5日のニューヨーク外国為替市場で円相場は3営業日続伸し、前日比30銭円高・ドル安の「1ドル=143円40〜50銭」で取引を終えています。
朝発表の米国の雇用関連指標が市場予想を下回り、円買い・ドル売りが優勢でした。一時「1ドル=142円86銭」近辺と1カ月ぶりの円高・ドル安水準を付けています。
夜間に円相場が円高方向に動く傾向が強まっています。米国の利下げが迫り、日米の金利差縮小に着目して円を買う海外勢の動きが活発のようです。
5日朝発表の8月のADP全米雇用リポートで非農業部門の雇用者数は前月に比べ9万9000人増え、市場予想(14万人増)を下回りました。労働市場の減速感が出ているとの見方につながっています。4〜6月期の雇用コスト指数(改定値)が速報値から下方修正されています。米長期金利が低下し、日米金利差の縮小観測が円買い・ドル売りを促しました。
円相場は「1ドル=144円22銭」近辺まで下落する場面がありました。米サプライマネジメント協会(ISM)が5日午前に発表しましたサービス業景況感指数が市場予想を上回っています。一方、個別項目では「雇用」などが悪化。6日発表の8月の米雇用統計を見極めたいという雰囲気もあり、円売り・ドル買いの勢いは続きませんでした。