7月
8日,
2021年
リーダーの役割:心理的安全性の「生産的に対応する」(第14回)
引き続き、ハーバードビジネススクールのエドモンドソン教授の著書、「恐れのない組織」を読み進めて行きます。
今日は「リーダーのツールキット」の三つ目。
「生産的に対応する」
ここで言う「生産的」とは、
チームメンバーに積極的な参加を促し、率直な意見や提案をリーダーはどのように取り扱うべきか?を意味しています。
端的に言うと、発言に対して
(1)感謝し
(2)敬意を払い
(3)前進させる道を示す
とのこと。
(1)感謝し、(2)敬意を払う、という部分は分かりやすいかと思います。
一方(3)前進させる道を示す、という下りは少し抽象的で分かりにくい気がします。
そこで私なりの想像も加えてみると、こんな風に解釈できるかと思います。
出された意見や提案を、チーム全体の共有ゴールや共通の価値観に照らして、活用しながら前進させて、発展させていく。
例えば、発言内容の意図や真意を把握・抽象化させたり、他の意見と組み合わせながら、共通するエッセンスを取り出し、チームメンバーの想いややる気を昇華させていく。
まだまだ抽象的ですが、少しはイメージが沸きますでしょうか?
さらに、「生産的」に取り扱うとは、
- 職場での失敗やミスを、恥ずかしいものではなく「学び」「教訓」としていく。
- チームメンバーの明らかな行動違反や共有する価値観に反する言動に対して、リーダーは毅然と厳格な対応を取る、
ということも含まれてるかと思います。
職場でのリーダーの具体的な行動や発言を例示することで、さらにイメージが沸くように思います。もう少し検討してみます。
ではまた明日!
by 「働くあなたを元気にする」コーチ
7月
7日,
2021年
リーダーの役割:心理的安全性の「参加を求める」(第13回)
引き続き、ハーバードビジネススクールのエドモンドソン教授の著書、「恐れのない組織」を読み進めて行きます。今日は「リーダーのツールキット」の二つ目、
「参加を求める」
リーダーひとりだけでは無論、チームの目標を達成することは出来ません。チームメンバーの参加があって始めて、ゴールの達成が可能となります。
では、どのようにしたらチームメンバーの参加を促すことが出来るのでしょうか?
チームメンバーが発言できるように、参加を求める方法について、著者は次の項目を挙げています。
(1)リーダーは「状況的謙虚さ」という心掛けが必要
(2)発言を引き出す問いをする
(3)意見を引き出す仕組みをつくる
まず(1)状況的謙虚さ。聞きなれない表現ですね!簡単に言ってしまうと
リーダーには謙虚さが必要
ということ。もし上司が自分は何でも知っていると部下たちに見えている時、部下はリスクを敢えて冒してまでも、自分の意見や提案をしない。
上司は何でも知っている訳ではなく、過ちや欠点も認める。そういうリーダーだから周りのチームメンバーは安心して意見や提案が出来る。
私の拙い経験でも、「知らない・分からないと認めると、上司としての品位を落とす、信用を失う」と勘違いしている管理職が実に多いです。
むしろ、知らないことは知らないと認め、部下に教えを乞う。これが逆に部下からの信頼を得る近道だったりする。論語の中でも
「下問を恥じず」
と孔子が説いています。
このようなリーダーの行動特性としては、
- 気さくで話しやすい
- 自分は完璧などではなく、ミスをする人間と認める
- チームメンバーなど周りの人に意見を求める
次は(2)発言を引き出す問い。
質問を単に発すれば良い、ということではなく、まずは心構え。相手に対する関心・好奇心を持ちながら訊ねる。
また問いの焦点を、水平展開したり、垂直展開することで、幅広い視点で掘り下げる。
また様々を意見、異なる見方がある、ということを前提とする。
そして最後に(3)意見を引き出す仕組みを整える。
ここではリーダーの行動もさることながら、メンバー同士の横の関係にも言及しています。なぜなら、意見を出しても安心・大丈夫かどうかは、実はメンバー間の人間関係に大きく影響されるからです。
従って例えば、チームメンバー同士が学び合う機会や「勉強会」を創設する。部門横断的な「事例検討会」や「ベンチマーク共有会」などを催す、という方法もありますね!
いかがでしょうか?少し具体的な行動や活動内容が見えてきていますでしょうか?
