秋を感じさせる風情ある花姿。 
「青春時代の思い出の花」

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「高山での晩夏を彩る華麗な花」
ちょっと寂しげに映るのは、気のせいか!?!
想い出は、楽しいことばかりなのに。

横須賀市追浜に「鷹取山」と言う場所がある。
かつては石切り場だったところだが、
登攀練習、岩登りのトレーニング場で其の世界では高名な場所。
そこで名だたる岳人諸先輩と出会えた。

高校1年の夏、林間学校??で八ヶ岳山麓の清里に行ったおり
赤岳登山をした。その時、引率指導してくださったのは数学教諭。
小柄な方だったが、「物理学校(現東京理科大)」で山岳部のキャプテン。
山中での身のこなし、テキパキとした指示、見事だった。
そんな先生にお供させて頂き後立山連峰の白馬岳から唐松岳を縦走もした。
八方尾根を下ってきた尾根で見かけたきれいな群落が、この花である。
教師4人と生徒2人、楽しい山行だったことを思い出す。
5年後の夏ほぼ同じ場所で高嶺松虫草を観察していた時、
関西の某女子大の一行とすれ違った(噂以上の迫力だった)。
その一行(ワンゲル部?)全員が地下足袋を履いているので有名な大学。
整然と上って来る姿は、壮観・迫力があった。
少し遅れて、新人1年生と上級生の2人が上がってきた。
目の前の群落のところで休憩してる。思わず声を掛けてしまった。
地下足袋の効能を聞いたりして^^)。又、少し疲労が見える新人さんに、
普通では見過ごしてしまう花の場所等を教えて楽しみに登りなさい、と。
さらには、手持ちのお菓子(今流では栄養補強食)を持たせてやった。
山にのめり込んでいった要因、花の美しさ、強さ。
あの過酷な環境で魅せてくれる花々、登攀をおえて脇に見ゆる小さな花々。
岩場と花、それに魅せられて「こんにち」がある。
花との対峙、学究思考、哲理、、、禅問答的な花との対話である。
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