31日のニューヨーク外国為替市場で円相場は反発し、前日比70銭円高・ドル安の「1ドル=146円85〜95銭」で取引を終えています。円の高値は「1ドル=146円01銭」、安値は「1ドル=147円87銭でした。
米雇用指標が労働需給の緩和を示し、インフレが減速するとの見方から円買い・ドル売りが優勢でした。もっとも、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が31日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で早期の利下げに慎重な見方を示したのは円の重荷になりました。
31日発表の1月のADP全米雇用リポートで非農業部門の雇用者数は前月比10万7000人増と、市場予想(15万人増)に届きませんでした。2023年10〜12月期の雇用コスト指数は前の四半期に比べ(0.9%)上昇と、市場予想(1.0%上昇)を下回っています。賃金の上昇圧力が緩み、インフレの鈍化につながるとの見方が広がりました。
日銀が31日に公表しました1月開催の金融政策決定会合での「主な意見」では、「マイナス金利解除を含めた政策修正の要件は満たされつつある」などの声がありました。政策の正常化に前向きな意見があり、マイナス金利の解除が改めて意識されたのも円買いを促しています。
もっとも、円には売りも出ました。(FRB)は31日まで開いた
(FOMC)で市場の想定通り政策金利を4会合連続で据え置いています。<パウエルFRB議長>は会合後の記者会見で、次回3月会合での利下げについて「基本ケースと呼ぶものではない」と述べた。物価上昇率が目標の(2%)を上回っていることを念頭に「(インフレ率の低下を示す)さらに良いデータを見たい」と話し、市場で早期の利下げ観測が後退したのは円の重荷になっています。