ではまた明日!
by 「働くあなたを元気にする」コーチ
7月
6日,
2021年
リーダーの役割:心理的安全性の「土台をつくる」(第12回)
昨日に続き、ハーバードビジネススクールのエドモンドソン教授の著書、「恐れのない組織」を読み進めて行きます。今日は「リーダーのツールキット」の一つ、
「土台をつくる」
これは職場において、心理的安全性を確保するために「土台をつくる」という意味です。そして、これを実現させるためにリーダーがすることを、一言で表現すると
「仕事をリ・フレーミングする」
先ず「フレーム」という言葉ですが、これは思い込みや与えられた枠組み、という意味です。例えば仕事においては、これまでの経験や見聞きしたことに基づいて積み重ねられた理解や解釈、信念などを指します。
そして「リ・フレーム」とは、既に持っている、出来上がっているフレームを、見方を変えたり、新たな視点を加えることで、フレームを見直す・再度フレームを作り上げる、という意味です。
つい我々は毎日の目の前のルーチンワークに追われ、仕事を終えることに目が行きがちです。そんな時、敢えて
「この仕事をする意義は?」
「この業務をすることで得られることは?」
など、物事の「そもそも」に立ち返って、原点から仕事や業務を見つめる。
それをリーダーが自ら、口に出して先導してチームメンバーに働きかける。
具体的には、こんな発言や問い掛けでしょうか?
「今期の目標を達成することの意義は何だろうか?」
「このプロジェクトを完遂することで、メンバー個人個人は何が得られそうか?」
「我々は失敗のプロではなく『学習』のプロになろう!」
「出来ていないことではなく、先ずは出来ていることを確認しよう!」
「上司がいつも答えを持っている訳ではない。現場を見ている我々が答えの近くに居るかも知れない」
「そもそも、この仕事の目的は何だったのか?」
いかがでしょうか?
チームの勢いをひょっとしたら止めてしまうかも知れない、ドキッとする「そもそも」の問い掛け。
リーダーとしては忘れてならない、自分への問い掛けでもあると思います。
ではまた明日!
by 「働くあなたを元気にする」コーチ
7月
5日,
2021年
「心理的安全性」は、どうすれば実現できるのか?(第十一回)
今日も、ハーバードビジネススクールのエドモンドソン教授の著書、「恐れのない組織」を読み進めて行きます。
今回くらいからエドモンドソン教授から、「リーダーのツールキット」という章立てで、少し具体的な実現方法・対応方法の助言が出てきます。
そして今日は、リーダーのツールキットを、ざっくりと項目だけ列挙します。
(1)土台をつくる
(2)参加を求める
(3)生産的に対応する
明日から少し内容を紐解いていきます。
乞うご期待!
ではまた明日!
by 「働くあなたを元気にする」コーチ
7月
4日,
2021年
「心理的安全性」は、どうすれば実現できるのか?(第十回)
今日も、ハーバードビジネススクールのエドモンドソン教授の著書、「恐れのない組織」を読み進めつつ、
どうすれば職場や組織で「心理的安全性」が実現できるのか、を考ええてみようと思います。
この著書の内容をキーワードでざっくりと列挙すると、こんな感じでしょうか?
「率直なコミュニケーションをする」
「相手に意見を求め、そして他人の話の耳を傾ける」
「安心して失敗できる環境作り」
そして、上記を実現するために整備すべきことは以下のような項目でしょうか?
(1)チームメンバー全員が達成したいと腹落ちしれいる「目標・ビジョン」の確立
(2)チームメンバーで共有する「価値観」の確認
(3)リーダー、及び、チームメンバーのそれぞれの役割の明確化
こう纏めてしまうと、一つ一つが組織運営において「当たり前」の内容なので、今さら感は否めません。従って課題はむしろ、
当たり前のことが、当たり前に出来ない、ということ
では具体的にどういう対応や施策であれば、実行可能なのでしょうか?
私の思い付きも含めて、アイディアを幾つか挙げたいと思います。
そして、その際の切り口を、「リーダーとして」、「チームメンバーとして」、そして「企業・組織、全体として」、の3つ視点で挙げてみます。
「リーダーとして」
- 組織の目的・ビジョンを掲げる
- チームメンバーが価値観に沿って行動しているかモニターする
- チームメンバーに率直な意見を求める・引き出す
「チームメンバーとして」
- 自組織の目的・ビジョンを理解する。腹落ちするためにメンバーやリーダーと議論する
- チームとしての価値観を言語化する
- 周りの人の話にきちんと耳を傾ける
「企業・組織、全体として」
- 部署間や部署間を超えて他部署とのコミュニケーションを活発化させる
- 同じ職位、例えば課長職や部長職同士で、部署横断的な対話の場を創る
- 通常上司部下で実施する「1on1ミーティング」を、隣の部署の上司となど、斜めの関係で行う
- オープンな組織運営を促進するために、組織階層を飛び越えたコミュニケーションを容認する
- 経営層(社長・役員)と課長やそのスタッフとの会話の場(ランチ会など)を増やす
- 業績や事業の方向性など、会社にまつわる情報(定量的・定性的)を、定期的に社員へ公開、共有する
いかがでしょうか。
ではまた明日!
by 「働くあなたを元気にする」コーチ
7月
3日,
2021年
待合室で120分!
今このブログ記事を、病院の待合室で書いています。ただ今の時刻は8時45分。
え、病院の待合室?
はい、そうなんです。そして待合室に入ってから既に30分は経過しています。
ふー。
「これからですと、2時間くらいはお待ち頂くことになりますが、、、」
「は、はい。」
「いかがいたしますか?」
(うーむ。しばらく考えてこう尋ねる。)
「因みに明日の日曜日だとどうですか?今日よりは空いていますか?」
「さあ、どうでしょうか?」
やれやれ!
ただ今、午前10時。まだ待合室にいます。さながら実況中継になって来ました。
続々と患者さんが訪ねてくる。
「今からだと、うーむ、2時間半くらいは待つかも、です。」
すごすごと帰る人、意を決して待つ人、それぞれである。
私の受付番号が9番。先程呼ばれたのが5番。ということは一人当たりの診察時間が約15分。とすると残り4人なので、あと60分。
5合目まで来た!
読みかけの文庫本も大分進んだ。でもまだ1時間はある。
お、ここで5番の患者さんの診察終了!
あと3人かな?
今受付番号6番の患者さんが呼ばれました。10時15分。
ということは私の番号は45分後、恐らく11時!
ここまで来た!
しかし
私が今ここにいる目的が、段々と分からなくなって来た。自分の順番が来ることが目的になっている、事に気が付いた。
???
病気を治すことが目的ではなかったのか?!
ほどなく突然、名前を呼ばれて診察室へ。
なるほど!この先生なら患者さんは何時間待っても来るよね!
なぜなら、この先生は、お医者さんにありがちな
「人ではなく、病気に焦点を当てる」
という人では全く無かったのです。
あっという間に診察時間は20分、経っていました。
そしてただ今、診察終了!11時30分。
でも待った甲斐がありました!
医師の説明は丁寧で、分かりやすく、なんたって、
患者さんの気持ちに寄り添いながら、
かつ、
科学者の視点も待ち合わせた論理的な説明!
120分待ちに納得!
私もこういう
「プロフェッショナル」
になりたい、と思いました。
ではまた明日!
by 「働くあなたを元気にする」コーチ
7月
2日,
2021年
「心理的安全性」は、どうすれば実現できるのか?(第九回)
今日も、ハーバード・ビジネススクールのエドモンドソン教授の著書、「恐れのない組織」を読み進めて行きます。
少しずつ「どうすれば実現できるのか」というテーマに論点が移行していきます。
エドモンドソン教授の論点は、特徴的なキーワードに集約できるような気がします。例えば
「率直さを実現する」
「透明性」
「積極的に失敗をする・安心して失敗できる」
そして「心理的安全性」が必要なのは、映画やファッションなどクリエイティブな業界だけではなく、ハイテク企業や金融、製造業まであらゆる業種業態の企業に必要と言っています。
率直さを実現する方法として、トイストーリーを制作した「ピクサー」の実例を採り上げています。何か意見やフィードバックをする際には以下の原則に従うことにしているようです。
(1)建設的に、そして個人ではなくプロジェクトに対して意見を述べる。(意見を言われる側は、個人として捉えない。)
(2)相手に、特に意思決定者に対して、強制は出来ない。
(3)率直はフィードバックはあら捜しではなく、共感の観点で行う。
また「失敗」に関しても、色々な観点で記述があります。特に私が秀逸だと感じたのは、
- 本当の失敗とは「学ばないこと」
- 失敗の本質は、やってみて上手く行かないと分かったのに、なおも続けていること。
そして、既に何度か記述がありましたが、
- 周りの人へ、意見を求めること
- 他人の話に、謙虚に耳を傾けること
簡単なようで難しく、しかし技術的に全く不可能なことではない、と感じます。
これは「心掛け」しだい。
今日は周りの人の声や意見に先ずは、耳を傾ける心掛けを持って過ごそうと感じました。
ではまた明日!
by 「働くあなたを元気にする」コーチ
7月
1日,
2021年
「心理的安全性」は、どうすれば実現できるのか?(第八回)
今日も、ハーバードビジネススクールのエドモンドソン教授の著書、「恐れのない組織」を読み進めて行きます。
今日のテーマは
「沈黙」
特に「職場」での沈黙がなぜ、防げたはずの害をもたらすのか?
- 率直に意見を言えない
- 言うべきことがあるのに言えないと感じる
職場で、特段珍しいことでは無い、これらの心理状態が大問題!、と教授は指摘しています。
その一つの理由は、
暗黙の意思決定プロセスをたどり、発言することが自分にとってプラスになるか、それとも高い代価を払うことになるかを天秤にかける。
そしてこの場合、「プラスの効果」はたいてい不確かで、後でしか得られないのに対して、
高い代価、例えば叱られる、無能呼ばわりされる、そもそも話を聞いてもらえないなどの「マイナスの効果」は明白で今すぐ起きる。
また、もう一つ指摘されているのが、
「権威に対する過信」
日本の東日本大震災による原発事故が、実例として採り上げられています。
つまり、
- 暗黙の了解
- 権威への妄信
- 波風を立てない文化慣習
これらの行動様式が背景にある、とのこと。
これを回避するためには、
「耳を傾ける」努力を
組織のリーダーは勿論、我々一人一人が意識し、行動することが必要だと感じます。
ではまた明日!
by 「働くあなたを元気にする」コーチ
6月
30日,
2021年
「心理的安全性」は、どうすれば実現できるのか?(第七回)
今日も、ハーバードビジネススクールのエドモンドソン教授の著書、「恐れのない組織」」を読み進めて行きます。
この著書の中には、世界で超有名な企業のエピソードがいくつか採り上げられています。それは良い例、即ち「心理的安全性」が実現できているケースもありますが、その反対のエピソードもあります。
例えばドイツ、フォルクスワーゲン社のクリーン・ディーゼルエンジンに関わる「事件」。ここでは詳細は省きますが、この事件を引き起こした根本原因が
「不安と脅し」の管理手法
だと指摘しています。
また他の企業の実例を挙げて
「不安を掻き立てる風土」
「気難しいリーダーと、本当のことが怖くて言えない中間管理職」
という構図も同様に、企業スキャンダルの原因となり得ると示唆しています。
そしてこういう状況が、世にも珍しいものでも特異なものでもは無い、ということに関して著者は警鐘を鳴らしています。
皆さんのお勤めの企業や、属している組織ではいかがでしょうか?
こういう事態を招かないように目を光らせる存在が「リーダー」であるはず。
しかし一方、それではリーダー以外の社員やメンバーは、何もせず傍観していれば良いのでしょうか?
組織を構成している人は全員、夫々のレベルで果たすべき役割と責任はあるはず。そういう意味においては、我々は一人一人がリーダーであり、リーダーシップを発揮することが求められているように思います。
ではまた明日!
by 「働くあなたを元気にする」コーチ
6月
29日,
2021年
「心理的安全性」は、どうすれば実現できるのか?(第六回)
ハーバード・ビジネススクールのエドモンドソン教授の著書、「恐れのない組織」を今日も読み進めて行きます。
なぜ「心理的安全性」が、仕事のパフォーマンスを高めるのか?
この問いに対する答えは、この著書の中に散りばめられているのですが、いくつかここで順不同で列挙してみると、
1.大きな環境変化
(1)機械的で予測可能な仕事が減った
(2)判断が求められ、不確実性への対応が常に求められる
(3)新たなアイディアを生み出す必要性
(4)他者との協力コミュニケーションが必須
2.環境変化へ対応するための働き方
(1)失敗から学ぶ姿勢
(2)常に学習しようとするマインドが必要
(3)不安や自信が無い時でも、それらを率直に口に出す、吐露することが許容される
(4)対立や多様性を活用して、新たな価値を生み出す
なるほど!
ではまた明日!
by「働くあなたを元気にする」コーチ