“花に想う”《襍感・/・点描‘16-39》

“ジュビレ・デュ・プリンス・ドゥ・モナコ” バラ科(Rosaceae)
学名:Rosa“Jubile du Prince de Monaco”
英名:Jubile du Prince de Monaco
系統:Floribunda Roses (Fl)
親種:Jacqueline Nebout × (tamango×matangi)
(画像は、花弁の裏側から観たもの)
エゾスカシユリ(蝦夷透百合) ユリ科(Liliaceae)
学名:Lilium maculatum Thunb. subsp. dauricum (Honda) Hara


花を見つめていると色々なことが走馬灯の様に脳裏をかすめる。
又、名付けられた花名の由來が!?!時として奇異に感じることも??
和名のつけ方って、独特。日本人の感性でもあるのだろうか!!

過日、薔薇園で観た“ジュビレ・デュ・プリンス・ドゥ・モナコ”
クリームホワイトとローズピンクの覆輪が、華やか。四季咲き、微香性。
小国モナコを国際的リゾートに育てたレーニエ3世即位50周年に捧げられた薔薇。
華やかな国、グレース王妃の名声の方が我々年代には印象深い。
モナコ公国の色(赤と白)が鮮やか、この王室の華やかさを表しているみたいだ。
此の薔薇の系統“フロリバンダ”とは多花の意。
系統を遡ると、日本の野生種ノイバラとコウシンバラの交配種(ポリアンサ系)が最初。
そのポリアンサ系とハイブリッドティー系のバラを掛け合わせ、
ハイブリッドポリアンサ系のバラが誕生した。
それが後にフロリバンダローズと紹介され、世界中にその名前が知られる様になる。
フロリバンダは中輪房咲きで多花、四季咲き性で長い間花を楽めるのが特徴。
花壇やグランドカバー等のガーデン用としても重宝され、広く植栽されている。
帰宅して資料を読むと欧米の花の命名は、わかりやすい、とおもった。
“Jubile du Prince de Monaco”花の裏側から観ると「荘厳」とも映った。

一方、庭に咲いた「蝦夷透百合」
花壇のどくだみ群の脇に、今年も開花していた(5/22-昨日、開花・・家族談)。
エゾスカシユリ(蝦夷透百合)は名前の通り北海道地方に多いスカシユリの仲間。
海岸の岩場やがけに生える多年草で母種のスカシユリより大型、高さ90cm位になる。
スカシユリは花びらの根元が細くなって透けてみえるので名付けられた由。
庭の花は、先日来、報道されてた行方不明児童(保護された)七飯町近くで採取したもの。
温暖な神奈川県に移植され、茎は余り高くならない(50cm位)。
  


「大和市・居所'16/05/22」

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“春の薔薇!!”《襍感・/・点描‘16-38》

デンティ- ベス(Dainty Bess)
イギリス アーシャー(Archer) 1925
ハイブリッドティローズ Hybrid Tea Roses (HT)
1925年NRS金賞、恋人Elizabethに捧げた薔薇。
波打っている花弁の縁、エレガントこの上ない。
シンプルだが、好みの薔薇。



ハニーブーケ(Honey Bouquet)
アメリカ J&P 2000
フロリバンダローズ Floribunda Roses (Fl)

アメリカの明るさが・・・! 綺麗な薔薇。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
春咲き薔薇も盛りは過ぎてしまったが、所用の途、薔薇を観に寄った。
そこは、僕等年代では「日大・農獣医学部」と言ったほうがわかりやすい。
今は、生物資源科学部と言う。広大なキャンパスの一角に薔薇園がある。
薔薇は、原種からオールドローズ、モダンローズ、250種約900株
時期的に遅かったが、中に健気に咲き誇っている薔薇もみえた。
そんな中で、2種の薔薇が事象に併せて心に残った。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※  



「藤沢市・日本大学生物資源科学部付属薔薇園 '16/05/22」




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“花に寄る!!いきもの達”《襍観・/・点描‘16-37》

アメリカシャクナゲ(亜米利加石楠花) ツツジ科 (Ericaceae)
学名:Kalmia latifolia
別名:カルミア、ハナガサシャクナゲ(花笠石楠花)
蕾は、コンペイトウに見える!?!
イボタノキ(水蝋の木) モクセイ科(Oleaceae)
学名:Ligustrum obtusifolium Sieb. & Zucc.

撮影がヘタで、樹・花、蜂?もボケてしまった。




※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
都市公園といえどもそこには生きものが見られる。
小動物、蝶や蜂類!?!が花々を訪れてた。
其々が、共存してるんですね。蝶や蜂の名前は全く判らない。
こんな片手落ちの観察者ではいけないって思うが・・・!
時すでに遅し、、、いまさらって、覚えない・調べない。

童心に帰って、レストランにお弁当を頼んで、
ベンチでのんびり食した。たまにはいいものだ。
目の前で、昆虫たちも食しているんだろう。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※  


アメリカシャクナゲ(亜米利加石楠花)
日本のシャクナゲとは全く花の形が異なり、星型のつぼみが面白い。
別名の、ハナガサシャクナゲは、花の形を花笠に見立てたもの
明治時代に桜をアメリカに寄贈したお返しとして渡来。
園芸用として栽培されているが、アメリカでは自生植物。
米インディアンが、根からスプーンを造っていたので「スプーンの木」と呼ばる。

イボタノキ(水蝋の木)
山麓や平地の林縁に生える落葉低木で高さは2-3mになり、よく分枝する。
枝は灰白色で若枝には細毛がある。葉は薄く光沢がなく長楕円形、縁は全縁。
本年枝の先に白い花が総状に多数咲く。花冠は筒状漏斗形で、先は4裂。
面白い名前の語源は、カイガラムシの仲間のイボタロウムシという昆虫が樹皮に寄生し、
分泌した白いロウ状物質であるイボタ蝋が取れることから。
家具の艶出しや織物のつやづけ、薬品にも使われていた。
黒く熟したイボタノキの実は、小鳥たちが食べるという。
此の樹(花)には独特の匂いがあるからか虫達がよく訪れている。


「藤沢市・長久保公園 '16/05/14」



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“花名の妙”《襍観・/・点描‘16-36》

ヒトリシズカ(一人静) センリョウ科(Chloranthaceae)
学名:Chloranthus japonicus Siebold
Tricercandra japonica (Siebold) Nakai
別名:ヨシノシズカ(吉野静)、マユハキソウ(眉掃草)
花穂の拡大図。
ジュウニヒトエ(十二単) シソ科(Lamiaceae/Labiatae)
学名:Ajuga nipponensis Makino


ヒトリシズカ(一人静)
別名:ヨシノシズカ(吉野静)、マユハキソウ(眉掃草)
「静」とは静御前のことで、白い清楚な花穂が1本で、この名前がある。
ヒトリシズカには花びらがなく、白いブラシのように見えるのは雄しべで、
雌しべは雄しべの根元にあり、と変わった花だ。
近縁種にキビヒトリシズカ(吉備一人静)がある。
ヒトリシズカ(一人静)が群生するとヒトリシズカとは言えない!?!
山野の林内や草地に生え、高さ10~30cm。
茎は直立し、はじめ赤紫色を帯びるものが多い。
茎の下部の節には膜質の鱗片状の葉がつく。
上部には2対の葉が十字形に対生するが、節間がごく短いので、
4個の葉が輪生しているように見える。
葉は光沢のある濃緑色で、長さ6~10cmの楕円形~卵状楕円形。
先は短く急にとがり、縁には鋭い鋸歯がある。
葉がのびきる前に葉の中心から白い花穂を1個(まれに2個)のばす。
花には花弁も萼もなく、雌しべ1個と子房の横腹に雄しべ3個がつく。
雄しべの花糸は白色でよく目立つ。
外側の2個の雄しべは基部の外側に黄色の葯があり、
中央の雄しべには葯がない。芳香が、ある。
果実は核果で長さ2.5~3mmのゆがんだ倒卵形。

静(しづか)の舞;吾妻鏡 巻6 文治2(1186)年4月8日の条にでてくる。
源義経(1159-1189)は、兄 源頼朝(1147-1199)の挙兵(1180)に呼応し、
平家を一之谷・屋島・壇ノ浦に破ってこれを滅ぼした(1185.3)が、
頼朝から驕恣の行いを咎められ、謀反人として追捕せられ、京都から逐電した(1185.11)。
義経に従った妾 静(静御前)は、吉野山で義経とはぐれて捕えられ(1185.12)、
鎌倉に引かれ(1186.3)、厳しい取り調べを受けた。
その間一日、静は頼朝から鶴岡八幡宮に召しだされ、舞を舞うことになる『岩波文庫』本(1940)。
  「よし野山みねのしら雪ふみ分ていりにし人のあとそこひしき」


ジュウニヒトエ(十二単)
ジュウニヒトエは、丘陵地に見れる高さ10-25cmの植物。やや明るい場所を好む。
白い毛で全体が覆われ、花はやや白色で紫がかってるが環境で花色が変化する。
近年、同属のセイヨウキランソウをジュウニヒトエと称し花壇などに植えている。
園芸品の十二単は、ジュウニヒトエと同属異種。
ジュウニヒトエは日本固有種であり、本州と四国に自生する。
山際などのやや湿った場所を好むようだ。
十二単という和名は、花が重なって咲く様子を十二単に例えたと言われるが清楚。
平安時代の女官の衣装「十二単」とされるのが一般的だが、
江戸時代の本草学者小野蘭山は、漢名に夏枯草(かこそう)をあて、
夏に新旧の葉が入れ替わる様子からの命名であるとしている。
見分け方;
在来種のジュウニヒトエは花色が淡紫色で、葉の表面に毛が多い。
セイヨウジュウニヒトエは、花が濃い青紫色で葉の表面に照りがある。
キランソウは、茎を地面に張りつけるように伸ばして葉腋に花をつける。  

セイヨウジュウニヒトエ(西洋十二単)、シソ科キランソウ属(学名:Ajuga reptans)
江戸時代に欧州から渡来した外来種。よく植栽されていて、時に半野生化している。   
草丈20cmほどの多年草で1本の茎をほぼ直立させ、
高さ8cmに及ぶ円錐塔状の花穂を立て濃い青紫色の花を花穂の周囲に多くつける。
葉は、長さ3~5cmほどの長楕円形で葉先は丸みを帯びる。
在来種の十二単によく似ており、外来種なので「セイヨウ(西洋)」と付いた!?!


※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
花の名前を命名する方の感性・個性なのだろうが、面白い名前・奇異な名前等色々。
そして、在来種の花名は、歴史・文化的背景を知らないと妙味がうすれる。
ヨシノシズカ(吉野静・吉野山で舞った静御前)。
マユハキソウ(眉掃草・白粉(おしろい)をつけたハケに見立てた)。
どちらの呼び名も薄幸の美女の代名詞「静御前」の舞姿に例えられている。
偲ぶ・・・日本的花名と思える。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※  


「大和市・泉の森 '16/04/10-05/01」





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“庭の花暦=4月”《襍観・/・点描‘16-35》

シラン(紫蘭) ラン科(Orchidaceae)
学名:Bletilla striata (Thunb.) Rchb.f.
マーガレットコスモス キク科
学名:Steirodiscus euryopoides
別名: ユリオプス、イエローエンジェル
タツナミソウ(立浪草) シソ科《Lamiaceae (Labiatae)》
学名:Scutellaria indica L.

マメグンバイナズナ(豆軍配薺)の実
アブラナ科《Brassicaceae (Crucifera)》
学名:Lepidium virginicum
テッセン(鉄線) キンポウゲ科(Ranunculaceae)
学名:Clematis florida Thunb.
もう5年以上も庭の家側や花壇の脇等々、野放ずにしてきた。
タツナミソウやマメグンバイナズナなどが顔を見せてくれるようになった。
テッセンは、鉢上のままだが毎年花を持ってくれる。
其れも此処5年位の話。手入れをしないと自然に返っていく。
楽しい限りだ。そんな脇にすのこと、ダンボールを敷いて??
爪とぎと昼寝に勤しむ3男(猫)バニュー、9月で16歳。
未だに元気!!

シラン(紫蘭)
鮮やかな色あいで西洋から持ち込まれた園芸種と思ってしまうが、
れっきとした日本固有種。本州中部以西に自生する野生のランである。
栽培は、歴史的に古くて万葉集にも「蕙」という名で登場する。

マーガレットコスモス
フランスギク(マーガレット)とキバナコスモスが一体となった名前だが、
キク科ユリオプス属でいずれとも別種。南アフリカ原産の常緑多年草。
暑さにも、寒さにも強いので園芸用として多用され人気がある。

タツナミソウ(立浪草)
ヒノキ林等でひっそりと咲いている可愛い草花。
北斎などに描かれる波頭に似ているというのが名前の由来。

テッセン(鉄線)
茎はつる性で細く、木質。中国原産。
花弁は、普通7枚。今、鉄線と呼ばれるものは、殆どが園芸種。
カザグルマなどを原種としたクレマチス属の園芸品種。
原種のカザグルマは、日本の固有種。
シーボルトによって西洋に渡ったカザグルマが、
品種改良されたものがテッセン(クレマチス)として里帰りとも言われている。 
川沿いなどの湿った場所に自生するつる性植物。
今は、自生地が殆どなくなって来た。準絶滅危惧 (NT)種。

マメグンバイナズナ(豆軍配薺)の実(種子)。
アップで見ると丸い軍配の形をしているのがわかる。
グンバイナズナよりずっと小さく4~6mm。
葉の大きさも形も良く似るウロコナズナは縁が盛り上がるスプーン状。









「大和市・居所 '16/04/30」




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“今年は金蘭・銀蘭がすごかった!!”《襍観・/・点描‘16-34》

金蘭、銀蘭が隣り合わせに咲いている。
散策路から見れるところで此の光景は見てとれる。
30分もここに佇んで色々思いを巡らせていたが、
この花を見る散策者は皆無だった。
それ故、年々増えているのだろうか??



キンラン(金蘭) ラン科(Orchidaceae)
学名:Cephalanthera falcata (Thunb. ex Murray) Blume

山や丘陵地の疎林下、日陰に自生し花は晴天の時に開き曇りや雨の日は閉じてしまう。
茎高は、30-70cm位。かっては日本各地で自生が見られたが、絶滅危惧Ⅱ類 (VU) である。
葉は互生し先が尖る長さ約10㎝の長楕円形、基部は茎を抱く。
茎頂に黄金色の花を数個付ける。萼片は花弁と同色、長さ約1㎝、側花弁もほぼ同長。
唇弁の基部は筒状、内側に黄褐色の隆起線が数本つく。


ギンラン(銀蘭) ラン科(Orchidaceae)
学名:Cephalanthera erecta (Thunb. ex Murray) Blume
黄色花のキンランとの対比で白花であることから名前が付いた。
葉は互生し、2~4個つき、長さ2~8㎝、幅0.7~2.3㎝、基部は茎を抱く。
茎頂の総状花序に白い花を3~10個つけ、花序は葉より高くなる。
茎高は、10-30cm位で無毛。花は直立し、やや開くか又は開かない。
萼片は長さ8~10㎜、幅2.5~3.5(4.5)㎜の楕円状披針形、5脈がある。
花は、ササバギンラン(Cephalanthera longibracteata)とうり二つだが、
名前の違いのように葉の幅が広く、葉が花より上にでることはない。
ササバギンランはギンランより大型で茎高30~50㎝位。
葉は6~8個つき、長さ6~14、幅1.5~3㎝。
花序に花は8~15個つき、花軸は長さ3~5.5㎝。
花序の下部の葉状の苞は長さ約10㎝と大きく、花序以上に高くなる。
萼片は長さ10~13㎜と大きい。

ユウシュンラン(祐舜蘭:var. subaphylla)は、絶滅危惧Ⅱ類に指定されている。
日本固有種。花は上向きに、向き合うように咲く。そして良く開く。
ギンランは横向きになり、ほとんど開かないので、両者は対照的である。
高さ8~20㎝、葉が退化して鱗片状になり、あっても長さ2㎝以下。
下部の苞はやや葉状。萼片は長さ7~9㎜の披針形。
この祐舜蘭は、資料によると1932年に宮部金吾・工藤祐舜両氏によって、
新種 Cephalanthera subaphylla として発表されている。
その後、ギンラン C. erectaの変種 C. erecta var. subaphylla Ohwii
(大井次三郎 1953) 説がでて、現在の大勢はこの学名を採用してる!?!
変種か新種(銀蘭とは別種)か再検証が必要、と生前、我が父親は言っていた。
親の意見は、傾聴に値すると最近思うようになった。
又、新種とする見解の論考も見られる。仔細な研究分析をもとめたいって思う。
僕ごとき素人が、言うことではないのだが・・・???である。

※  ※  ※  ※  ※
今年は、金蘭・銀蘭が驚くほどに林床で見られた。泉の森全体の林縁で。
近いこともあって定点観測的に見てきたが、圧倒されるほどに多い。
4月10日から5月1日の間に3回散策した。
5月1日の昼過ぎに見た光景は、あっちにも・・こっちにも・・・!!
お花畑にはなっていないが、点在していた。
中に祐舜蘭か??と思しきくきもあったのだが、画像を撮れなかった。
祐舜蘭(銀蘭の変種??)は、銀蘭よりも葉っぱが極端に短い。
我が左手の不調で花を抑えられない。凄い風も吹いていた。
又、来春に期待しよう・・日頃の体調管理をよくしよう、と願い帰宅した。
翌日の5月2日に最も信頼のおける仲間・パートナーのご尊父逝去の報に接した。
泉の森を散歩していた時間帯の事、と知らされた。
あの光景は!?!・・・・ご冥福を祈るばかりである。
※  ※  ※  ※  ※


