12月
6日,
2021年
読書会でドラッカーを読み進めながら(Day6)「知識労働の生産性向上のためには?」
興味深いスタイルの「読書会」で、P・F・ドラッカー著
「プロフェッショナルの条件」
を読み進めています。
その読書会のスタイルは
「一冊の本を参加者が、順番に輪読しながら読み進めるスタイル」
そう、まるで小学校の国語の授業のようにです。
従って、ゆっくり・じっくり聞いて、深く読む感じで、読書が進む。
この読書会に参加するたびに、ドラッカーがいかに「凄い人」なのかが、心に沁みてきました。
今日から不定期ではありますが、読み進めながら重要な部分を綴って参ります。書かれている内容が相当「深い」ので、行間を理解したい方は是非、書籍を全文で読んで頂きたいです。
この本の凄さは、出版されたのが2000年、従ってドラッカーは、それ以前の1990年代にはこの草稿を練っていたはず。まるで30年後、2020年代の現在が見えていたかのような記述が随所に出てきます。
Part2:働くことの意味が変わった
第1章「生産性をいかにして高めるか」
【生産性革命は終わった】
(1)物を作ったり運んだりすることの生産性は、ここ100年間で社会的事件と言えるほど向上し、史上例のないものだった。
(2)しかし先進国においては、これまでのような生産性革命は終わった。今日重要性を増してきた知識労働者の生産性は全く向上していない。分野によっては低下している。
(3)知識労働者には、研究活動を行う科学者や心臓外科から、製図工、小売店の店長、保険会社の保険請求処理部門で働く者まで多様な職種が含まれる。だが知識労働者が多様であっても生産性向上に役立つもの、役立たないものは同じである。
【資本と技術は生産手段に過ぎない】
(1)我々が強い衝撃を持って最初に学んだことは、知識労働においては、資本は労働(すなわち人間)の代わりにならない、ということである。技術も、それだけでは知識労働の生産性を高めることは出来ない。
(2)経済学の用語に従えば、肉体労働については、資本と技術は生産要素である。しかし知識労働については、もはや生産手段に過ぎない。
(3)資本と技術が仕事の生産性を高めるか損ねるかについては、知識労働者がそれらを使って、何をいかにするかにかかっている。仕事の目的や、使う人の技量にかかっている。
(4)30年前、コンピュータが事務要員を大幅に削減すると信じていた。そのためサービス業におけるコンピュータ投資は、素材加工における機械投資と同じように行われた。ところが人の数は増えたが、生産性は実質的にはほとんど向上していない。
(5)医療コストの爆発は、病院の生産性を大幅に向上させることでしか食い止めることは出来ない。より賢くは働くことでしか達成できない。
【「目的は何か」を問うことが重要】
(1)フレデリック・テイラーが後に科学的管理法として結実した研究を始めたとき、肉体労働について、「何が目的か」は問わなかった。問題にしたのは「いかに行うか」だった。
(2)それに対して、知識労働の生産性の向上を図る場合にまず問うべきは、「何が目的か。何を実現しようとしているか。なぜそれを行うか」である。
(3)それを手っ取り早く効果的に生産性を向上をさせる方法は、仕事を定義し直すことである。特に、行う必要のない仕事を止めることである。
ではまた明日!
「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしお
12月
3日,
2021年
「リーダーシップ」というものを思う時(3)「決断することもリーダーシップ!」
不定期ですが、
『「リーダーシップ」というものを思う時』
というタイトルで綴っています。
今日のテーマは
「決断することもリーダーシップ!」
プロコーチとして活動を始めて7年、独立して今年が3年目。私のクライアントは社長・経営者、管理職、そして起業家の方々です。そして、プロコーチとして独立を検討しているコーチの方も多いです。
そういう方々とお話をしていて思うことは「決断する」ということの重要性です。
社長・経営者や管理職の方々は毎日、毎時?決断を迫られている。「決断する」ことが仕事のように感じます。
実際に私のサラリーマン時代を振り返ると、将に「いつも決断を迫られている」、そして「今すぐに!」でした。
一方「決断する」という行為は、経営者や起業家だけに限定された行為ではありません。誰でもしていることです。例えば、
- 今日は、どんな服装で出かけようか?
- お昼ご飯は何を食べようか、カレーライスかな、それともラーメンかな?
