20日午前の東京外国為替市場で、円相場は下落でした。10時時点は「1ドル=157円75〜76銭」と前日17時時点と比べて1円29銭の円安・ドル高でした。9時10分ごろに7月17日以来の安値となる「1ドル=157円93銭」近辺まで下げ幅を拡大しています。その後は<加藤勝信財務相>の円安けん制発言が伝わり、円は買い戻しの動きで下げ渋っています。12時時点は「1ドル=156円93〜95銭」と前日17時時点と比べて47銭の円安・ドル高でした。
米連邦準備理事会(FRB)が18日に公表しました米連邦公開市場委員会(FOMC)参加者による2025年の政策金利見通し(ドットチャート)が利下げペースの鈍化を示しました。米経済が堅調との見方から、米長期金利は19日に一時7カ月ぶりの高水準まで上昇でした。
それに対し、日銀は18〜19日まで開いた金融政策決定会合で政策金利を据え置いています。<植田和男総裁>の記者会見での発言が利上げに慎重な「ハト派」だったとの受け止めから、日銀の早期利上げ観測が後退。日米の金利差の縮小に時間がかかるとの思惑が円相場の重荷となりました。10時前後には国内輸入企業からの円売り・ドル買いも活発でした。
10時過ぎ、<加藤財務相>が閣議後の会見で、急速に円安が進行していることに対して、「足元で一方的、急速な動きがみられる」「投機的な動向を含め憂慮している」などと述べ、<加藤財務相>が円安進行をけん制したとして、市場参加者は前日までに膨らんでいた円の売り持ち高を整理しています。円は11時50分ごろには「1ドル=156円89銭近辺まで値を戻す場面がありました。