「大和市・泉の森 '16/05/01]




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“樹の花=4月”《襍観・/・点描‘16-33》

キリ(桐)キリ科(Paulowniaceae)キリ属
(キリ科はAPGⅢでゴマノハグサ科から分離された)
学名:Paulownia tomentosa (Thunb.) Sieb. et Zucc. ex Steud.
英名:empresstree, princesstree, foxglovetree
別名: キリノキ(桐の木)、ハナキリ(花桐)
ミズキ《水木(クルマミズキ)》 ミズキ科(Cornaceae)
学名:Cornus controversa Hemsl. ex Prain

崖で横向きに突き出すように育っている。


キリ(桐)別名: キリノキ(桐の木)、ハナキリ(花桐)
古くから庭木として栽培され、軽い木材としてタンスなどに利用されてきた。
昔は女の子が生まれると、庭に桐の木を植える風習も地方に寄ってはあった。
嫁ぐ時に木を切って箪笥をつくって持たせた。木の成長がそれほど早い。
桐箱、下駄などに多用されている。中国が原産で奈良時代には渡来していた。

幹は灰褐色、惰円形の皮目があり、老木の樹皮は縦に浅く裂ける。
葉は対生、ごく浅く3~5裂して、先は尖り、基部は心形。
葉の両面に腺毛が密生、葉柄は長さ6~20㎝。若木の葉は特に大きくなる。
花は葉より早いか同時に開花する。
円錐花序に大きな筒状花を多数つけ、花冠は淡紫色で先は5裂し、短毛が密生。
萼は茶褐色の毛が密生し、先が5裂する。
蒴果は、先が尖った卵形、熟すと2裂する。種子は、扁平で周囲に翼がある。
桐の名は、切ってもすぐ芽を出し生長することから「きる」が「きり」になった。

ミズキ《水木(クルマミズキ)》
水分条件のよい二次林に多い落葉高木。成長は、早い。
樹皮は汚灰色、若い枝は赤紫色。葉は互生し広卵形-楕円形。
表面は光沢があるが裏面は短毛を有し粉白色。
新しい枝先に白色の小さな花が数十~百個集まり咲く。
枝先ごとにつくので遠目でも白が目立つ。近縁種にクマノミズキがある。
日本原産、花はハナミズキより小さく密集する。遠目にガマズミやゴマギに似てる。
若い枝を切ると樹液が水のように出てくることで「ミズキ」になった由。
果実は球形で秋に黒色に熟す。ヒヨドリの好物らしく果実は残らない。
近似種の「クマノミズキ」との違いは、葉がミズキは互生で、クマノミズキは対生。ミズキの開花は5月ころ、クマノミズキは、1ヶ月ほど遅い。




「大和市・泉の森 '16/05/01]




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“蔓植物=半鐘蔓”《襍観・/・点描‘16-32》

半鐘蔓の蕾「2016/04/10]
開花した半鐘蔓「2016/05/01」
今年も沢山、蕾を持った。


ハンショウヅル(半鐘蔓) キンポウゲ科(Ranunculaceae) 
学名:Clematis japonica


ハンショウヅル(半鐘蔓)
キンポウゲ科センニンソウ属と大方の資料には書かれている。
だが、落葉性の蔓性木本と書かれているものも有り混乱する??

半鐘とは、「火の見櫓(やぐら)」に吊るされた鐘のこと。
高い建物が少なかった1950年代頃までは、
火事を知らせるために町々に立てられていた櫓。
櫓の上に小型の鐘がぶら下げられていた。この釣鐘を半鐘とよんだ。
火事の時、この鐘を打ち鳴らして人々に火災発生を伝えた。
花の形態がこの半鐘に似ていると、命名されたらしいが、
現代では火の見櫓とか、半鐘はお目にかかれないのでは!!

林縁や林内に見られる。長い葉柄が巻いてほかの木や草にからみつく。
茎は暗紫色を帯び、葉は3出複葉。
小葉は長さ4~9cmの卵形~倒卵形で先はとがり、粗い鋸歯がある。
両面にとも脈上に軟毛がある。花は長さ6~12cmの柄の先に1個つき、下向きに咲く。
完全に開かず、花柄の中ほどに小さな小苞が1対ある。
紅紫色の花弁のように見えるのは4個の萼片で、花弁はない。
萼片は厚く、長さ2.5~3cmで先はとがり、ふちは白い毛にふちどられる。
中国、九州地方には、萼の外側に淡褐色の毛が密生するケハンショウヅル
(Clematis japonica var. villosula)が分布するとあるが未見。
同じ仲間のトリガタハンショウヅルは花が黄白色で、花柄が葉柄より短い。
トリガタハンショウヅルとは、高知県の鳥形山で最初に確認された。
園芸用に植栽されているクレマティスの仲間。
花の形態は似ていないが、種子の形態は判別出来ないほど似ている。
亜高山帯に生育するミヤマハンショウヅルがあるが、
ハンショウヅルと比べ「ガク片」が薄く、しわが多くて外側に反り返らない。
(深山半鐘蔓、学名:Clematis alpina ssp. ochotensis)。
   

「大和市・泉の森 '16/04/10&05/01]




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“林床の花=4月(2)”《襍観・/・点描‘16-31》

イチリンソウ(一輪草) キンポウゲ科(Ranunculaceae)
学名:Anemone nikoensis Maxim.
別名: イチゲソウ(一華草)、ウラベニイチゲ(裏紅一華)
ニリンソウ(二輪草) キンポウゲ科(Ranunculaceae)
学名:Anemone flaccida F. Schmidt.


イチリンソウ(一輪草)
和名の一輪草は、花が1輪だけつくことに由来、根茎は横に広がる。
根生葉は地下茎の先につくが、花茎の基部にはつかない。
茎葉は3個輪生し、3出複葉で、長い柄がある。小葉は羽状に深裂する。
花は1個つき、直径3~4cm。花弁はなく白い5~7個の萼片が花弁に見える。
萼片の裏面は紫色を帯びることがあるので裏紅一華ともいわれるようだ。
「キクザキイチゲはキクザキイチリンソウともいわれ、萼片が8~13個。」
本州~九州の山麓の草地や林内などに生える。

ニリンソウ(ニ輪草)
一つの茎に花が2個ずつつくことが多いことから。
最初に一つが咲き、後から2つめが咲く。
まれに一個しか咲かないものもある。
イチリンソウ同様に花弁に見えるのは萼片。
茎葉は3個輪生し、小葉が羽状に深裂する。
3個がそろって丸い葉のように見え、
葉の表面に白い斑紋が見える。
イチリンソウは、葉の裂片の幅が狭い。
花も1個ずつつき、大きくて目立つ。
ニリンソウは、葉の裂片の幅が広いが花は小さい。
花も葉もおひたしなどにして食べるとくせのない味。
山菜として知られている。

「大和市・泉の森 '16/04/10]


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“林床の花=4月(1)”《襍観・/・点描‘16-30》

ヤマブキソウ(山吹草) ケシ科(Papaveraceae)
学名:Chelidonium japonicum
花が山吹に似てるが名前の由来。
しかしヤマブキは花びらが5枚、ヤマブキソウは4枚。
セリバヒエンソウ(芹葉飛燕草) キンポウゲ科(Ranunculaceae)
学名:Delphinium anthriscifolium
花花弁5枚、花が燕の飛ぶ姿に似ている、とかで名前がついた。
明治時代に入ってきた中国原産の帰化植物。葉がセリの葉に似ている。
セリバヒエンソウ(芹葉飛燕草)の名前の由來を画像で示したいが、
近寄れない場所。何とかプロフィールを!?!
飛燕に見えるか否か!?!
「2016・5・8上画像の直ぐ側」





春を向かえ、森の花々が顔を見せる。
春らしい、黄色。
楚々と映る、小さな水色の花。
心和み癒やしの極み。

『セリバヒエンソウ(芹葉飛燕草)
この植物は、「小石川植物園」から逸出したと言われている。
現、東京大学大学院理学系研究科附属植物園(小石川植物園)。
歴史は古く、1684年に徳川幕府が設けた「小石川御薬園」が遠い前身。
明治10年、東京大学が設立され附属植物園となり一般にも公開されてきた。
この「芹葉飛燕草」現在首都圏でしか自生は確認されていない。
2014年5月25日誌「5/25大和市・泉の森」より 』


「大和市・泉の森 '16/04/10]




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