しかし、経営者・社長や管理職、起業家の方々の「決断」というものは、服装や食事メニューの選択とは大きく異なります。なぜなら、
「周りの人への影響がある」
からです。
つまり、決断された内容に周りの人が巻き込まれる。
従って私は、ここにも一種の「リーダーシップ」が発揮されている、と強く感じるのです。
皆さんも企業や組織内での会合などで
「決めない会議」
に参加した経験をきっとお持ちだと思います。
会議には色々な目的のものがあるので、いつもいつも「決める」場面がある訳ではありません。しかし、会議中に賛否両論が交わされ、論が尽くされた挙句に
「もう少し、調査してから決めよう」
と明らかに決断を、先送りしているトップの発言。
実は、決断が正しいのかどうかは、誰も分からないのです。VUCAの時代と言われ、将来は何が起こるか、明日でさえ経営環境がどうなっているかなど、誰も分からない。
従って100%正解の決断は出来ない。つまり周りの人は、100%の正解を求めている訳ではないと思います。むしろ、
「とにかくやってみよう!」
というトップの言葉、即ち決断を待っているのです。
「覚悟」と言っても良いかも知れません。
覚悟と言っても、必要以上に固いものを示している訳ではないと思います。柔軟性を持った決断・覚悟もあり得ます。
間違っていたら軌道修正をすれば良い。軌道修正する道筋を事前に検討しておくも良い。しかし、今ここで「ゴーサイン」が欲しい。
そんな経営者の言葉に周りの人間は、うなづき、腹落ちし、ぐっと力を入れて前進出来る。
こんな経営者・起業家を私自身は目指したいですし、このような社長をコーチしたいですね!
ではまた明日!
「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしお
11月
30日,
2021年
読書会でドラッカーを読み進めながら(Day5)「組織の使命に信念を持つ」
興味深いスタイルの「読書会」で、P・F・ドラッカー著
「プロフェッショナルの条件」
を読み進めています。
その読書会のスタイルは
「一冊の本を参加者が、順番に輪読しながら読み進めるスタイル」
そう、まるで小学校の国語の授業のようにです。
従って、ゆっくり・じっくり聞いて、深く読む感じで、読書が進む。
この読書会に参加するたびに、ドラッカーがいかに「凄い人」なのかが、心に沁みてきました。
今日から不定期ではありますが、読み進めながら重要な部分を綴って参ります。書かれている内容が相当「深い」ので、行間を理解したい方は是非、書籍を全文で読んで頂きたいです。
この本の凄さは、出版されたのが2000年、従ってドラッカーは、それ以前の1990年代にはこの草稿を練っていたはず。まるで30年後、2020年代の現在が見えていたかのような記述が随所に出てきます。
Part1
第2章「新しい社会の主役は誰か」
【前例のない組織社会】
(1)今日の組織社会には前例が無い。組織社会を構成する組織のそれぞれが、単一の目的のために設計され、高度に専門的な道具を使って成果を上げるという点で、歴史上のいかなる社会とも異なる。
(2)そして、それらの組織が、知識を知識に適用することによって成果を上げるという点でも、歴史上のいかなる社会とも異なる。
(3)また、構造においても例がない。例えば継続と安定を求めるコミュニティのニーズと、イノベーターとして不安定要因たらざるを得ない組織のニーズとの間の緊張関係がある。
(4)また組織社会の基盤たる知識そのものに関わる問題がある。最も容易ならざる最大の問題は、社会の多元化に伴う問題である。
【組織の使命に信念を持つ】
(1)企業、大学、病院、ボーイスカウトのいずれを問わず組織に働く者は、優れた仕事を行うために、自らの組織の使命が社会において重要な使命であり、他のあらゆるものの基盤であるとの信念を持たなければならない。
(2)この信念が無ければ、いかなる組織といえども、自信と誇りを失い、成果をあげる能力を失う。
(3)社会の多元性は、単一目的の専門化した無数の組織が機能することによって、初めて可能となる。それらの組織は、専門化した独立の存在として、社会やコミュニティの全体についてではなく、狭い範囲の使命、ビジョン、価値観を持つとき、初めて大きな成果を上げる。
(4)従って我々は昔からの問題、しかも一度も解決されたことのない問題に還る。すなわち、多元社会に関わる問題、
①誰が共同の利益の面倒を見るか
②誰が共同の利益を規定するか
③誰が多元社会の諸々の組織間でしばしば対立関係に陥る目的や価値のバランスを図るか
④誰がトレードオフに関わる意思決定を行い、何を以ってそれらの意思決定の基準とするか
という問題である。
ではまた明日!
「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしお